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2章 決別
23話 避難生活③
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レシア「高純度ルーンを探していたなら、これを見逃すはずも無いが…単純にこの採掘場の入り口が見つからなかっただけか。他に何か目的があったのか。」
ナーダ「このルーンは凄い物なんでしょう?何でこんな所に置いてあったんだろ?」
レシア「確かに…何なんだろうな。明らかに飾ってあったしな。」
ナーダ「もしかして何かの封印だったりして。」
レシア「…あまり考えたくは無いな。戻ろう。」
ゴーストに警戒しながらも来た道を戻る。ゴーストは姿も見えず、気配も感じなかった。もしかしてこの高純度のルーンのお陰だろうか?それが本当ならナーダが言った封印ってのも可能性が出て来る。
入り口が見えた辺りで、後ろから強い気配を感じた。
レシア「!?何か嫌な気配がする。ナーダ、早く出るんだ。」
ナーダ「うん!」
レシア「…本当に封印?いやいや、そんなの考え始めたらキリがない。俺も脱出…」
ゴゴゴゴゴ
地響きと共に突風が巻き起こった。何とか逃げようとしたレシアは風に飛ばされる。
レシア「うぐっ…い、痛い。」
ナーダ「わ、凄い飛び方だった。」
風はレシアを地上まで打ち上げた。静寂の後、採掘場の入り口から何者かが出てきた。
レシア「これは…ゴースト?今までのより明らかにでかい。」
ナーダ「ルーンを持って行った事を怒ってるんだよ。」
レシア「かもな。だから高純度ルーンがあそこに置いてあったのかも。」
銀に魔除けの効果があると聞いた事がある。ルーンも何かしらそんな力があるのかもしれない。実際、村にはルーンナーというルーンを使用して死者や時間と交信できるとされている職業があった。
レシア「…ルーンを返したら消えてくれるかな?」
ナーダ「そう信じるしかないよ。」
有無を言わさずにゴーストが襲い掛かって来た。無駄だと分かっていても条件反射で剣を振るってしまう。
レシア「やっぱり剣は効果なしか。でもここはもう地上だ、魔法で蹴散らしてやる!シャドウ!」
ナーダ「私のライトも属性的には効果あるよね。」
レシア「どうだろうな。もう一発、シャドウ!」
シャドウが2発命中する…手応えはあったが、闇属性は属性的に効果が薄い様だ。
ナーダ「ライト!」
ライトが命中する。効果はありそうだ。
レシア「でも元々の威力が弱いから、効果薄いじゃんか!」
ナーダ「仕方ないでしょ。」
ゴーストが再び襲い掛かって来る。動き自体は大した事も無い。レシアであれば問題なく回避できる。仮にナーダへ攻撃目標を変えたとしても、ライトで攻撃したいる間にレシアが間に入れば良い。
レシア「持久戦になりそうだな。」
ナーダ「倒せなかったらどうするの?」
レシア「…その時は、何とか逃げるしかないだろう。」
ナーダ「だったら、今逃げようよ。」
ゴーストを見る。表情の分からない顔がこちらを見ている。
レシア「もしこのゴーストが村の住民だったとしたら、俺は放ってはおけない。」
ナーダ「でも…」
レシアは魔力を開放し、剣に闇属性の魔法を纏わせる。
レシア「魔法攻撃の効果が薄くても、全く効いていない訳じゃない。いつかは倒せるハズだ。」
ナーダ「…分かったよ。私も頑張る。」
レシア「ナーダ…よし、行くぞ。」
レシアはゴーストへ走り出す。ナーダは後ろからライトの魔法を撃ち出す。元々威力の弱いナーダのライトだが、それでも属性不利のシャドウよりはダメージがあるだろう。
ライトが直撃し、ゴーストは一瞬怯む。そこにシャドウを纏わせたレシアの魔法剣を走らせる。
レシア「く…やっぱり効果が薄過ぎるか。」
ナーダ「レシア、危ない!」
普段より踏み込んでしまっていたのか、反応が遅れてレシアはゴーストの攻撃を食らってしまう。レシアは後ろへ飛ばされる。
レシア「うわっ!?」
ナーダ「レシア!」
レシア「だ、大丈夫だ。」
レシアの剣による物理攻撃や属性不利の闇属性の魔法攻撃、ナーダの属性有利だが威力の弱い光属性の魔法攻撃。
この二つではゴーストに効果的なダメージを与える事は難しい。
せめてライトの威力が高いか、レシアの使える魔法が闇属性以外であったなら…
レシア「…そうか。」
ナーダ「え、どうしたの?」
レシア「もしかしたら、これで行けるかもしれない。」
ナーダ「え?」
ゴーストの攻撃をかわして、レシアが攻撃を繰り出した。光属性の魔法を込めた魔法剣でゴーストを一気に斬り裂いた。ゴーストは何とも言えない叫び声を上げて消えてしまった。
レシア「ふう…属性が変わるだけで、ここまで威力が違う物なのか。普通の剣攻撃が効くならここまで苦戦もしなかっただろうに。」
ナーダ「レシア、やったね。」
レシア「ああ。ナーダが俺の剣にライトの魔力を込めてくれたお陰で、属性有利の光属性による魔法剣が使えた。」
レシア「…しかし、これ以上は何も見付けられない様だな。だいたい回っちまったし。」
ナーダ「う~ん…取り敢えず、隠れ家に戻ろうよ。」
レシア「そうだな。これ以上遅くなると暗くなるな。」
結局、村の仇に繋がる様な物は何も見付からなかった。
ナーダ「このルーンは凄い物なんでしょう?何でこんな所に置いてあったんだろ?」
レシア「確かに…何なんだろうな。明らかに飾ってあったしな。」
ナーダ「もしかして何かの封印だったりして。」
レシア「…あまり考えたくは無いな。戻ろう。」
ゴーストに警戒しながらも来た道を戻る。ゴーストは姿も見えず、気配も感じなかった。もしかしてこの高純度のルーンのお陰だろうか?それが本当ならナーダが言った封印ってのも可能性が出て来る。
入り口が見えた辺りで、後ろから強い気配を感じた。
レシア「!?何か嫌な気配がする。ナーダ、早く出るんだ。」
ナーダ「うん!」
レシア「…本当に封印?いやいや、そんなの考え始めたらキリがない。俺も脱出…」
ゴゴゴゴゴ
地響きと共に突風が巻き起こった。何とか逃げようとしたレシアは風に飛ばされる。
レシア「うぐっ…い、痛い。」
ナーダ「わ、凄い飛び方だった。」
風はレシアを地上まで打ち上げた。静寂の後、採掘場の入り口から何者かが出てきた。
レシア「これは…ゴースト?今までのより明らかにでかい。」
ナーダ「ルーンを持って行った事を怒ってるんだよ。」
レシア「かもな。だから高純度ルーンがあそこに置いてあったのかも。」
銀に魔除けの効果があると聞いた事がある。ルーンも何かしらそんな力があるのかもしれない。実際、村にはルーンナーというルーンを使用して死者や時間と交信できるとされている職業があった。
レシア「…ルーンを返したら消えてくれるかな?」
ナーダ「そう信じるしかないよ。」
有無を言わさずにゴーストが襲い掛かって来た。無駄だと分かっていても条件反射で剣を振るってしまう。
レシア「やっぱり剣は効果なしか。でもここはもう地上だ、魔法で蹴散らしてやる!シャドウ!」
ナーダ「私のライトも属性的には効果あるよね。」
レシア「どうだろうな。もう一発、シャドウ!」
シャドウが2発命中する…手応えはあったが、闇属性は属性的に効果が薄い様だ。
ナーダ「ライト!」
ライトが命中する。効果はありそうだ。
レシア「でも元々の威力が弱いから、効果薄いじゃんか!」
ナーダ「仕方ないでしょ。」
ゴーストが再び襲い掛かって来る。動き自体は大した事も無い。レシアであれば問題なく回避できる。仮にナーダへ攻撃目標を変えたとしても、ライトで攻撃したいる間にレシアが間に入れば良い。
レシア「持久戦になりそうだな。」
ナーダ「倒せなかったらどうするの?」
レシア「…その時は、何とか逃げるしかないだろう。」
ナーダ「だったら、今逃げようよ。」
ゴーストを見る。表情の分からない顔がこちらを見ている。
レシア「もしこのゴーストが村の住民だったとしたら、俺は放ってはおけない。」
ナーダ「でも…」
レシアは魔力を開放し、剣に闇属性の魔法を纏わせる。
レシア「魔法攻撃の効果が薄くても、全く効いていない訳じゃない。いつかは倒せるハズだ。」
ナーダ「…分かったよ。私も頑張る。」
レシア「ナーダ…よし、行くぞ。」
レシアはゴーストへ走り出す。ナーダは後ろからライトの魔法を撃ち出す。元々威力の弱いナーダのライトだが、それでも属性不利のシャドウよりはダメージがあるだろう。
ライトが直撃し、ゴーストは一瞬怯む。そこにシャドウを纏わせたレシアの魔法剣を走らせる。
レシア「く…やっぱり効果が薄過ぎるか。」
ナーダ「レシア、危ない!」
普段より踏み込んでしまっていたのか、反応が遅れてレシアはゴーストの攻撃を食らってしまう。レシアは後ろへ飛ばされる。
レシア「うわっ!?」
ナーダ「レシア!」
レシア「だ、大丈夫だ。」
レシアの剣による物理攻撃や属性不利の闇属性の魔法攻撃、ナーダの属性有利だが威力の弱い光属性の魔法攻撃。
この二つではゴーストに効果的なダメージを与える事は難しい。
せめてライトの威力が高いか、レシアの使える魔法が闇属性以外であったなら…
レシア「…そうか。」
ナーダ「え、どうしたの?」
レシア「もしかしたら、これで行けるかもしれない。」
ナーダ「え?」
ゴーストの攻撃をかわして、レシアが攻撃を繰り出した。光属性の魔法を込めた魔法剣でゴーストを一気に斬り裂いた。ゴーストは何とも言えない叫び声を上げて消えてしまった。
レシア「ふう…属性が変わるだけで、ここまで威力が違う物なのか。普通の剣攻撃が効くならここまで苦戦もしなかっただろうに。」
ナーダ「レシア、やったね。」
レシア「ああ。ナーダが俺の剣にライトの魔力を込めてくれたお陰で、属性有利の光属性による魔法剣が使えた。」
レシア「…しかし、これ以上は何も見付けられない様だな。だいたい回っちまったし。」
ナーダ「う~ん…取り敢えず、隠れ家に戻ろうよ。」
レシア「そうだな。これ以上遅くなると暗くなるな。」
結局、村の仇に繋がる様な物は何も見付からなかった。
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