1人生活なので自由な生き方を謳歌する

さっちさん

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家に移って来て数日、生活に必要な空間は整い、いよいよ店舗の準備に取り掛かる。
こないだ単発でダンさんの仕事を受けたけど納期については引っ越しが落ち着いてからで良いと言ってもらった。
とて、いつまでもほったらかしには出来ないので商談出来るスペースを整えてとりあえず納品する事にした。
昨日、ダンさんのところに寄って明日午後からこちらに来てもらえる様に声を掛けてきた。
魔道具の鑑定と鑑定証の準備は終わっている。
今預かっている魔道具は魔石の補充が必要で更に整備をすると販売価格が1.5倍程になる。
その代わり整備に1週間程掛かるので預かり期間が長くなるのと売価が高くなるので需要があるか無いかの確認をしたい。
「こんにちは」
「あっ、いらっしゃいませ。お待ちしてました」
約束の時間にダンさんが来たのでとりあえず商談スペースに案内する。
「まだ、完全に準備が終わってないのにお呼びしてすいません」
「こっちこそ、忙しいのに悪いな」
とりあえず預かっている魔道具を持ってきて内容の説明をした。
「こっちが鑑定書です。これはお湯の出る魔道具でこのままでも多少は使用出来るけどあまり魔石の残量が無いので充電と整備をおすすめします。その代わり預かり期間が1週間程延長になるのと整備したら売価が1.5倍程になるけどどうしますか?」
「成る程な、しかしお湯の魔道具は需要が高いから充電と整備をお願いしようかな」
「分かりました。後1週間お預かりしときますね」
それから整備代等細かな打ち合わせをし、ダンさんはまた1週間後に来ると言い残して帰っていった。

さて、整備となると調整する素材が必要となる。
錬金術じゃないけど整備の場合は必ず合わせる何かがないと出来ない。
「えーっと、これだったら在庫で行けるかな?」
必要そうな素材を並べて魔道具との相性を見て行く。
この方法も特殊で魔力の流れが合う物を見繕わなくてはいけない。
「これとこれでいけるかな?」
相性の良い素材が決まったので早速整備を行う。
魔法陣を組み込んだ作業台に魔道具と素材を並べて魔力を流す。
30分程で整備の作業が終了した。
定着までに3日置かなくてはならないのでそのまま保管棚にしまう。
この保管棚は定着まで外からの魔力影響を受けない様な仕組みに作ってある。
以前から使っている物であまり大きな物ではない。
店舗に合わせて大きい物を作成しようと思うけど材料が足りない。

店の開業前に素材を集めに森に行く事にした。
1週間後、ダンさんが商品を引き取りに来た。
「ありがとうな」
「いえ、またご贔屓に。」
稼働チェックを一緒に行い手渡す。
鑑定書も一緒に渡しておいた。
「明日から暫く留守にしますので何か依頼ならポストにメモでもお願い出来ますでしょうか」
「ああ、わかったよ。そうさせて貰う。何処か出かけるのかい?」
「ちょっと素材を取りに出掛けます」
「1人でかい。大丈夫なのか?」
「一応、ソロの冒険者ですから。大丈夫ですよ」
そこからは棚に必要な素材、木の魔物を探しに行く事を説明する。
1人では危険だと随分心配されたがなんとか説得し、帰っていただいた。
心配して貰えるのは正直嬉しいが過保護にされるのは違う。
ソロで動く事には慣れているので問題ない。
ましてや木の魔物のランクは低くEランクなのでCの私からしたらなんら問題はないのだ。
「やれやれ。今日は疲れたしさっさと寝ようと」
早々と片付けて就寝した。
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