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「アイザック様、少し宜しいでしょうか」
「ククルは寝たか」
「はい、今お休みになられました。先程まで泣いていらしたので少し心配ではありますが」
ハナにあの後の様子を聞くと最初は普通に怒られて泣いていた様だったけどんどん落ち込み出して寝る頃には大分、沈んでいた様だ。
「だろうな、多分明日は熱を出すだろうから頼むよ」
「畏まりました。しかしあそこまでする必要性はあるのですか」
「はぁ、追い込まなくても良いと言えばそこまでだけど連日の行動を見ていると全く自分の体力を顧みてない。あの子は魔力は底がないからついついやり過ぎて後から大変な事になるのも解ってないしな。」
アイザックが一番懸念しているのは体調を崩してからしか気付かないククルの性格についてだ。
一生懸命なのは良いけど倒れて寝込むまでのめり込むし、今回も知り合いと言えどやり過ぎだ。
帰り際、ドルフ殿には注意したが研究者とはそんな物だと理解はしている。
ただやっぱりまだ子供なのだから大人と、同じ様には行かない。
今の感じなら二、三日で回復するだろうからその様に仕向けたのだ。
「とにかく、ククルの体調が整い次第一度王都に戻るから準備しておいてくれ」
「畏まりました」
「、、、アイザック」
「、、、アイザック」
夜中に呼ぶ声がして起き上がり扉を開けると泣き顔のククルが立っていた。
「どうした?まだ夜中だろ?ねれないのかい?」
「、、、アイザック、ごめんなさい、、グズッ」
泣きながらしがみついて謝る姿を見ているとやり過ぎだかなと後悔する。
抱き上げでとりあえず部屋に入る。
「はいはい、反省出来たならもう怒ってないから、こんな寒い夜に薄着でウロウロしてたら風邪ひくだろ」
すっかり体が冷たくなっている。いつからあそこに立っていたのやら。
寒さなのかなんなのか小さく震えているのでとりあえず毛布で包んでやり、一旦、ベットに座らせて温かい飲み物を取りにリビングに降りた。
ホットミルクを持って部屋に戻るとそのままベッドに座るククルがいたのでカップを持たせて飲む様に促した。
「ほら、これ飲んで暖まりなさい」
「、、、はーい」
寒かったのか喉が渇いていたのかふぅふぅしながらもコクコク飲んでいる。
体が少し暖まったのかほんのり頬に赤みが出てきた。
「このまま此処で寝るかい」
しがみついてきたので此処で寝る様だ。
布団の中でも離れないが暫くするとスゥスゥ寝息が聞こえてきた。
そのまま一緒に朝まで眠りについた。
「アイザック様、早朝にすいません」
控えめなハナの声に起こされて顔を上げる。
「何かあったか?」
「ククル様はこちらにこられてますか?お部屋にいらっしゃらなかったので」
「夜中に泣きながら来たから絢してここで寝かせてる。まだ、起きないだろうから起きたら呼ぶよ」
「畏まりました。すいませんおやすみのところ」
ハナが下がったので二度寝をしようとククルをそっと動かして寝位置を決める。
まだまだ起きそうに無いのでそのまま一緒に寝ついた。
「頭痛いよぉ」
隣からの声で目が覚めてククルを覗き込むとあまり顔色が良くない。
「おはよう、どれ、熱がちょっとあるかな」
グズグズしているククルをそのままにハナを呼び、薬と何か食べる物を持ってきて貰う。
その間に身支度を整え、改めてククルの様子を伺う。
「ククル、熱があるから今日は薬を飲んで寝てなさい。果物位なら食べれるか?」
「いらない」
「ダメだ。薬が飲めないだろ」
とりあえず起き上がらせて好きそうな果物を一つ二つ食べさせた。
薬を飲ませて自室まで運ぶ。
「ゆっくりおやすみ」
「はーい」
ベットに入ったらガルが側に寄ったのでククルの事は任せてリビングに降りた。
昨晩の事をハナに説明し、やり過ぎたかと反省する。
ハナ曰く、本人がもっと自覚する迄は仕方がないのではとの事。
この件については2人して諦めた。
ドルフのところを訪ねてククルについて報告する。
正直、周りの人全員で気をつけても足りない位だ。
「すまん、ついつい調子に乗った」
「アイザック殿、ククルさんは大丈夫なのですか」
「まあ、あの子が体調を崩すのは良くある事なので特には問題ないです。ただ、今までからでも急に倒れたり意識が中々戻らなかったりとこちらも肝が冷える経験を何度かしているので気にはかけてやって欲しいです。」
「分かりました」
ドルフ殿よりソルさんの方が恐らく面倒見が良さそうなのでこの件についてはお願いしておいた。
ククルが回復したら王都に戻る予定だと伝え、ドルフ達も戻り次第連絡するとの事。
また、王都でと挨拶し、ギルドを後にした。
翌日にはククルも回復したので王都へと戻る事にした。
今回はガーデンがついて帰るとの事で他のゴーレムズに挨拶し、さっさと影に入った。
スライム達は全員影にはいる。
蜘蛛はこっちに残るとか。モコもここの方が良いとの事。
普段から一緒のガル、ファル、翠、白、それにスライムと伝書鳥で戻る事となったのだ。
「ククルは寝たか」
「はい、今お休みになられました。先程まで泣いていらしたので少し心配ではありますが」
ハナにあの後の様子を聞くと最初は普通に怒られて泣いていた様だったけどんどん落ち込み出して寝る頃には大分、沈んでいた様だ。
「だろうな、多分明日は熱を出すだろうから頼むよ」
「畏まりました。しかしあそこまでする必要性はあるのですか」
「はぁ、追い込まなくても良いと言えばそこまでだけど連日の行動を見ていると全く自分の体力を顧みてない。あの子は魔力は底がないからついついやり過ぎて後から大変な事になるのも解ってないしな。」
アイザックが一番懸念しているのは体調を崩してからしか気付かないククルの性格についてだ。
一生懸命なのは良いけど倒れて寝込むまでのめり込むし、今回も知り合いと言えどやり過ぎだ。
帰り際、ドルフ殿には注意したが研究者とはそんな物だと理解はしている。
ただやっぱりまだ子供なのだから大人と、同じ様には行かない。
今の感じなら二、三日で回復するだろうからその様に仕向けたのだ。
「とにかく、ククルの体調が整い次第一度王都に戻るから準備しておいてくれ」
「畏まりました」
「、、、アイザック」
「、、、アイザック」
夜中に呼ぶ声がして起き上がり扉を開けると泣き顔のククルが立っていた。
「どうした?まだ夜中だろ?ねれないのかい?」
「、、、アイザック、ごめんなさい、、グズッ」
泣きながらしがみついて謝る姿を見ているとやり過ぎだかなと後悔する。
抱き上げでとりあえず部屋に入る。
「はいはい、反省出来たならもう怒ってないから、こんな寒い夜に薄着でウロウロしてたら風邪ひくだろ」
すっかり体が冷たくなっている。いつからあそこに立っていたのやら。
寒さなのかなんなのか小さく震えているのでとりあえず毛布で包んでやり、一旦、ベットに座らせて温かい飲み物を取りにリビングに降りた。
ホットミルクを持って部屋に戻るとそのままベッドに座るククルがいたのでカップを持たせて飲む様に促した。
「ほら、これ飲んで暖まりなさい」
「、、、はーい」
寒かったのか喉が渇いていたのかふぅふぅしながらもコクコク飲んでいる。
体が少し暖まったのかほんのり頬に赤みが出てきた。
「このまま此処で寝るかい」
しがみついてきたので此処で寝る様だ。
布団の中でも離れないが暫くするとスゥスゥ寝息が聞こえてきた。
そのまま一緒に朝まで眠りについた。
「アイザック様、早朝にすいません」
控えめなハナの声に起こされて顔を上げる。
「何かあったか?」
「ククル様はこちらにこられてますか?お部屋にいらっしゃらなかったので」
「夜中に泣きながら来たから絢してここで寝かせてる。まだ、起きないだろうから起きたら呼ぶよ」
「畏まりました。すいませんおやすみのところ」
ハナが下がったので二度寝をしようとククルをそっと動かして寝位置を決める。
まだまだ起きそうに無いのでそのまま一緒に寝ついた。
「頭痛いよぉ」
隣からの声で目が覚めてククルを覗き込むとあまり顔色が良くない。
「おはよう、どれ、熱がちょっとあるかな」
グズグズしているククルをそのままにハナを呼び、薬と何か食べる物を持ってきて貰う。
その間に身支度を整え、改めてククルの様子を伺う。
「ククル、熱があるから今日は薬を飲んで寝てなさい。果物位なら食べれるか?」
「いらない」
「ダメだ。薬が飲めないだろ」
とりあえず起き上がらせて好きそうな果物を一つ二つ食べさせた。
薬を飲ませて自室まで運ぶ。
「ゆっくりおやすみ」
「はーい」
ベットに入ったらガルが側に寄ったのでククルの事は任せてリビングに降りた。
昨晩の事をハナに説明し、やり過ぎたかと反省する。
ハナ曰く、本人がもっと自覚する迄は仕方がないのではとの事。
この件については2人して諦めた。
ドルフのところを訪ねてククルについて報告する。
正直、周りの人全員で気をつけても足りない位だ。
「すまん、ついつい調子に乗った」
「アイザック殿、ククルさんは大丈夫なのですか」
「まあ、あの子が体調を崩すのは良くある事なので特には問題ないです。ただ、今までからでも急に倒れたり意識が中々戻らなかったりとこちらも肝が冷える経験を何度かしているので気にはかけてやって欲しいです。」
「分かりました」
ドルフ殿よりソルさんの方が恐らく面倒見が良さそうなのでこの件についてはお願いしておいた。
ククルが回復したら王都に戻る予定だと伝え、ドルフ達も戻り次第連絡するとの事。
また、王都でと挨拶し、ギルドを後にした。
翌日にはククルも回復したので王都へと戻る事にした。
今回はガーデンがついて帰るとの事で他のゴーレムズに挨拶し、さっさと影に入った。
スライム達は全員影にはいる。
蜘蛛はこっちに残るとか。モコもここの方が良いとの事。
普段から一緒のガル、ファル、翠、白、それにスライムと伝書鳥で戻る事となったのだ。
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