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「で、さっきのはどう言う事だ?その前に自己紹介だな。俺はここの店主でダンだ。そもそもは冒険者だったんだがカミさんの親からこの店を任されてな。今は店の仕事が本業さ」
「私はビビ。昨日この街に来たところ。一応、冒険者だよ」
「私はダンの連れ合いのミリアルよ。」
「実はなコイツの親がいた頃は普通の魔道具店だったんだ。一昨年亡くなってからはちゃんとした鑑定が出来なくてな、ギルドに鑑定書を発行してもらった物は店で販売してるんだけど費用面もあって全てがそうできる訳でもない。本格的に収入がヤバくなりそうな時にさっきのお嬢の話だ。ついついくらいついてしまったって訳だ」
「成る程ね。さっきの話だけど一つ提案もあるんだ。私、鑑定もだけど特殊スキルで魔道具の整備が出来るんだ。詳しくは言えないけど良かったら取引しない?鑑定書なら発行出来るよ。」
「その年でか?こっちから声かけて疑うのもなんだけど、何か証明出来る物はあるか?」
「まあ、そうなるよね。普通の反応だと思うよ。そうね、鑑定書のある魔道具を1つ持ってきてもらってもよい?私がこの場で鑑定書作るから元の物と見比べてくれたらどうかな?」
「そうだな、ちょっと待ってろ」
おじさんは店の方に魔道具を取りに行った。
「コレで試して貰えるか」
「オッケー、ちょっと借りるね」
私はその魔道具をテーブルに置き、とりあえずは鑑定する。
「鑑定」
ほうほう、コレはダンジョン産の水筒だ。魔石が切れなければ水が常に一定量出てくる仕組みになっている。
「発行」
手元が光り、紙が一枚現れる。
『鑑定書・水の魔道具』
ダンジョン産・水の魔石 魔石レベル4
自動的に水が溜まる水筒。
使用制限有り
魔石充電、交換可
価格 5000G
「はい、鑑定書。比べてみて」
「お、おう」
鑑定書を受け取り元の紙と内容を見比べている。
「お嬢の方が詳しいな」
「あらそう?まあ、魔石レベルまでは中々書いてないからね。今回はワザと分かる様にしたんだよ」
「コレは凄いな。疑って悪かった。ホントに取引してくれるのか?そう言えば街に来たところだとさっき言ったよな?冒険者なら他のパーティーメンバーと相談とかしなくて大丈夫なのか?そもそもまだ未成年だろ?保証人にも相談がいるんじゃないのか?」
あー、童顔って嫌だ。
渋々説明する。
「一応、成人してるよ。この街に住むつもりで移動してきたし私はソロだから相談とかは大丈夫かな。ギルドの向こう側に住む予定だから落ち着いたら取引は出来るよ。」
「な、成人してるのか。悪い悪い。笑笑」
「とりあえず詳しい内容は追々として、今は単発で依頼受けようか?」
そこから料金設定について話し合った。
基本は価格の1割で鑑定、鑑定書はそこから2割アップ。
元々引き取りや状態にもよるけど価格の2.5割らしいので儲けが4.5割になる設定となった。
ギルドでの発行だと2割2割の4割取られてそこから修理や整備となると全く儲けが出ないとか。
4.5割から修理、整備は要相談となり私が居住を落ち着けてから改めて話し合う事になった。
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