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新たな挑戦へ

163.

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王都に戻ったらやる事がいっぱいだった。
まずはダックを訪ねる。
「わざわざすまん。さて、先ずは薬草園からだな。あれはどこでもできるものなのか?」
「多分?ゴーレムズにお任せしてるからわかんないや」
「成る程な、ゴーレムって誰でも契約出来るのか?」
「それも人選についてはあの子達任せてだよ。ただ、テイマーで無いなら最低でも魔力500は必要かな。それ以下だと恐らくテイム出来ないと思うよ」
「ほうほう、なるほど。あれは街の産業にするのか?」
「んー、多分出来ると思うよ?薬草だけでなく普通の植物や野菜とかも栽培できるし。落ち着いたらポーションや薬以外の調合も研究しようかと思って。例えば化粧品とかかな」
「まあ、それはまた報告くれや。次にダンジョンだけどあれ、良いな。また行っても良いか?」
「来るなら事前に連絡ちょうだいね」
そんな感じで街の事をあれこれきかれ、答えるを暫く続けた。
研究所についてはお任せしてくれるから適当にやれるけど、街の運営については宣伝も兼ねて早い目に計画書を作成する様言われた。
次は本格的に引っ越す時には一度顔を出す様に言われ、最後は我が家のことだった。
「あの、結界王城に施せるか?」
「全体を把握してないし、難しいかな?あれ張るには建物から敷地内、ちゃんと見てからじゃないと出来ないし。此処の執務室位ならできるよ。張ろうか?」
「どうせなら張り方教えてくれ」
そこからは結界の張り方について話をし、試しに張って貰う事にした。

「よしはれたぞ。」
「はーい。とりあえず確認して見るね」
魔力を放出して結界の精度を調べる。
「多分大丈夫かな。天井側がちょっと弱いよ」
「ほう、なるほどな。これはどのくらい持つもんなんだ?」
「この感じなら2.3日に一回魔力だけ補充すれば大丈夫よ。もう少し強度上げたら1週間位大丈夫かな」
それならと一度結界を解除して貼り直している。
「これでどうだ」
「このくらいなら大丈夫かな」
満足のいく結界が張れた様だけど魔力を急に大量消費して疲れている。
まあ、慣れて仕舞えばそんなに疲れ無いので大丈夫だろう。

王城を後にして研究室に行く。
「こんにちは」
「ククルちゃん、ようこそ」
ドルフさんが出迎えてくれたので部屋に入り今後の事を打ち合わせする。
ソルは最後の業務引き継ぎで今は学園に行っているとか。
私が引っ越す頃にはヤンヤンで合流できるらしい。
いっちゃんとにーちゃんも寄ってきている。
ヤンヤンにはにーちゃんを連れていくらしくそれならと一旦私が預かる事にした。

翌日、おじいちゃんとこに報告がてら遊びに行った。
薬草園や研究所の事、ギルドの事と盛りだくさんだ。
街の正式なお披露目が私の引っ越しに合わせて行われるのでそれについても詳細を聞いておく。
街の広場でささやかな立食パーティーが催されるとの事で当日はアイザックを前に出すとか。
この件については本人とワグリアナ家には説明、了承済らしくそれならばと私は特に思うところもない。

一月もせずに王都からは出発しなくてはならない。
ある程度の準備は済んでるものの、なんとなく忘れてる様な気がする。

「ククル、明日薬師ギルドにきてほしいとマリアント様から連絡来てるぞ」
「あ、それだ」
なんか足りないと思ってたら、薬師ギルドの話が全く聞こえてきてなかった。
「マスター決まったのかな?」
「かもな、とりあえず明日聞いてみたらどうだい」
「そうする」


「すいません、マリアント様から呼ばれたんですが」
受付でマリアント様を呼んで貰うとマスター室に案内された。
「ククル、ごめんなさいね、呼び出して」
「大丈夫ですよ。何かありましたか?」
そこから、今回のギルドについて説明を受けた。
「今回、研究所がある街だから研究員のなかからサブマスを決めてギルドからマスターを出すことになったの」
サブマスにはドルフさんの妹、アナスタルさんが就任する事になったとか。
マスターは他の街のギルドで今までサブマスをしていた人になったから手腕はまずまずらしい。
マスターは来週、王都に到着するから改めて挨拶する事になり、訪問の約束をした。

「アイザック、ただいま。きいてよ。アナさんがサブマスでヤンヤンに来てくれるんだって」
バタバタとアイザックの部屋に向かい、マリアント様から聞いた話を説明する。
来週、改めてギルドを訪問する予定になった事を伝えたらアイザックが一緒に来てくれる事になった。


今日は薬草ギルドに行く日。
アイザックと一緒に向かい、受付に託けてから販売所をブラブラ見学する。
アイザックは店の前で待機していた。
特に必要なものや目新しい物も無かったのでアイザックと合流しようと思ったら急に曲がり角から人が飛び出してきた。
"ドンッ"
「うわぁっ!」
「おっと、すまん。子供がいるとは気付かなかった。怪我はないか?」
吹っ飛ばされそうになったがぶつかった相手が庇ってくれた。
「はい、大丈夫です。」
「ククル、大丈夫か」
「アイザック、大丈夫」
「この子の関係者か。すまん、こちらがよそ見をしてて子供に気が付かなかった。申し訳ない。後々、何かあったらギルドを通して申しでてくれ。ああ、名乗ってなかったな。ここのギルド所属のグルトだ」
「俺はアイザック、この子はククルだ。何かあったら連絡させてもらう。」
男は会釈し、どこかに歩いて行った。
「大きな人だったね」
「あそこまで大きいのは珍しいな。2m以上あるんじゃないか」
アイザックでも190cm位はあるけどそれよりも高く、体格もがっしりしていた。
「だよね。冒険者かと思ったよ」
約束の時間に近づいたのでマリアント様のところに向かった。
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