Red Assassin(完結)

まさきち

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6章 紅のナイトメア

51話 乱れた世界線

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リュートを斬り伏せる。もうこいつには何度戦ったとしても負ける気がしない。



レシア「さて…」
ブルー「いつもみたいに冥福を祈らないの?」
レシア「今はそれより大切な事がありそうだからな。」
ブルー「そう。」

レシア「ブルー、お前は何で記憶があるんだ?
ブルー「記憶?これからの話の事?分からないわ。」
レシア「そうか…俺もよく分からない。今までこんな事は無かったのに。」
ブルー「今わかるのは、ここでアンタを殺しておけばバダグが無駄死にしないって事ね。」
レシア「何だと?」


ブルーはダガーを構える。


レシア「それはおかしいだろ。」
ブルー「確かにどっちにしろバダグは死ぬんでしょうね。でもここでアンタを殺しておけば、バダグの負担は減る。もしかしたら、今からだったらバダグを救う事も出来るかもしれないし。」
レシア「バダグを救うだと?」
ブルー「バダグは既にティアマットによって囚われているわ。でも居場所を離れた所に移して封印を私が対応すれば…」

レシア「いやいや、それなら別に俺を殺す意味も無い。」
ブルー「アンタはバダグを狙っているでしょう?」
レシア「狙ってはいるが…」
ブルー「なら答えは1つね。」


どうやらレシアとブルーの記憶には多少の食い違いがある。ブルーはただ時間の流れの中だけの記憶を持っているだけらしい。レシアはそれ以外にも横話の間での記憶…情報があるのだ。


レシア「…ブルー、お前ではティアマットは抑えきれない。俺には分かるんだ。」
ブルー「どういう事かしら?」
レシア「何と説明すればいいか分からないが…」
ブルー「出来ないんでしょ。だったら何もないのと同じよ。」


ブルーはダガーで斬り付けて来た。かわしながら近距離でシャドウを放つ。ブルーはシャドウを直撃されて吹っ飛んだ。


レシア「落ち着くんだ。」
ブルー「く…まあ私ではアンタに勝てないのは分かってたけど…」
レシア「俺はちゃんとした真実はまだ分かっていない。でも、お前が…お前やバダグが真の村の仇では無い事は理解している。」
ブルー「……」


何でこんな事になってしまったのか…とにかく、今はバダグに会わなければ。


レシア「バダグに合わせてくれ。話がしたい。」
ブルー「…分かったわ。」




そのままアサシン本部に向かった。実際に誰が記憶を持っているか分からない。もしかしたらこの2人だけかもしれないし、沢山の人かもしれないのだ。




バダグ「…で、連れて来たと。」
ブルー「そうな。後はアンタに任せるわ。」


バダグはどっちだ?記憶があるのか?


レシア「バダグ。お前は…」
バダグ「レッド、俺も先の事は分かっている。」
レシア「じゃあ…」


どうやら記憶のある人間は1人2人では無い様だ…


バダグ「いきなり変な未来の記憶が現れて、正直混乱していた。だが、こんな上手い事になるとはな。」
レシア「え…」


バダグがいきなり攻撃を仕掛けてきた。ギリギリでガード出来たが、そのまま飛ばされる。


バダグ「まだ俺はあの時ほど衰えてはいない。レッド、お前では倒せんぞ。」
レシア「く…バダグ、お前!」
ブルー「はあ、やっぱりこうなるのね。まあ分かってたけど。」


バダグの言う【あの時】とは、今回の前に通った時間の流れの事だろう。これから先の1週間ちょっとでバダグは目に見えて衰えて行くのだ。


レシア「なんでそんなに戦おうとするんだ?」
バダグ「お前も記憶がある様だから教えておいてやる。俺はダーク・アサシンの事を調べようとする者を抹殺する使命を負っているんだ。」
レシア「…ダーク・アサシンはお前じゃないのか?」
バダグ「…その通りだ。そして俺の事を探るお前は殺すしかない。」


バダグはセスタスを装着した。


バダグ「ブルー、お前h当てを出さなくても良い。」
ブルー「分かったわ。」
レシア「…今のバダグに勝てるのか?」


バダグは再び襲い掛かって来た。今のバダグはまだ衰えていない。普通によく知っていたバダグのままだ。レシアは1撃目をかわし2撃目をガードする。そこでバランスを崩されてしまい、連撃をまともに食らってしまう。


レシア「う…ぐ…」


連撃だった為か、致命的なダメージは無い。その代わり何度もセスタスで殴られて血塗れになってしまった。バダグにしては軽い攻撃だったのだろうが、受ける側にしては強烈な攻撃だ。


バダグ「レッド・アサシンもこの程度か?」
レシア「まだだ…パワーホールド!」


筋力を上げる魔法を唱えるも、そもそもさっきの連撃で頭がフラフラする。バダグはその隙を見逃さずにレシアに蹴りを叩き込んだ。頭部を直撃した蹴りはレシアを床に崩れさせる。


レシア「……」
バダグ「レッド。お前は優秀な部下だったが、色々と知り過ぎてしまった。俺より一足先に逝って貰おう。」
ブルー「レッド、さよならね。」


こいつ等はレシアが時間を遡れる事実を知らない。前回の時間の流れがバダグ達の全ての様だった。元仲間達の声を聞きながらレシアは深い闇に落ちて行った。



そしてレシアの首に掛かった宝石が光出す。




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