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王都

119.

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「おじさん、先ずはしっかり名前を決めて上げて。後は繋がる様にすれば魔力が吸われていくから。念の為、ポーションは手に持っていてね」
ポーションを手渡し、側で見守る
「よし、ソナタの名前はダイスだ。よろしく頼むぞ」
額に契約紋がゆるゆると集まり出した。
「なかなか厳しいな」
額にうっすら汗を滲ませながらおじさんがテイムしきるのを見守る。
ようやく光が収まった。
「ふぉ、なかなかキツイなこれは。」
渡しておいたポーションを一気に飲みきり汗を脱ぐ。
「キアン殿が休憩してる間にアイザックおわらす?」
「そうだな。ポーションを貰うわ」
一本渡し様子を伺う。
「よし、おまえの名前はラースタだ。よろしくな」
契約紋が額に集まる。
暫くして光が落ち着いた。
「ふぅ、ぎりぎり足りたな」
それでもポーションを飲みながらアイザックがラースタと名付けたゴーレムを抱き上げる。
「アイザック殿も中々の魔力量だな」
「いや、そんな事も無いんだが一応テイムのスキルを持っているからなんとかなったのかと」
「それじゃ後一体がんばるか。ソナタの名はイコルだ。」
額に契約紋が集まる。
暫く後、光が収まった。
「ククル、もう一本ポーションをいただく。後程、費用は支払うから」
結局たらないとかで追加一本を飲み干して漸く落ち着いたみたいだ。

アイザックのゴーレム、ラースタはガーデン達と庭に出ていった。
おじさんのダイスとイコルは足元に座り顔を覗き込んでいる。

「ククル、この子達にはどの様に庭の事を伝えれば良いのだ?」
「念話で意思疎通が出来ると思うよ」
「おお、成る程な。屋敷に帰ったら早速試してみるか」

それから調合室に移動した。
「まずは石を見せてもらおうか」
スライムの卵をおじさんの前にだした。
恐らく鑑定で診ているのか押し黙ったまんま石を睨んでいる。
「ふむ、これは間違いなくスライムの卵だな。」
「じゃあ、スライムが孵るの?」
「あぁ、魔力を流し込んでやると孵ると本には書いていたが実際、実物を見たのは初めてだからな。確証はないぞ」
「わかった。今日から魔力を流してみるね」
「こちらでも本を探しておこう。確か学校の図書館にあったはずだから」
それからは調合室内を興味深く見学している。
時々、置いてるポーションや薬について質問されながら時間が過ぎた。


「いやぁ、今日は貴重な時間をありがとう。また、寄らせてもらうよ。困ったことがあったらいつでも尋ねて来なさい」
「はい、叔父様ありがとうございます」
ゴーレム二体を連れてご機嫌に家路に着く叔父を見送りようやく静かになったお家に入りるとそこには呆れ顔のアイザックが待ち構えていた。
「さあ、ククル説明して貰おうかな」
「あ、はい」
叔父様がいたのであえて聞いてこなかったゴーレムの事を一から説明させられ、ついでに行動の迂闊さを怒られた。
私が席を外している時にとりあえず叔父様には口止めはしてくれた様でついでにガーデン達も叱ってくれたとか。
「今後、自分以外の人に報告なくテイムさせるのは禁止だ。」
「ゔー、わかりまじた。ごめんなさい」

コンコンと怒られ、途中からはグズグズ泣き出したククルだったがこれは本人にしっかり危機感を持ってもらわないと余計なトラブルを引き寄せるだけなのでしっかりと叱った。
内心、キツく怒りすぎて前みたいに精神的に参ってしまわないかヒヤヒヤはしたがちょっと迂闊なところがあるから今回は仕方がない。
「今日は反省も含めて調合は一切禁止だ。わかったな」
「はい、わかりました。部屋で大人しくしてます」
トボトボと階段をあがり自室に向かうククルの背中を眺めながらため息がでた。
「ハナ、後のフォローはよろしく。ユミンは俺が迎えに行くから」
「畏まりました」
今日はユミンの勉強の日で実家にいる為、そのまま玄関からでて迎えにいった。
屋敷に着くと丁度帰宅した親父と鉢あったので今日の出来事を話してみた。

「そらゃ確かにお前の言う事は正論だが6歳の子供にそこまで気を付ける心構えは備わって無いと思うぞ。帰ったらちゃんと自分でもフォローしとかないとククルが自分自身でまた心を追い込んでしまうぞ」
「はぁ、やっぱりそうなるよな。よし、早いとこ帰るか」
親父に話した事によってこの後の持って行き方に納得いったのでユミンを連れて急いで帰ることにした。


ククルは自室に戻りベットにそのまま潜り込んだ。
なんとなく気配でハナが部屋の前に待機してるのがわかるけど今回は私が悪いのだから甘えずしっかり反省しようと我慢した。
ちょっと落ち着いて考えたら分かることといえ、ちょっと迂闊だったと自分でも反省する。
前世と違って平和で安全な世界じゃ無いとは思う。
いつもアイザックや周りに助けてもらって、、、
自分で考えててもどんどん落ち込んでいく。
40年近く生きていた感覚はどんどん薄れていき、最近はすっかり6歳児だ。
それでも良いのだろうけどなんだか寂しい感じがする。
「このまま、全部わすれてしまうのかなぁ」
言葉に出してしまうと無性に寂しくなって枕に蹲りながら泣いていた。
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