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最終章 レッドアサシン
61話 バダグとバハムート①
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いつか見た世界へ空間転移していた。間違いなくここはニサラレスの居る異空間だ。
レシア「来たな…ナーダとブルーも一緒か。」
ブルー「ここは、ここが異空間?」
ナーダ「何か凄く変な場所だね。」
レシア「まあ、そうだな。普通の空間とは全く違う。」
確か…前に来た時は、ニサラレスと戦った時にティアマットが参戦してきたんだっけか。正直アイツに勝てる気は全くしない。それでも今はニサラレスと戦うしかない。
ブルー「ここの何処かにバダグも…」
レシア「ああ、居るだろうな。もしかしたらニサラレスと一緒に居るかもしれない。」
ナーダ「どうするの?」
レシア「もしもの場合はお前達でバダグの相手を頼む。バダグもダメージを受けているから何とでも出来るかもしれん。その間に俺がニサラレスを倒してやるさ。」
ブルー「ニサラレスに勝てるの?」
レシア「…頑張るよ。」
ナーダ「ニサラレスさんはそんなに強いの?」
ブルー「現状どうなのかは分からないわ。でも最近までバダグにエネルギーを送って貰っていたから、弱っているって事は無いと思うわよ。」
レシア「俺だって成長している。魔力を増強するアイテムも装備しているし。」
ブルー「その宝石、バダグの持っているヤツと似ているわね。」
レシア「そうか?」
まさか違う時間の流れでバダグから預かった物とも言えずに、レシアは言葉を濁した。
進んだ先の大きなフロアにバダグが居た。より詳しく言うならば、ダメージでゆっくりと歩いてニサラレスの居るハズの方角へ向かっていた。
レシア「バダグ!」
バダグ「な…レッドだと?どうやって此処に…ブルーも居るのか?」
ブルー「バダグ、一旦落ち着かない?このままじゃアンタ、死んじゃうよ。」
バダグ「俺に構うな。しかしニサラレスの居場所まで分かっていたなんて。」
レシア「言っただろ、俺は特別なんだって。」
バダグ「特別過ぎるだろう。しかしこうなった以上は戦うしかあるまい。」
ナーダ「怪我しているんだよ、無理だって。」
バダグ「黙れ。」
バダグはこちらに向かって構える。明らかに精彩さを欠いており、ナーダですら勝てるんじゃないかという位だ。ここに来るまでの出血量も大分になるのかもしれない。
レシア「大人しくしている事だ。バダグ、お前はもう休んでおけ。ああ、死ねって意味じゃ無くてな。」
バダグ「何を言っている…とにかく掛かって来い!」
レシア「このわからずやめ!」
レシアは正面から剣を振るう。剣はバダグのセスタスに当たり、バダグは勢いで倒れる。もう踏ん張る事も厳しそうだ。
バダグ「ぐ…こんな所で。」
ブルー「バダグ、アンタの負けだよ。ニサラレスの事は諦めるんだ。じゃなきゃアンタが間違いなく死んでしまうよ。」
バダグ「ブルーお前が裏切るとはな。」
ブルー「私からしたらニサラレスよりアンタの方が大事ってだけよ。」
レシア「バダグ、親友であるニサラレスを護ろうと言うのは分からんでも無い。ティアマットの事もあって辞められない…辞めにくいのも知っている。でもここは退いて貰う。」
バダグ「出来ないと言ったら?」
レシア「世界の命運が掛かっている。最悪の場合はお前に死んで貰うしか無い。」
バダグ「答えは出ているじゃないか。ここを通りたければ俺を殺していくんだな。」
レシア「…この馬鹿垂れが。」
バダグ「馬鹿で結構。」
レシアは再び剣を構える。そしてバダグへ歩み寄る。その時に奥の方から声が聞こえた。
ニサラレス「苦戦しているようだな、バダグ。」
バダグ「ニサラレス?お前、正気に戻ったのか?」
ニサラレス「俺は元々正気だよ。あの時はちょっとだけ興奮してしまっていただけだ。」
バダグ「ふ…ふふふ。俺のしてきた事は無駄では無かったのか。」
レシア「騙されるな。ニサラレスをよく見ろ。この魔力や気配、こいつはもう人間じゃ無い!」
バダグ「例え純粋な人間で無くなってしまっているとしても、コイツは俺の親友なんだ。」
ニサラレス「良い事を言うな、バダグ。それならばその言葉を証明して見せてくれないか?」
バダグ「え…?」
ニサラレスが呪文を唱えるとニサラレスの前に一匹の竜が召喚された。ティアマットとはまた違う竜だ。
ニサラレス「バダグ、お前はこのままいては出血多量で死んでしまう。それならば、このバハムートを身体に住まわせてみないか?そうすれば今のお前の傷位なら治るだろうし、バハムートとの意識の戦いに勝てば、意識はずっとお前のままだ。」
バダグ「それは…いや、確かにそうなのかもしれないな。」
レシア「馬鹿野郎!今のお前でそんな竜に勝てるか!」
ニサラレス「フィジカルで観ればそうかもしれない。しかし精神力となれば別の話。少々のダメージで勝敗が変わる訳でも無い。」
ブルー「バダグ、流石に無理だ。」
ナーダ「そうよ、辞めておいた方が良いよ。」
バダグ「…もう俺は此処まで来てしまっている。今更止まらんさ。」
レシア「バダグ!」
バダグとバハムートが重なり、一瞬の内に変化を遂げる。その姿は竜の王ともいえる様な見た目で、若干顔にバダグの面影が残る程度だった。
レシア「馬鹿な…!」
ブルー「そ、そんな…」
レシア「バダグとバハムートで…バダグートだな、こりゃ。」
ブルー「馬鹿な事を言っていないで!どうすんの!?」
レシア「来たな…ナーダとブルーも一緒か。」
ブルー「ここは、ここが異空間?」
ナーダ「何か凄く変な場所だね。」
レシア「まあ、そうだな。普通の空間とは全く違う。」
確か…前に来た時は、ニサラレスと戦った時にティアマットが参戦してきたんだっけか。正直アイツに勝てる気は全くしない。それでも今はニサラレスと戦うしかない。
ブルー「ここの何処かにバダグも…」
レシア「ああ、居るだろうな。もしかしたらニサラレスと一緒に居るかもしれない。」
ナーダ「どうするの?」
レシア「もしもの場合はお前達でバダグの相手を頼む。バダグもダメージを受けているから何とでも出来るかもしれん。その間に俺がニサラレスを倒してやるさ。」
ブルー「ニサラレスに勝てるの?」
レシア「…頑張るよ。」
ナーダ「ニサラレスさんはそんなに強いの?」
ブルー「現状どうなのかは分からないわ。でも最近までバダグにエネルギーを送って貰っていたから、弱っているって事は無いと思うわよ。」
レシア「俺だって成長している。魔力を増強するアイテムも装備しているし。」
ブルー「その宝石、バダグの持っているヤツと似ているわね。」
レシア「そうか?」
まさか違う時間の流れでバダグから預かった物とも言えずに、レシアは言葉を濁した。
進んだ先の大きなフロアにバダグが居た。より詳しく言うならば、ダメージでゆっくりと歩いてニサラレスの居るハズの方角へ向かっていた。
レシア「バダグ!」
バダグ「な…レッドだと?どうやって此処に…ブルーも居るのか?」
ブルー「バダグ、一旦落ち着かない?このままじゃアンタ、死んじゃうよ。」
バダグ「俺に構うな。しかしニサラレスの居場所まで分かっていたなんて。」
レシア「言っただろ、俺は特別なんだって。」
バダグ「特別過ぎるだろう。しかしこうなった以上は戦うしかあるまい。」
ナーダ「怪我しているんだよ、無理だって。」
バダグ「黙れ。」
バダグはこちらに向かって構える。明らかに精彩さを欠いており、ナーダですら勝てるんじゃないかという位だ。ここに来るまでの出血量も大分になるのかもしれない。
レシア「大人しくしている事だ。バダグ、お前はもう休んでおけ。ああ、死ねって意味じゃ無くてな。」
バダグ「何を言っている…とにかく掛かって来い!」
レシア「このわからずやめ!」
レシアは正面から剣を振るう。剣はバダグのセスタスに当たり、バダグは勢いで倒れる。もう踏ん張る事も厳しそうだ。
バダグ「ぐ…こんな所で。」
ブルー「バダグ、アンタの負けだよ。ニサラレスの事は諦めるんだ。じゃなきゃアンタが間違いなく死んでしまうよ。」
バダグ「ブルーお前が裏切るとはな。」
ブルー「私からしたらニサラレスよりアンタの方が大事ってだけよ。」
レシア「バダグ、親友であるニサラレスを護ろうと言うのは分からんでも無い。ティアマットの事もあって辞められない…辞めにくいのも知っている。でもここは退いて貰う。」
バダグ「出来ないと言ったら?」
レシア「世界の命運が掛かっている。最悪の場合はお前に死んで貰うしか無い。」
バダグ「答えは出ているじゃないか。ここを通りたければ俺を殺していくんだな。」
レシア「…この馬鹿垂れが。」
バダグ「馬鹿で結構。」
レシアは再び剣を構える。そしてバダグへ歩み寄る。その時に奥の方から声が聞こえた。
ニサラレス「苦戦しているようだな、バダグ。」
バダグ「ニサラレス?お前、正気に戻ったのか?」
ニサラレス「俺は元々正気だよ。あの時はちょっとだけ興奮してしまっていただけだ。」
バダグ「ふ…ふふふ。俺のしてきた事は無駄では無かったのか。」
レシア「騙されるな。ニサラレスをよく見ろ。この魔力や気配、こいつはもう人間じゃ無い!」
バダグ「例え純粋な人間で無くなってしまっているとしても、コイツは俺の親友なんだ。」
ニサラレス「良い事を言うな、バダグ。それならばその言葉を証明して見せてくれないか?」
バダグ「え…?」
ニサラレスが呪文を唱えるとニサラレスの前に一匹の竜が召喚された。ティアマットとはまた違う竜だ。
ニサラレス「バダグ、お前はこのままいては出血多量で死んでしまう。それならば、このバハムートを身体に住まわせてみないか?そうすれば今のお前の傷位なら治るだろうし、バハムートとの意識の戦いに勝てば、意識はずっとお前のままだ。」
バダグ「それは…いや、確かにそうなのかもしれないな。」
レシア「馬鹿野郎!今のお前でそんな竜に勝てるか!」
ニサラレス「フィジカルで観ればそうかもしれない。しかし精神力となれば別の話。少々のダメージで勝敗が変わる訳でも無い。」
ブルー「バダグ、流石に無理だ。」
ナーダ「そうよ、辞めておいた方が良いよ。」
バダグ「…もう俺は此処まで来てしまっている。今更止まらんさ。」
レシア「バダグ!」
バダグとバハムートが重なり、一瞬の内に変化を遂げる。その姿は竜の王ともいえる様な見た目で、若干顔にバダグの面影が残る程度だった。
レシア「馬鹿な…!」
ブルー「そ、そんな…」
レシア「バダグとバハムートで…バダグートだな、こりゃ。」
ブルー「馬鹿な事を言っていないで!どうすんの!?」
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