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6章 紅のナイトメア
55話 戻った世界線
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レシア「何かよく分からないけど、俺は特に特別な事はしていない。まあ、魔法で筋力を上げたりはしたけど…」
ティアマット「…まあ良い。答える気が無いのであればもう消えて貰おう。」
ナーダ「あ、危ない!」
ティアマットはレシアに向けて炎を吐き出した。すぐに反応できなかった。
レシア「…えっ!?」
ナーダがレシアに体当たりして横に飛ばした。茫然としたままのレシアの目の前でナーダは炎に包まれて消えてしまう。
レシア「ナーダ…?」
ティアマット「ほう、仲間を庇って死んでいくとは。これが人間の美しい愛情とかいうものなのか。」
レシア「お前…ふざけんなよ!」
ティアマット「心配するな。お前もすぐに消滅する。」
レシア「どうやってバリアを破ったのか実演してやる!パワーホールド!」
ティアマット「もう興味は失せた。消えろ。」
レシアはルーンソードの銃部分に魔力を込める。その間にティアマットが炎を吐き出した。
レシア「くっ!こんなもの!」
何とか横に飛び退いてかわそうとする。炎はレシアの左腕を巻き込んで進んでいった。
レシア「ぐわああっ!ぐ…腕が消滅してしまった…」
ティアマット「良くかわしたな。しかしそのダメージでは同じ様にかわす事は出来ないだろう。もう終わりだ。」
レシア「ただでやられると思うな!」
アドレナリンの所為か痛みはあまり感じなかった。ティアマットに向かって突撃し、右手一本で斬り付けた。
レシア「どうだ…!?」
ティアマット「ふっ、そんな攻撃で私を殺せるとでも思っているのか?」
レシア「そんな…」
どうやらティアマットにはノーダメージの様だ。ティアマットは大きく咆哮し、その振動でレシアを吹っ飛ばした。そのまま更に炎を吐き出す。レシアは動けないまま炎に包まれた。その瞬間にレシアの首にある紅い宝石が光り出す。
後には何も残っていなかった。
ティアマット「消えたな。人間など所詮はこんなもの。どれだけ吠えようがな。」
ティアマットは後ろを振り向いた。その時に微かな痛みを覚える。レシアに斬られた腹部より一筋の血が流れていた。
ティアマット「…!まさかさっきの一撃が効いたとでも?ふふふ…面白いな。理由は分からんが、やはりあのバリアを破ったのは偶然でも何でもない。もう少し生かしておいても良かったかもしれないな。」
その事実を知る事も無く、レシアはまたいつもの河川敷に居た。
ブルー「レッド、どうしたの?ボーっとして。」
レッド「え…ブルーか。いや…」
また戻ってしまった。しかしブルーからおかしな気配や殺気は感じない。すぐ後にハンターが襲ってきた時も普段の様子と変わらなかった。
レシア(今回はブルーに記憶が無いのか?)
レシアは取り敢えず様子を見る事にする。バダグもナーダもシヴァも、皆記憶が無い様子だった。
レシア「俺だけが記憶の残っている状態なのか?じゃあ今回はどうすれば?…今までの流れで出来ていない事は何だ。分からない…と言うか、時間の路に戻る事は出来るのか?」
上手く考えが纏まらないまま時間の流れを過ごして行く。ついにはハンター本部でクラスタを迎え撃つ所に来てしまっていた。
レシア(そう言えば、シヴァは此処で死んでしまうんだよな…もしこれを助ける事が出来るのであれば。)
シヴァと別れてレシアとナーダ…ついでにハンター副部長は本部の中から入り口に向かって進む事になった。途中でチャードに出会う。
チャード「会いたかったぜ、レッド・アサシン。」
レシア「チャード。どうやら俺の容疑は晴れていない様だな。」
チャード「さて…この戦いはビジネスだ。私情は関係ない。」
レシア「そうかよ。」
一息で回りに居た2人のアサシンを斬り討伏せる。
チャード「!?強いとは思っていたけど…本津に凄いな。」
レシア「レベルが違う、とだけ言っておこう。」
チャード「はん、だけどこのまま簡単にはやられないぜ!」
チャードは銃を構えるが、その銃が壊れているのは知っている。気にせずに突っ込んだ。チャードは銃を投げつけて来てからダガーで斬り付けて来た。レシアは銃をかわしてチャードの攻撃が届く前に剣でチャードの腕を斬った。
チャード「うぐ…利き腕をピンポイントでやりやがったな。」
レシア「ここまでだ。俺がお前の村の仇で無い事は分かっているんだろ?」
チャード「…ああ。俺もあれからちょっと調べてみた。レッド・アサシン、お前は犯人じゃない。」
レシア「だったら大人しくしていろ。今はクラスタを何とかしないといけないからな。」
チャード「…分かったよ。実際に、今回の任務は別段乗り気でも無かったし。その代わり…」
レシア「ああ、お前の村の仇は俺が取ってやる。お前はその傷を治す事に専念するんだ。」
チャード「そうだな。」
もしかしたら何か変化があるかもしれないと思い、チャードも殺さない様にした。そのままハンター本部の入り口に辿り着いた。そこにはシヴァが倒れていた。取り敢えず駆け寄る。
レシア「シヴァ、生きているか?」
シヴァ「うう…レ、レシアか。」
よし、まだ生きている。問題はこれからだ。もうすぐクラスタがシヴァに止めを刺してくる。姿が見えない以上、気配でそれを見切らないといけない。
レシア「……」
次の刹那、シヴァの奥の方から殺気を感じた。剣を振るうと何かを弾く感触があった。成功だ。
レシア「よし。ナーダ、シヴァに回復魔法を頼む。」
ナーダ「う、うん。」
剣を構えた。
ティアマット「…まあ良い。答える気が無いのであればもう消えて貰おう。」
ナーダ「あ、危ない!」
ティアマットはレシアに向けて炎を吐き出した。すぐに反応できなかった。
レシア「…えっ!?」
ナーダがレシアに体当たりして横に飛ばした。茫然としたままのレシアの目の前でナーダは炎に包まれて消えてしまう。
レシア「ナーダ…?」
ティアマット「ほう、仲間を庇って死んでいくとは。これが人間の美しい愛情とかいうものなのか。」
レシア「お前…ふざけんなよ!」
ティアマット「心配するな。お前もすぐに消滅する。」
レシア「どうやってバリアを破ったのか実演してやる!パワーホールド!」
ティアマット「もう興味は失せた。消えろ。」
レシアはルーンソードの銃部分に魔力を込める。その間にティアマットが炎を吐き出した。
レシア「くっ!こんなもの!」
何とか横に飛び退いてかわそうとする。炎はレシアの左腕を巻き込んで進んでいった。
レシア「ぐわああっ!ぐ…腕が消滅してしまった…」
ティアマット「良くかわしたな。しかしそのダメージでは同じ様にかわす事は出来ないだろう。もう終わりだ。」
レシア「ただでやられると思うな!」
アドレナリンの所為か痛みはあまり感じなかった。ティアマットに向かって突撃し、右手一本で斬り付けた。
レシア「どうだ…!?」
ティアマット「ふっ、そんな攻撃で私を殺せるとでも思っているのか?」
レシア「そんな…」
どうやらティアマットにはノーダメージの様だ。ティアマットは大きく咆哮し、その振動でレシアを吹っ飛ばした。そのまま更に炎を吐き出す。レシアは動けないまま炎に包まれた。その瞬間にレシアの首にある紅い宝石が光り出す。
後には何も残っていなかった。
ティアマット「消えたな。人間など所詮はこんなもの。どれだけ吠えようがな。」
ティアマットは後ろを振り向いた。その時に微かな痛みを覚える。レシアに斬られた腹部より一筋の血が流れていた。
ティアマット「…!まさかさっきの一撃が効いたとでも?ふふふ…面白いな。理由は分からんが、やはりあのバリアを破ったのは偶然でも何でもない。もう少し生かしておいても良かったかもしれないな。」
その事実を知る事も無く、レシアはまたいつもの河川敷に居た。
ブルー「レッド、どうしたの?ボーっとして。」
レッド「え…ブルーか。いや…」
また戻ってしまった。しかしブルーからおかしな気配や殺気は感じない。すぐ後にハンターが襲ってきた時も普段の様子と変わらなかった。
レシア(今回はブルーに記憶が無いのか?)
レシアは取り敢えず様子を見る事にする。バダグもナーダもシヴァも、皆記憶が無い様子だった。
レシア「俺だけが記憶の残っている状態なのか?じゃあ今回はどうすれば?…今までの流れで出来ていない事は何だ。分からない…と言うか、時間の路に戻る事は出来るのか?」
上手く考えが纏まらないまま時間の流れを過ごして行く。ついにはハンター本部でクラスタを迎え撃つ所に来てしまっていた。
レシア(そう言えば、シヴァは此処で死んでしまうんだよな…もしこれを助ける事が出来るのであれば。)
シヴァと別れてレシアとナーダ…ついでにハンター副部長は本部の中から入り口に向かって進む事になった。途中でチャードに出会う。
チャード「会いたかったぜ、レッド・アサシン。」
レシア「チャード。どうやら俺の容疑は晴れていない様だな。」
チャード「さて…この戦いはビジネスだ。私情は関係ない。」
レシア「そうかよ。」
一息で回りに居た2人のアサシンを斬り討伏せる。
チャード「!?強いとは思っていたけど…本津に凄いな。」
レシア「レベルが違う、とだけ言っておこう。」
チャード「はん、だけどこのまま簡単にはやられないぜ!」
チャードは銃を構えるが、その銃が壊れているのは知っている。気にせずに突っ込んだ。チャードは銃を投げつけて来てからダガーで斬り付けて来た。レシアは銃をかわしてチャードの攻撃が届く前に剣でチャードの腕を斬った。
チャード「うぐ…利き腕をピンポイントでやりやがったな。」
レシア「ここまでだ。俺がお前の村の仇で無い事は分かっているんだろ?」
チャード「…ああ。俺もあれからちょっと調べてみた。レッド・アサシン、お前は犯人じゃない。」
レシア「だったら大人しくしていろ。今はクラスタを何とかしないといけないからな。」
チャード「…分かったよ。実際に、今回の任務は別段乗り気でも無かったし。その代わり…」
レシア「ああ、お前の村の仇は俺が取ってやる。お前はその傷を治す事に専念するんだ。」
チャード「そうだな。」
もしかしたら何か変化があるかもしれないと思い、チャードも殺さない様にした。そのままハンター本部の入り口に辿り着いた。そこにはシヴァが倒れていた。取り敢えず駆け寄る。
レシア「シヴァ、生きているか?」
シヴァ「うう…レ、レシアか。」
よし、まだ生きている。問題はこれからだ。もうすぐクラスタがシヴァに止めを刺してくる。姿が見えない以上、気配でそれを見切らないといけない。
レシア「……」
次の刹那、シヴァの奥の方から殺気を感じた。剣を振るうと何かを弾く感触があった。成功だ。
レシア「よし。ナーダ、シヴァに回復魔法を頼む。」
ナーダ「う、うん。」
剣を構えた。
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