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新生活ヤンヤン
168.
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お披露目の翌日はみんなゆっくり過ごした。
おじいちゃんも明日には王都に帰るらしく、今回ユミンを乗せていってくれる。
来週中には辻馬車の手配が出来るとの事で帰りはそっちで戻るとか。
昨日の出来事は一旦頭の片隅に置いといて、来週研究所が稼働するのでそちらの準備に取り掛かる事にした。
「おじいちゃん、今回はありがとう。ユミンの事、よろしくね」
「ああ、ちゃんとワグリアナ家の馬車に乗せるから安心しなさい」
「ククル様、いってまいります」
「気をつけてね」
朝一、おじいちゃんとユミンを見送りダンジョンが開放されたのでギルドを覗きにいった。
「すごい活気だね」
「そりゃ、新しいダンジョンだからな」
結構な冒険者で溢れかえっている。
ぐるりと一周見回したが人があまりにも多いのでそそくさと外に出た。
次に薬師ギルドに顔を出す。
こちらは落ち着いた雰囲気でホッとした。
「あっソルさん」
「ククルさん、こんにちは」
研究所が始まるまでギルドで準備をすると聞いていたけどなんだか忙しそうで申し訳ない。
「何かてつだいましょうか?」
「今日は大丈夫ですよ。そうですね、明後日荷物の運搬をお願いしても?」
「了解よ、ここに来たら良い?」
「それでお願いします」
荷物運びは収納を使えばお手のものなので了承し、ここのギルドもお暇した。
「アイザック、教会に寄っても良いかな?」
「構わんぞ」
ネル様からのお願いがまだ叶えてなかったので早速教会に赴いた。
優しそうなシスターが迎えてくれて貴族の礼拝堂に案内してくれた。
「先にコレを何処かに置くね」
ネル様からの預かり物を石像のところに隠し置く。
隠蔽を施し、人からは見えない様にした。
「ククルさん、こんにちは。私の頼みを遂げてくださりありがとうございます。アイザックさんもいつもありがとうございます」
「ネル様、こんにちは」
「お呼び頂きありがとうございます」
今日は2人共で呼ばれた。
「お礼がしたく、お呼び致しました。」
「私はネル様とお会い出来るのが嬉しいのでそれだけで大丈夫です」
「俺も困った時に近くにいてもらえるだけで十分です」
「お二人とも優しくですね。ありがとうございます。そうですね。でわ、こうしましょう。ククルさん、街からダンジョン迄の間に道を作っておきますね。貴女が最初に見つけないと開かれません。そこの奥に貴女のお好きなところを用意しておきますね」
「?わかりました。そこに行ったら良いのですね」
「はい、是非そうしてください。急がなくても大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」
何やらよくわからなかったがとりあえず時間のある時に行ってみることにした。
家に帰るといつも出迎えくれるハナの姿が見当たらない。
「あれ?買い物かな?」
「珍しいな」
とりあえず着替えてリビングに行くと玄関から人の気配がした。
「ハナ?」
「あっ、ククル様、アイザック様おかえりなさいませ。すいません留守にしておりまして」
「随分慌ててる様だけどなんかあったか」
アイザックも気にしている様でハナに事情を尋ねた。
「はい、実は私も先程知ったのですが両親がこちらに店を移ってきた様で片付いたからと急に顔を出しに来たんです。弟達は学園の寮に入れたみたいでしてもう、何がなんだか。とりあえず、実家を見に出ておりました」
「えー、それはビックリするよね」
「なるほど、で、実家は落ち着いていたか」
「はい、随分前から準備していた様で明日からでも店を開けれる様です。場所もギルドからほど近い、商店の立ち並ぶ一画でしたので悪くないかと」
「なら、お祝いしなきゃだね。明日から営業なら今からが良いのかな?」
「そうだな。ハナ、今から伺っても大丈夫そうか」
「大丈夫かとは思いますがそんな申し訳ないですし」
「ダメ、ハナの実家の事なんだから、ね」
「「こんにちは」」
「まあ、ククル様にアイザック様」
「おめでとうございます。これ、よかったら使って下さい」
ハナに聞いたらウェルカムボードがまだだったので生成でさっと作り、それをお祝いに押しかけた。
「まあ、素敵なのをありがとうございます」
お母さんが凄く喜んでくれた。
買い出しに行ってたお父さんも戻ってき、暫く5人で話し込んだ。
開店からしばらくはお父さんも店を手伝うらしく落ち着いたらダンジョンに潜ると言っていた。
元々パーティーを組んでいた冒険者も皆、同じ年頃らしくぼちぼち冒険者専業から兼業に切り替えて行こうかと言っていた矢先にこの街が出来る話が耳に入ったそうだ。
ハナの実家周辺に皆、店を構えたそうで各々が奥さんが商売を旦那さんが冒険者をと同じ境遇だったらしい。
ハナのところが雑貨屋さん、お仲間のところが食堂と薬屋と肉屋だとか。
各領地から順に今引っ越してくるみたいで後は薬屋夫婦だけだそうだ。
また、皆さんが揃ったら紹介してもらう事になり、冒険者として挨拶したいと伝えておいたのだ。
おじいちゃんも明日には王都に帰るらしく、今回ユミンを乗せていってくれる。
来週中には辻馬車の手配が出来るとの事で帰りはそっちで戻るとか。
昨日の出来事は一旦頭の片隅に置いといて、来週研究所が稼働するのでそちらの準備に取り掛かる事にした。
「おじいちゃん、今回はありがとう。ユミンの事、よろしくね」
「ああ、ちゃんとワグリアナ家の馬車に乗せるから安心しなさい」
「ククル様、いってまいります」
「気をつけてね」
朝一、おじいちゃんとユミンを見送りダンジョンが開放されたのでギルドを覗きにいった。
「すごい活気だね」
「そりゃ、新しいダンジョンだからな」
結構な冒険者で溢れかえっている。
ぐるりと一周見回したが人があまりにも多いのでそそくさと外に出た。
次に薬師ギルドに顔を出す。
こちらは落ち着いた雰囲気でホッとした。
「あっソルさん」
「ククルさん、こんにちは」
研究所が始まるまでギルドで準備をすると聞いていたけどなんだか忙しそうで申し訳ない。
「何かてつだいましょうか?」
「今日は大丈夫ですよ。そうですね、明後日荷物の運搬をお願いしても?」
「了解よ、ここに来たら良い?」
「それでお願いします」
荷物運びは収納を使えばお手のものなので了承し、ここのギルドもお暇した。
「アイザック、教会に寄っても良いかな?」
「構わんぞ」
ネル様からのお願いがまだ叶えてなかったので早速教会に赴いた。
優しそうなシスターが迎えてくれて貴族の礼拝堂に案内してくれた。
「先にコレを何処かに置くね」
ネル様からの預かり物を石像のところに隠し置く。
隠蔽を施し、人からは見えない様にした。
「ククルさん、こんにちは。私の頼みを遂げてくださりありがとうございます。アイザックさんもいつもありがとうございます」
「ネル様、こんにちは」
「お呼び頂きありがとうございます」
今日は2人共で呼ばれた。
「お礼がしたく、お呼び致しました。」
「私はネル様とお会い出来るのが嬉しいのでそれだけで大丈夫です」
「俺も困った時に近くにいてもらえるだけで十分です」
「お二人とも優しくですね。ありがとうございます。そうですね。でわ、こうしましょう。ククルさん、街からダンジョン迄の間に道を作っておきますね。貴女が最初に見つけないと開かれません。そこの奥に貴女のお好きなところを用意しておきますね」
「?わかりました。そこに行ったら良いのですね」
「はい、是非そうしてください。急がなくても大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」
何やらよくわからなかったがとりあえず時間のある時に行ってみることにした。
家に帰るといつも出迎えくれるハナの姿が見当たらない。
「あれ?買い物かな?」
「珍しいな」
とりあえず着替えてリビングに行くと玄関から人の気配がした。
「ハナ?」
「あっ、ククル様、アイザック様おかえりなさいませ。すいません留守にしておりまして」
「随分慌ててる様だけどなんかあったか」
アイザックも気にしている様でハナに事情を尋ねた。
「はい、実は私も先程知ったのですが両親がこちらに店を移ってきた様で片付いたからと急に顔を出しに来たんです。弟達は学園の寮に入れたみたいでしてもう、何がなんだか。とりあえず、実家を見に出ておりました」
「えー、それはビックリするよね」
「なるほど、で、実家は落ち着いていたか」
「はい、随分前から準備していた様で明日からでも店を開けれる様です。場所もギルドからほど近い、商店の立ち並ぶ一画でしたので悪くないかと」
「なら、お祝いしなきゃだね。明日から営業なら今からが良いのかな?」
「そうだな。ハナ、今から伺っても大丈夫そうか」
「大丈夫かとは思いますがそんな申し訳ないですし」
「ダメ、ハナの実家の事なんだから、ね」
「「こんにちは」」
「まあ、ククル様にアイザック様」
「おめでとうございます。これ、よかったら使って下さい」
ハナに聞いたらウェルカムボードがまだだったので生成でさっと作り、それをお祝いに押しかけた。
「まあ、素敵なのをありがとうございます」
お母さんが凄く喜んでくれた。
買い出しに行ってたお父さんも戻ってき、暫く5人で話し込んだ。
開店からしばらくはお父さんも店を手伝うらしく落ち着いたらダンジョンに潜ると言っていた。
元々パーティーを組んでいた冒険者も皆、同じ年頃らしくぼちぼち冒険者専業から兼業に切り替えて行こうかと言っていた矢先にこの街が出来る話が耳に入ったそうだ。
ハナの実家周辺に皆、店を構えたそうで各々が奥さんが商売を旦那さんが冒険者をと同じ境遇だったらしい。
ハナのところが雑貨屋さん、お仲間のところが食堂と薬屋と肉屋だとか。
各領地から順に今引っ越してくるみたいで後は薬屋夫婦だけだそうだ。
また、皆さんが揃ったら紹介してもらう事になり、冒険者として挨拶したいと伝えておいたのだ。
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