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4章 疑惑
34話 転機①
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レシア「…はっ!?」
ブルー「え、どうしたの?」
レシア「い、いや。何でもない。」
ブルー「しっかりしてよ。もうすぐターゲットが来る時間よ。」
何をしていたんだっけ…と一瞬考えたが、すぐに仕事中である事を思い出した。ハンターのリュートをロックする為に河川敷に来ているんだった。
レシア「何か違和感があるな…」
ブルー「何が?」
レシア「なんなんだろう。何回も同じ事を経験している様な気がしてきた。」
ブルー「意味が分からないわね。ロックなんて今までに何回もしてきているでしょう。」
レシア「う~ん。そういう事なんだろうか?」
次の瞬間、後ろの方で気配を感じた。レシアは誰かを確かめる事すらせずに後ろへ斬り掛かる。人間が2人、その内の1人を斬り裂いた。
ブルー「えっ!?」
ブルーも慌てて振り返る。その間にもう1人も斬っていた。
レシア「どうやらハンターみたいだな。裏をかこうとしていたらしい。」
ブルー「よく気付いたわね。私は全然気付かなかったわ。」
レシア「確かに…何で気付いたんだ?」
実際には何回も繰り返した事だった。もちろんレシアは気付いて…思い出してもいない。ふと自分の剣を見た時に、剣が変わっている事に気付く。
レシア「あれ?俺こんな剣を使ってたっけ?」
ブルー「知らないわよ。でもダガー以外を使う所、初めて見たわ。」
レシア「そうだが…あれ?銃の部分も壊れていた様な…」
ブルー「ガンブレードってヤツね。それより。」
レシア「ああ、そうだな。ターゲットが遠くに見えた。行くぞ。」
その瞬間、レシアの持っているガンブレードが光り輝いた。そのままレシアの視界は光に包まれる。
レシア「え…何だ?」
声「レシア、聞こえますか?」
レシア「誰だ。」
声「私の事は分かりませんか。良いでしょう。」
レシア「ここは…?」
声「私はルーン、時間の守護霊です。この場所は時間(とき)の狭間。」
レシア「ルーン…村の名と同じ名前だな。それに時間の狭間?」
ルーン「簡単に言いましょう。時間の扉を開けてすぐの今であれば、貴方が望む軸へ移動する事が可能です。」
レシア「時間の扉?軸?」
ルーン「このまま今の軸を進んで経験を積むのも良いでしょう。もしかしたら軸間で気付いていない路が存在するかもしれません。」
声には全く覚えはない。でも何故か…信用しても良いと思ってしまっている自分が居た。
レシア「望む軸ってのは何なんだ?」
ルーン「それは私には分かりません。全ては貴方次第なのです。」
レシア「………分かった。よく分からないが、怪しい守護霊とやらを信じてみよう。俺が望む軸ってのに連れて行ってみろ。」
ルーン「分かりました。」
知らない間に銃部分が直っており、全体をルーンコーティングされていたガンブレード…敢えて名付けるとしたらルーンソードって所か。
ルーンソードの光が更に大きくなり、世界を包んだ。気付いた時には目の前にブルーが居た。
レシア「お前…ブルー…」
ブルー「探したわよ、レッド。」
そうか…今はナーダとルーン村に行った帰りだ。村の仇の情報を得ようと村に来たものの、何も情報を得られずにシヴァの隠れ家に戻るタイミングだった。ここは村の近くの森の中だな。横を見るとナーダが不安そうな顔で立っていた。
レシア「こんな所まで来るとはな。暇なのか?それとも、アサシンの面子を汚した男に復讐しに来たのか?」
ブルー「そうね。ナーダのロック、シヴァのロック…アンタには2回も邪魔されたからね。今回はアサシン本部長直々の依頼で、レッドをロックしに来たわ。」
レシア「バダグの依頼だと?よっぽどシヴァのロックを邪魔した事を怨んでいるんだな。」
ブルー「それだけでも無いけどね。」
レシア「何だと?」
ブルー「いいえ。とにかく一番の理由は、アンタがバダグを裏切ったからね。」
そっと剣の柄に手を伸ばす。戦闘は避けられない。
レシア「そうか。それでどうするんだ?」
ブルー「やるしかないでしょう?」
レシア「そりゃそうだ。」
ブルー「レッド、アンタはどうするの?」
レシア「やるしかないだろう?」
ブルー「そうね。」
ブルーの攻撃を止めながら剣を振るう。ブルーはそれを後ろに下がって避け、ウィンドカッターで攻撃してきた。レシアはウィンドカッターを剣で斬り裂いた。
レシア「どうした?お前の攻撃は通用しないみたいだな。」
ブルー「それを油断って言うのよ!ウィンドカッターツヴァイ!」
レシア「なっ!?」
ブルーの手からウィンドカッターが一度に3つ発射される。それぞれが弧を描いてレシアに襲い掛かる。初めて見る魔法だが、何となく習性は理解出来た。
レシア「パワーホールド!」
3つのウィンドカッターは違う弧を描いているものの、最終的にはターゲット…つまりレシアの場所に集約される。レシアは一歩下がり、ウィンドカッターが集まるタイミングで一気に切り払った。
ブルー「…まさか、初見でこの魔法を破るなんて。」
レシア「ふう、パワーホールドをしておいて良かった。3つも集まると衝撃が半端無かった。」
ブルー「…流石ね、レッド。でも私のターゲットはアンタだけじゃ無いのよ。」
ブルーはアイスの魔法でレシアに牽制しながらナーダに向かって行った。
ブルー「え、どうしたの?」
レシア「い、いや。何でもない。」
ブルー「しっかりしてよ。もうすぐターゲットが来る時間よ。」
何をしていたんだっけ…と一瞬考えたが、すぐに仕事中である事を思い出した。ハンターのリュートをロックする為に河川敷に来ているんだった。
レシア「何か違和感があるな…」
ブルー「何が?」
レシア「なんなんだろう。何回も同じ事を経験している様な気がしてきた。」
ブルー「意味が分からないわね。ロックなんて今までに何回もしてきているでしょう。」
レシア「う~ん。そういう事なんだろうか?」
次の瞬間、後ろの方で気配を感じた。レシアは誰かを確かめる事すらせずに後ろへ斬り掛かる。人間が2人、その内の1人を斬り裂いた。
ブルー「えっ!?」
ブルーも慌てて振り返る。その間にもう1人も斬っていた。
レシア「どうやらハンターみたいだな。裏をかこうとしていたらしい。」
ブルー「よく気付いたわね。私は全然気付かなかったわ。」
レシア「確かに…何で気付いたんだ?」
実際には何回も繰り返した事だった。もちろんレシアは気付いて…思い出してもいない。ふと自分の剣を見た時に、剣が変わっている事に気付く。
レシア「あれ?俺こんな剣を使ってたっけ?」
ブルー「知らないわよ。でもダガー以外を使う所、初めて見たわ。」
レシア「そうだが…あれ?銃の部分も壊れていた様な…」
ブルー「ガンブレードってヤツね。それより。」
レシア「ああ、そうだな。ターゲットが遠くに見えた。行くぞ。」
その瞬間、レシアの持っているガンブレードが光り輝いた。そのままレシアの視界は光に包まれる。
レシア「え…何だ?」
声「レシア、聞こえますか?」
レシア「誰だ。」
声「私の事は分かりませんか。良いでしょう。」
レシア「ここは…?」
声「私はルーン、時間の守護霊です。この場所は時間(とき)の狭間。」
レシア「ルーン…村の名と同じ名前だな。それに時間の狭間?」
ルーン「簡単に言いましょう。時間の扉を開けてすぐの今であれば、貴方が望む軸へ移動する事が可能です。」
レシア「時間の扉?軸?」
ルーン「このまま今の軸を進んで経験を積むのも良いでしょう。もしかしたら軸間で気付いていない路が存在するかもしれません。」
声には全く覚えはない。でも何故か…信用しても良いと思ってしまっている自分が居た。
レシア「望む軸ってのは何なんだ?」
ルーン「それは私には分かりません。全ては貴方次第なのです。」
レシア「………分かった。よく分からないが、怪しい守護霊とやらを信じてみよう。俺が望む軸ってのに連れて行ってみろ。」
ルーン「分かりました。」
知らない間に銃部分が直っており、全体をルーンコーティングされていたガンブレード…敢えて名付けるとしたらルーンソードって所か。
ルーンソードの光が更に大きくなり、世界を包んだ。気付いた時には目の前にブルーが居た。
レシア「お前…ブルー…」
ブルー「探したわよ、レッド。」
そうか…今はナーダとルーン村に行った帰りだ。村の仇の情報を得ようと村に来たものの、何も情報を得られずにシヴァの隠れ家に戻るタイミングだった。ここは村の近くの森の中だな。横を見るとナーダが不安そうな顔で立っていた。
レシア「こんな所まで来るとはな。暇なのか?それとも、アサシンの面子を汚した男に復讐しに来たのか?」
ブルー「そうね。ナーダのロック、シヴァのロック…アンタには2回も邪魔されたからね。今回はアサシン本部長直々の依頼で、レッドをロックしに来たわ。」
レシア「バダグの依頼だと?よっぽどシヴァのロックを邪魔した事を怨んでいるんだな。」
ブルー「それだけでも無いけどね。」
レシア「何だと?」
ブルー「いいえ。とにかく一番の理由は、アンタがバダグを裏切ったからね。」
そっと剣の柄に手を伸ばす。戦闘は避けられない。
レシア「そうか。それでどうするんだ?」
ブルー「やるしかないでしょう?」
レシア「そりゃそうだ。」
ブルー「レッド、アンタはどうするの?」
レシア「やるしかないだろう?」
ブルー「そうね。」
ブルーの攻撃を止めながら剣を振るう。ブルーはそれを後ろに下がって避け、ウィンドカッターで攻撃してきた。レシアはウィンドカッターを剣で斬り裂いた。
レシア「どうした?お前の攻撃は通用しないみたいだな。」
ブルー「それを油断って言うのよ!ウィンドカッターツヴァイ!」
レシア「なっ!?」
ブルーの手からウィンドカッターが一度に3つ発射される。それぞれが弧を描いてレシアに襲い掛かる。初めて見る魔法だが、何となく習性は理解出来た。
レシア「パワーホールド!」
3つのウィンドカッターは違う弧を描いているものの、最終的にはターゲット…つまりレシアの場所に集約される。レシアは一歩下がり、ウィンドカッターが集まるタイミングで一気に切り払った。
ブルー「…まさか、初見でこの魔法を破るなんて。」
レシア「ふう、パワーホールドをしておいて良かった。3つも集まると衝撃が半端無かった。」
ブルー「…流石ね、レッド。でも私のターゲットはアンタだけじゃ無いのよ。」
ブルーはアイスの魔法でレシアに牽制しながらナーダに向かって行った。
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