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ふたたび王都へ 2
87.
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マーサス邸
#ん?マリアント、大変大変#
「んんん、どおしたの。まだ夜中よ。朝になったらお話しましょzzz」
実はゴーレムズネットワークでククルの危険を知らせようとゴーレム達は頑張っていたが肝心のマリアントが気付いてくれない。緊急事態を。
2体のゴーレムズ、焦りはするがどうにもならない。
そのまま夜明けとなったのだ、、、
「おはよう、キャラ、チャロ。どうしたの?ゆっくり教えて頂戴な。そんなに慌てててはわからないわ」
翌朝、目覚めたマリアントに2体がギャァギャァ騒ぐ。
何が言いたいのか最初は分からず聞いていたが段々と話の内容がわかってきた。
「大変。直ぐにいくわ。マーサス、大変よ」
自室から飛び出したマリアントはすぐにマーサスを探す。
丁度朝練から戻ってきた彼にゴーレムズの話を伝える。
「なに、本当か?しかしアイザックやあそこの侍女がいるだろう?」
「えぇ、そうなのよ。それだったら良いけれどわざわざ夜中に起こしてまで伝えて来たから気になるわ。とりあえず自宅に様子を見に行くわ」
「なら、一緒に行こう。万が一を考えたら一人では大変だ。」
そこからすぐに馬車を準備しククルの家に向かったのだ。
門までたどり着くと警備の者の姿が見えた。
ゴーレムズから聞いた事情を説明しつつアイザックや侍女の事を訪ねると二人ともが留守で今はククルしかいないとの事。
「とりあえず中を確認するぞ」
マーサスが慌てて玄関に向かうので警備の者が特殊魔道具で結界を解除する。
中に入るとホワイトパンサーのガルがいた。
「「ククルはどこ」」
「ガウッ」
ついてこいと言わんばかりに二階に走っていった。
「ガウッ」
「ここがククルの部屋か。おい、ククル、マーサスだ。入るぞ」
「ちょっとマーサス、一応女の子なんだから私が先に入るわ」
マリアントが前に出て中を伺う。
ベッドの側、床に倒れるククルを見つけ慌てて中に入った。
「ククル、大丈夫?しっかりして。マーサス、すごい熱よこの子。直ぐにアイザックと医者を呼んで来て」
マリアントはすぐにククルをベッドに寝かせ診察をはじめる。
「わかった」
マーサスは急いで家を飛び出していった。
マーサスはワグリアナ邸に着くなり使用人にアイザックを呼んでもらう。
「マーサス?」
アイザックが現れたので端折り事情を説明した。
「わかった。直ぐにいく。マーサスありがとう。医者はこちらで手配する。」
使用人に医者の件を頼むとアイザックは直ぐに向かおうとするのでシッコクがついて来てると伝える。
「お前のところに行くのがわかったのかついて来ると言ったから連れてきた」
「助かる。シッコク、ククルのところまで頼むな」
アイザックが跨ったとたん、物凄いスピードで駆け出した。
流石はバトルホース。
普通の馬では着いていけず、後から向かう事にした。
バタン
「ククル!」
自宅に着いたアイザックは一目散にククルの部屋に向かった。
「マリアント様、お世話をおかけします。ククルは大丈夫ですか」
「アイザック、、、とりあえず診察してみたんだけど原因が分からないのよ」
焦りで顔色の悪いマリアント様の話を聞きつつククルの様子を伺う。
影から急にクロイスが飛び出して来た。
#あの子達の話だと今回の原因?ネル様に聞いて知ってる見たいです。ククルは。貴方への報告を忘れている様ですよ#
「はぁ、だからってどうしたらよいんだ。」
「アイザック、何かわかったの?」
「あ、いやわかった様な分からない様な。なんとなくの原因は察しがついたかな。恐らく命の危険迄は無いと思う。申し訳ないが今は説明出来ない」
ククルの事情を本人抜きで話す訳にもいかず口を閉ざした。
マーサスとワグリアナ専属医者が到着する。
医者の見解は風邪と症状が似ているので薬を飲ませて二、三日で落ち着くだろと。また何かあったら連絡くださいと言い残し帰っていった。
「マーサス、マリアント様今回はありがとうございます。助かりました」
「ゴーレムズのおかげね。大事に至らないで良かったわ」
一応、医者の言い分を信用し二人も帰っていった。
ハナの事は先程警備員に聞き、自分が戻っているから二、三日休んで良いと伝言を走らせた。
自室で着替え、ククルのところに移動する。
ソファに腰掛け、様子を伺いつつ先程のクロイスの話を思い返した。
「ネル様か」
俺では全く分からない話だ。
一体何があったのか。
考えに没頭していると魘されるククルの声がした。
「んんっ、、、いやぁ」
「ククル、大丈夫かい」
そっと頭を撫でてやるとうっすら目を開ける。
意識が戻ったので少しホッとしながら訪ねた。
「ククル、自分が倒れたのは覚えてるかい?」
「ぁ、アイザック、、、うん、なんとなく?」
「そうか、でネル様は何か言ってたのかな?」
「、、、」
答えないのか答えれないのかイマイチ反応が無い。
「アイザック、今から教会に連れて行って」
力無く漸く答えてくれたのがこの内容だった。
#ん?マリアント、大変大変#
「んんん、どおしたの。まだ夜中よ。朝になったらお話しましょzzz」
実はゴーレムズネットワークでククルの危険を知らせようとゴーレム達は頑張っていたが肝心のマリアントが気付いてくれない。緊急事態を。
2体のゴーレムズ、焦りはするがどうにもならない。
そのまま夜明けとなったのだ、、、
「おはよう、キャラ、チャロ。どうしたの?ゆっくり教えて頂戴な。そんなに慌てててはわからないわ」
翌朝、目覚めたマリアントに2体がギャァギャァ騒ぐ。
何が言いたいのか最初は分からず聞いていたが段々と話の内容がわかってきた。
「大変。直ぐにいくわ。マーサス、大変よ」
自室から飛び出したマリアントはすぐにマーサスを探す。
丁度朝練から戻ってきた彼にゴーレムズの話を伝える。
「なに、本当か?しかしアイザックやあそこの侍女がいるだろう?」
「えぇ、そうなのよ。それだったら良いけれどわざわざ夜中に起こしてまで伝えて来たから気になるわ。とりあえず自宅に様子を見に行くわ」
「なら、一緒に行こう。万が一を考えたら一人では大変だ。」
そこからすぐに馬車を準備しククルの家に向かったのだ。
門までたどり着くと警備の者の姿が見えた。
ゴーレムズから聞いた事情を説明しつつアイザックや侍女の事を訪ねると二人ともが留守で今はククルしかいないとの事。
「とりあえず中を確認するぞ」
マーサスが慌てて玄関に向かうので警備の者が特殊魔道具で結界を解除する。
中に入るとホワイトパンサーのガルがいた。
「「ククルはどこ」」
「ガウッ」
ついてこいと言わんばかりに二階に走っていった。
「ガウッ」
「ここがククルの部屋か。おい、ククル、マーサスだ。入るぞ」
「ちょっとマーサス、一応女の子なんだから私が先に入るわ」
マリアントが前に出て中を伺う。
ベッドの側、床に倒れるククルを見つけ慌てて中に入った。
「ククル、大丈夫?しっかりして。マーサス、すごい熱よこの子。直ぐにアイザックと医者を呼んで来て」
マリアントはすぐにククルをベッドに寝かせ診察をはじめる。
「わかった」
マーサスは急いで家を飛び出していった。
マーサスはワグリアナ邸に着くなり使用人にアイザックを呼んでもらう。
「マーサス?」
アイザックが現れたので端折り事情を説明した。
「わかった。直ぐにいく。マーサスありがとう。医者はこちらで手配する。」
使用人に医者の件を頼むとアイザックは直ぐに向かおうとするのでシッコクがついて来てると伝える。
「お前のところに行くのがわかったのかついて来ると言ったから連れてきた」
「助かる。シッコク、ククルのところまで頼むな」
アイザックが跨ったとたん、物凄いスピードで駆け出した。
流石はバトルホース。
普通の馬では着いていけず、後から向かう事にした。
バタン
「ククル!」
自宅に着いたアイザックは一目散にククルの部屋に向かった。
「マリアント様、お世話をおかけします。ククルは大丈夫ですか」
「アイザック、、、とりあえず診察してみたんだけど原因が分からないのよ」
焦りで顔色の悪いマリアント様の話を聞きつつククルの様子を伺う。
影から急にクロイスが飛び出して来た。
#あの子達の話だと今回の原因?ネル様に聞いて知ってる見たいです。ククルは。貴方への報告を忘れている様ですよ#
「はぁ、だからってどうしたらよいんだ。」
「アイザック、何かわかったの?」
「あ、いやわかった様な分からない様な。なんとなくの原因は察しがついたかな。恐らく命の危険迄は無いと思う。申し訳ないが今は説明出来ない」
ククルの事情を本人抜きで話す訳にもいかず口を閉ざした。
マーサスとワグリアナ専属医者が到着する。
医者の見解は風邪と症状が似ているので薬を飲ませて二、三日で落ち着くだろと。また何かあったら連絡くださいと言い残し帰っていった。
「マーサス、マリアント様今回はありがとうございます。助かりました」
「ゴーレムズのおかげね。大事に至らないで良かったわ」
一応、医者の言い分を信用し二人も帰っていった。
ハナの事は先程警備員に聞き、自分が戻っているから二、三日休んで良いと伝言を走らせた。
自室で着替え、ククルのところに移動する。
ソファに腰掛け、様子を伺いつつ先程のクロイスの話を思い返した。
「ネル様か」
俺では全く分からない話だ。
一体何があったのか。
考えに没頭していると魘されるククルの声がした。
「んんっ、、、いやぁ」
「ククル、大丈夫かい」
そっと頭を撫でてやるとうっすら目を開ける。
意識が戻ったので少しホッとしながら訪ねた。
「ククル、自分が倒れたのは覚えてるかい?」
「ぁ、アイザック、、、うん、なんとなく?」
「そうか、でネル様は何か言ってたのかな?」
「、、、」
答えないのか答えれないのかイマイチ反応が無い。
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