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ふたたび王都へ 2
86.
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ハナがお茶を準備してくれたのでそれを頂きながら話を聞いた。
曰く、カイトは容疑を否定したが調べたら余罪がゴロゴロだったらしい。
その中で被害者の特定できる物はどんどん知らせを出して署名を集めたとか。
アイザックもその為に呼ばれたとの事。
結局、本人の言い分は通らず犯罪奴隷として懲役20年だとか。
被害額も大きく鉱山で労働にて返済する事になったと。
数日中には王都を出て鉱山送りらしい。
「はぁ、まさかそこまで酷かったとは思わなかった。」
びっくりするのを通り越して呆れてしまった。
そうこう話をしているとハナが夕食の準備が整ったと呼びに来てくれたのでリビングに移動する。
三人で食事を済ませて寛いだ。
「ククル、済まないが明日から4、5日留守にするよ。と言っても実家のワグリアナ邸にいるけどな。ランサンがギックリ腰らしくてな。なんならククルも一緒に行くかい?」
「ランサンさん、大変だね。私はここにいるよ。ハナも居るしね。」
そんなこんなで数日、アイザックが実家の屋敷に行く事になり、ハナと暫く二人っきりとなった。
翌日は午前中はのんびりと読書をして過ごす。
お昼ご飯の後に市場に買い物に出かけた。
「そうだ、ハナの実家のお店よってもよい?」
「構いませんよ。何かお探しですか?」
「ゴーレム達にバンダナ買ってあげるんだ」
実はお家に帰ってきたらお庭が大変素晴らしい事になっていた。ガーデンとウィンが頑張ってくれた。
ゴーレムズの能力もあって普通より育ちも早く収穫出来る薬草や野菜もあった。
お礼と労いを合わせて3体色違いで買い揃え各自首の辺りに巻いてあげた。
綺麗なガラスの小物入れを購入。
採取した種の保管用に調合室におく事にした。
「ハナのお母さんありがとうございます」
買い物も終わり挨拶するのに覗くと少し顔色が悪い。
「何処か調子が悪いのですか?」
「あらあら、ククルさんに心配掛けたわね。大した事無いのよ。少し風邪気味なだけだから」
「ちょっと見ても良いですか」
私はそう言いつつも額に手をかざす。
体内鑑定をすると確かに風邪の引き始めみたいだ。
「えっと、風邪の引き始めですね。ほっといたら今晩辺りに熱が出ちゃうからお薬飲んで安静にしてください」
私は収納から薬を取り出しお母さんに渡す。
「貴重な薬なのに私は大丈夫よ」
「ダメですよ。最初の対応が肝心なんですから。薬は自分で調合出来るので気にせずもらってください」
しっかり薬を押しつけて家路についた。
ハナと二人で夕食を食べる。
いつもとおりにしているがハナもお母さんの事が気になるのか少し上の空だ。
「ねぇハナ、今日はもう寝るだけだからお母さんの様子見に帰ったらどお?私はガル達もいるから一人でも大丈夫だし。あの感じだと薬飲んでも多分熱出るよ。明日は1日寝てたら大丈夫だとは思うし、明日お仕事お休みで良いからお家に帰ってあげて」
「しかし、ククル様お一人にするわけにはいかませんので。私は大丈夫ですよ」
「ダメだよ。今お父さん、依頼で留守でしょ。私は大丈夫だから、ね。行ってあげて。お願い」
「ほんとによろしいのですか。お気遣いありがとうございます。明日の夕方には戻りますから、もしお出かけになるのでしたら警備の者に声をお掛けして連れて行ってくださいね。」
その後もあれこれ私に言い聞かせ申し訳なさ半分、ありがたさ半分な様子で実家に帰っていった。
「はぁ、仕方が無いとはいえはじめての一人だな」
ガル達と戯れながらゴロゴロする。
する事も無いしさっさと寝ようっと。
そのままベッドに入り就寝する事にした。
「もしもし、-ーーさんのお孫さんですか。〇〇病院です。直ぐに来てください。・・・さんが、、、」
「おばあちゃん、、、」
「ーーー、ごめんね、1人にしてしまうわね。でもね、貴女の人生はまだまだこれからよ。頑張りなさいな、、、」
「いやだ。おばあちゃん、置いてかないで」
「いやぁー」
ハアハア、、、
久しぶりにこの夢をみた。
頭が痛い。
#ククル、大丈夫?#
従魔達が心配そうにこっちを見ている。
「ごめんね、心配掛けて。大丈夫だよ。ちょっと嫌な夢見ただけだから」
重い頭を少し上げて窓を見ると外は真っ暗だ。
まだ、夜明け前、寝直そうとするも頭が痛くて寝付けない。
なんとなく身体もだるいな。
あぁ、もしかしたらネル様の言ってたヤツかな。
よく考えたらネル様の話をアイザックに報告してないや。
自分でもわかるくらい体が熱い。
多分、熱が出だした。
まずい。薬を取りに行こう。
フラフラする頭を無理やり起こしてベットからでた。
隣の調合室に置いてる薬を取りに行こうと足を踏み出した途端視界が反転した。
バタン
私はそのまま意識を失った。
曰く、カイトは容疑を否定したが調べたら余罪がゴロゴロだったらしい。
その中で被害者の特定できる物はどんどん知らせを出して署名を集めたとか。
アイザックもその為に呼ばれたとの事。
結局、本人の言い分は通らず犯罪奴隷として懲役20年だとか。
被害額も大きく鉱山で労働にて返済する事になったと。
数日中には王都を出て鉱山送りらしい。
「はぁ、まさかそこまで酷かったとは思わなかった。」
びっくりするのを通り越して呆れてしまった。
そうこう話をしているとハナが夕食の準備が整ったと呼びに来てくれたのでリビングに移動する。
三人で食事を済ませて寛いだ。
「ククル、済まないが明日から4、5日留守にするよ。と言っても実家のワグリアナ邸にいるけどな。ランサンがギックリ腰らしくてな。なんならククルも一緒に行くかい?」
「ランサンさん、大変だね。私はここにいるよ。ハナも居るしね。」
そんなこんなで数日、アイザックが実家の屋敷に行く事になり、ハナと暫く二人っきりとなった。
翌日は午前中はのんびりと読書をして過ごす。
お昼ご飯の後に市場に買い物に出かけた。
「そうだ、ハナの実家のお店よってもよい?」
「構いませんよ。何かお探しですか?」
「ゴーレム達にバンダナ買ってあげるんだ」
実はお家に帰ってきたらお庭が大変素晴らしい事になっていた。ガーデンとウィンが頑張ってくれた。
ゴーレムズの能力もあって普通より育ちも早く収穫出来る薬草や野菜もあった。
お礼と労いを合わせて3体色違いで買い揃え各自首の辺りに巻いてあげた。
綺麗なガラスの小物入れを購入。
採取した種の保管用に調合室におく事にした。
「ハナのお母さんありがとうございます」
買い物も終わり挨拶するのに覗くと少し顔色が悪い。
「何処か調子が悪いのですか?」
「あらあら、ククルさんに心配掛けたわね。大した事無いのよ。少し風邪気味なだけだから」
「ちょっと見ても良いですか」
私はそう言いつつも額に手をかざす。
体内鑑定をすると確かに風邪の引き始めみたいだ。
「えっと、風邪の引き始めですね。ほっといたら今晩辺りに熱が出ちゃうからお薬飲んで安静にしてください」
私は収納から薬を取り出しお母さんに渡す。
「貴重な薬なのに私は大丈夫よ」
「ダメですよ。最初の対応が肝心なんですから。薬は自分で調合出来るので気にせずもらってください」
しっかり薬を押しつけて家路についた。
ハナと二人で夕食を食べる。
いつもとおりにしているがハナもお母さんの事が気になるのか少し上の空だ。
「ねぇハナ、今日はもう寝るだけだからお母さんの様子見に帰ったらどお?私はガル達もいるから一人でも大丈夫だし。あの感じだと薬飲んでも多分熱出るよ。明日は1日寝てたら大丈夫だとは思うし、明日お仕事お休みで良いからお家に帰ってあげて」
「しかし、ククル様お一人にするわけにはいかませんので。私は大丈夫ですよ」
「ダメだよ。今お父さん、依頼で留守でしょ。私は大丈夫だから、ね。行ってあげて。お願い」
「ほんとによろしいのですか。お気遣いありがとうございます。明日の夕方には戻りますから、もしお出かけになるのでしたら警備の者に声をお掛けして連れて行ってくださいね。」
その後もあれこれ私に言い聞かせ申し訳なさ半分、ありがたさ半分な様子で実家に帰っていった。
「はぁ、仕方が無いとはいえはじめての一人だな」
ガル達と戯れながらゴロゴロする。
する事も無いしさっさと寝ようっと。
そのままベッドに入り就寝する事にした。
「もしもし、-ーーさんのお孫さんですか。〇〇病院です。直ぐに来てください。・・・さんが、、、」
「おばあちゃん、、、」
「ーーー、ごめんね、1人にしてしまうわね。でもね、貴女の人生はまだまだこれからよ。頑張りなさいな、、、」
「いやだ。おばあちゃん、置いてかないで」
「いやぁー」
ハアハア、、、
久しぶりにこの夢をみた。
頭が痛い。
#ククル、大丈夫?#
従魔達が心配そうにこっちを見ている。
「ごめんね、心配掛けて。大丈夫だよ。ちょっと嫌な夢見ただけだから」
重い頭を少し上げて窓を見ると外は真っ暗だ。
まだ、夜明け前、寝直そうとするも頭が痛くて寝付けない。
なんとなく身体もだるいな。
あぁ、もしかしたらネル様の言ってたヤツかな。
よく考えたらネル様の話をアイザックに報告してないや。
自分でもわかるくらい体が熱い。
多分、熱が出だした。
まずい。薬を取りに行こう。
フラフラする頭を無理やり起こしてベットからでた。
隣の調合室に置いてる薬を取りに行こうと足を踏み出した途端視界が反転した。
バタン
私はそのまま意識を失った。
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