195 / 202
ヤンヤンに帰省
195.
しおりを挟む
ギルドにお家まで送ってもらう事になり、転籍陣でダンジョンから外にでた。
そこからは馬車でお家に向かう。
玄関でハナが待っていてくれた。
「ククル様、とりあえず送ってくださった方々にアイザック様を部屋までお願いしますね。」
ハナがテキパキと指示を出し、その間に自室にユミンに連れられて着替えてからアイザックの部屋に行った。
その頃には他の人は居なくなっていて部屋にはハナの姿だけだった。
「ハナぁ、アイザックが」
そこからはハナにしがみついて泣き出した。
「大丈夫ですからククル様も身体を休めて下さい。私がこちらに着いていますから」
「やだぁ、私もここにいる」
「こちらの部屋にいても良いですから横になってください。お二人ともになったら私達もお世話が大変ですから。お願いしますね」
ハナに優しく諭されて漸く落ち着いてきた。
「アイザック様の隣でも良いですから横になっておやすみください」
「はい」
そのままアイザックのベットに連れて行かれたので横に入り込んだ。
「何かございましたらちゃんと起こしますから目を瞑っておやすみください」
流石に疲れていたか横になると途端に眠気に逆らえなくなった。
ハナは頭を抱えた。
アイザック様の状態も心配だったけど、憔悴しきってしまったククル様が余りにも気になる。
あの状態の時はアイザック様で無いと落ち着かす事が出来ない。
本当ならご自身のベットでおやすみ頂きたいのだけど絶対に無理なのでこちらで休んでもらう事にした。
帰られる前にギルド職員から大体の状況は聞いている。
目さえ覚ませば問題無いとの事だけどいつ目覚めるか分からないと。
明日なのか1週間後なのかそれとも…
今日のところは流石にお疲れなのか直ぐに寝息が聞こえてきたけれど、明日以降も間違いなくこの部屋からは離れないだろう。
ユミンもかなり心配そうにしている。
ククル様がこの状態になったら意図的に今までは遠ざけていた。
今後の事を考えるとそろそろ側にいて振る舞いに慣れてもらうのも一理かと思い今回は邸に居させる事にした。
ルーズベルト公爵にしてもワグリアナ公爵にしても今はまだ知らせる事もない。
数日様子を見て今後の方針を考える事にした。
翌朝からやはりというか何というかククル様がアイザック様の側から離れない。
食事も疎かになり促しても殆ど召し上がってらっしゃらない。
「不味いわね」
「ハナさん、このままではククル様が倒れてしまいます」
「あの状態のククル様はアイザック様でないと落ち着かせる手立てが無いのよ。今回に限らずですが二、三日様子をみて変わらない様なら一度マーサス様に相談してみるわ」
恐らくギルド側からグランドマスターであるマーサス様には報告が入っているはず。
彼の方なら先を見越してこちらにいらして下さるかもしれない。
淡い期待を胸に目の前のお世話に集中する事にした。
そこからは馬車でお家に向かう。
玄関でハナが待っていてくれた。
「ククル様、とりあえず送ってくださった方々にアイザック様を部屋までお願いしますね。」
ハナがテキパキと指示を出し、その間に自室にユミンに連れられて着替えてからアイザックの部屋に行った。
その頃には他の人は居なくなっていて部屋にはハナの姿だけだった。
「ハナぁ、アイザックが」
そこからはハナにしがみついて泣き出した。
「大丈夫ですからククル様も身体を休めて下さい。私がこちらに着いていますから」
「やだぁ、私もここにいる」
「こちらの部屋にいても良いですから横になってください。お二人ともになったら私達もお世話が大変ですから。お願いしますね」
ハナに優しく諭されて漸く落ち着いてきた。
「アイザック様の隣でも良いですから横になっておやすみください」
「はい」
そのままアイザックのベットに連れて行かれたので横に入り込んだ。
「何かございましたらちゃんと起こしますから目を瞑っておやすみください」
流石に疲れていたか横になると途端に眠気に逆らえなくなった。
ハナは頭を抱えた。
アイザック様の状態も心配だったけど、憔悴しきってしまったククル様が余りにも気になる。
あの状態の時はアイザック様で無いと落ち着かす事が出来ない。
本当ならご自身のベットでおやすみ頂きたいのだけど絶対に無理なのでこちらで休んでもらう事にした。
帰られる前にギルド職員から大体の状況は聞いている。
目さえ覚ませば問題無いとの事だけどいつ目覚めるか分からないと。
明日なのか1週間後なのかそれとも…
今日のところは流石にお疲れなのか直ぐに寝息が聞こえてきたけれど、明日以降も間違いなくこの部屋からは離れないだろう。
ユミンもかなり心配そうにしている。
ククル様がこの状態になったら意図的に今までは遠ざけていた。
今後の事を考えるとそろそろ側にいて振る舞いに慣れてもらうのも一理かと思い今回は邸に居させる事にした。
ルーズベルト公爵にしてもワグリアナ公爵にしても今はまだ知らせる事もない。
数日様子を見て今後の方針を考える事にした。
翌朝からやはりというか何というかククル様がアイザック様の側から離れない。
食事も疎かになり促しても殆ど召し上がってらっしゃらない。
「不味いわね」
「ハナさん、このままではククル様が倒れてしまいます」
「あの状態のククル様はアイザック様でないと落ち着かせる手立てが無いのよ。今回に限らずですが二、三日様子をみて変わらない様なら一度マーサス様に相談してみるわ」
恐らくギルド側からグランドマスターであるマーサス様には報告が入っているはず。
彼の方なら先を見越してこちらにいらして下さるかもしれない。
淡い期待を胸に目の前のお世話に集中する事にした。
203
お気に入りに追加
2,585
あなたにおすすめの小説

アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活
ゼウママ
ファンタジー
50歳目前、突然異世界生活が始まる事に。原因は良く聞く神様のミス。私の身にこんな事が起こるなんて…。
「ごめんなさい!もう戻る事も出来ないから、この世界で楽しく過ごして下さい。」と、言われたのでゆっくり生活をする事にした。
現役看護婦の私のゆっくりとしたどたばた異世界生活が始まった。
ゆっくり更新です。はじめての投稿です。
誤字、脱字等有りましたらご指摘下さい。

神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」

領主にならないとダメかなぁ。冒険者が良いんです本当は。
さっちさん
ファンタジー
アズベリー領のミーナはとある事情により両親と旅をしてきた。
しかし、事故で両親を亡くし、実は領主だった両親の意志を幼いながらに受け継ぐため、一人旅を続ける事に。
7歳になると同時に叔父様を通して王都を拠点に領地の事ととある事情の為に学園に通い、知識と情報を得る様に言われた。
ミーナも仕方なく、王都に向かい、コレからの事を叔父と話をしようと動き出したところから始まります。
★作品を読んでくださった方ありがとうございます。不定期投稿とはなりますが一生懸命進めていく予定です。
皆様応援よろしくお願いします

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*無断転載、無断翻訳を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。

チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL

女神の代わりに異世界漫遊 ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~
大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。
麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。
使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。
厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒!
忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪
13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください!
最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^
※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!
(なかなかお返事書けなくてごめんなさい)
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる