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ふたたび王都へ 2

90.

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さて、折角頂いたスキルなので試してみようと思う。
調合室で素材を準備し、先ずは簡単な物から作ってみた。

収納から銀と小さな宝石を出し、髪留めを作る事にした。

「生成」

目の前の素材が光に包まれる。

それが治まるとそこには蔦に宝石を散りばめたコームつきのカチューシャが出来ていた。

「想像通りだ。可愛い」
実は作業中に前髪とサイドがいつも邪魔で欲しかったのだ。

早速つけて見ると前に垂れて来ていた髪が治った。

「そうだ、ハナの分も作ろう」

今度は宝石の色を変え、シンプルな物をイメージする。

「生成」

すると先程と同じ様に光を放ち治まるとハナに似合いそうなカチューシャが出来上がった。

そこから鎌口の財布やウエストポーチ、魔石タイプのランタンや小物入れなど色々作ってみた。


生成に夢中になり過ぎてかなり時間が経った頃、部屋の入口で呼ぶ声がした。

「ククル、入るぞ」
どうやら私が調合室から出てこないのでハナがアイザックに告げ口した様だ。

「楽しいのもわかるが程々にしないと。ハナが心配してるぞ」
「はーい。ついつい楽しくて。そうだ、アイザックコレあげる。」
アイザック様に作ったウエストポーチを渡す。
「鞄本体は空間魔法を付与したからある程度収納出来ると思うよ。」
アイザックも収納は使えるが珍しいスキルなので普段はダミーの鞄を持っている。ウエストポーチなら邪魔にもならないかと作ったのだ。
「また、すごい物を作ったな。ありがとな。どのくらいの容量だ?」
「えっと、馬車一台分位だと思うよ。」
大体スキルの収納(小)位だ。
「いいくらいのサイズだな。しかし100000G位はする物をあっさり作るあたり、、、はぁ、、、」
なんだかアイザックがブツブツ言ってるが気にしない。
「とりあえず、今日はその位にしときなさい」
そう言えばと思い出したみたいで片付ける様怒られたので終了する事にした。

「ハナ、これ使って」
キッチンで夕食の準備中のハナにカチューシャを渡す。
私が付けている物で使い方を教えた。
「まぁ、素敵な物をありがとうございます。早速使わせてもらいますね」

ハナはカチューシャを持って一旦キッチンを出て行ったのでリビングに移動し寛いでいると戻ってきた。

「ククル様、このカチューシャとても便利です。ありがとうございます」
大層お気に召した様で嬉しそうにしている。
「どういたしまして。すごく似合ってるよ。デザイン違いをまた作るね」


その後、夕食を三人で食べてゆっくりしていたらアイザックが明日、マリアント様が来ると教えてくれた。
「かなり心配を掛けたからな。」
「そだね。マリアント様にお詫びも兼ねてカチューシャプレゼントしても良いかな?」
「構わないんじゃないか。下手な物より喜んでくれると思うぞ。但し作業は明日にしなさい。お昼過ぎに来るそうだから」
しっかりクギを刺された。

翌日、お昼過ぎにマリアント様がこられた。
「ククルちゃん、良かった。元気になって。ゴーレムズから聞いた時は肝が冷えたわ。」
「ご心配お掛けしました。色々ありがとうございます。お礼と言う程でも無いんですがコレ良かったら使って下さい。カチューシャと言って髪を纏めるものです」
使い方を説明しつつお渡しする。
最初はよく理解してなかったのか段々意図がわかって来ると興味深々でカチューシャを眺めている。
「私は作業中特に前とサイドの髪が邪魔なので作ってみました」
「まぁ、素敵ね。今度使ってみるわ。ありがとう」
生成スキルはそこまで珍しい物ではないらしくマリアント様に知られても良いとアイザックからは聞いている。
どうやらスキルは持っていても中々使いこなせないとか。
私は知力も高いので簡単に使いこなせるのだろうとの事。
その後はゴーレムズの能力について話が盛り上がり楽しく過ごしたのだ。

マリアント様の訪問後、数日ゆっくり過ごした。
もちろん生成で色んな物も作ってみた。
スキルも初級から中級まで上がりイスやテーブル程度の家具からピアスみたいな小さなアクセサリーまで作れる様になった。
もちろんダンジョンで手に入れたミスリルと宝石でブレスレットも作った。アイザックの分と一緒に。
宝石にいくつか魔法を付与し常備使いとしてアイザックにも渡す。
庭をいじったりポーションを作ったりと充実した休養を過ごしたのだ。
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