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ふたたび王都へ
69.
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「ククルよ。明日、改めて城に来い。俺のバトルホースに乗せてやる。普通の馬と違って乗り心地も良いし足も早いぞ」
知ってる。と言いそうになったがとりあえず押し黙った。
「アイザック、お前もな」
明日、改めて来いとの事だ。
「ダックさん、私冒険者の時は男の子スタイルなの。明日はそれでも良い?」
「そうか、女の子じゃ何かと面倒だな。構わんぞ。アイザックが一緒なら簡単に入れるから大丈夫だ」
「じゃあ、改めて明日、お尋ねしますね」
夜会の会場に戻る事にした。
部屋の外で待っていた騎士が連れて行ってくれる。
「ククル、明日は覚悟しとけよ。あれを見せたら間違いなく大騒ぎだぞ。」
「だよね、はぁ、面倒だ」
会場に戻っておじいちゃんを探す。
「あっ、いた。」
見つけたので側により、声をかけた。
「おじいちゃん、戻りました。後はアイザックと一緒にいるね。眠たくなったら先に帰るよ」
「おお、戻ったか。そうしなさい。アイザック殿ククルをお願いしますな」
「はい、お任せください。」
それからお腹も空いたので料理を楽しむ事にした。
「ククルじゃないか。」
この声はレオン団長だ。
「こんばんは。今来たの?」
「トータスが大人しく出来んからな」
成る程。それなら分かる気がする。
「こんばんは、ククルちゃん、アイザック殿」
「あっ、ブルーザーさん、こんばんは」
「ご無沙汰しております」
「はぁ、ほんと可愛らしい女の子なのに」
「どしたの?」
「なんでもない。また、遊びに来いよ」
「わかった。また行くね。」
ブルーザーさんは去っていった。
団長曰く、やっぱり私に負けた事を引きずってるらしい。
「気にしても仕方がないのにね。それより団長、見て。また、新しく仲間が出来たの」
翠を見せると鎌首を上げてる。
「おおっ、これはまた珍しいな」
指でツンツンしながら物珍しく観察しているとどこからか団長を呼ぶ声が聞こえ、またなと去っていった。
さて、気を取り直して食べようとするとまた呼ばれる。
「ククルちゃん」
振り向くとマリアント様だ。
「こんばんは、マリアント様。」
「こんばんは。まあまあお人形さんのようね。こうしていると普通の良いところのお嬢様なのに」
「ありがとうございます」
「そうだ、こないだのお詫びにククルちゃんに渡したいものがあるのよ。近々お邪魔しても良いかしら」
「気にしてないので大丈夫ですよ。でも折角なんで見てもらいたい物があるんです」
明後日お昼過ぎに来るとかなんとか。
了承して少し話を交わし、その場で別れた。
「アイザック、お腹空いた」
「はいはい、何が食べたい?」
やっとご飯が食べられる。
そう思い、気になる物を取ってもらう。
「美味しいな」
壁際の椅子に腰をかけて食べているとうるさい位の子供の声がする。
この声はカイザー達だ。
「また、ご飯邪魔される」
はぁ、とため息混じりに漏らすとアイザックが笑ってた。
「ほんとにまだまだ食い気だな。向こうはククルの事が分からんだろうから暫くは大丈夫だと思うぞ」
そうこうしているとタニット様、ヤルバルト様が子供5人を連れて近づいてきた。
「アイザック叔父様こんばんは」
「「「「こんばんは」」」」
「こんばんは。大人しくしてるか」
「当たり前だ」
カイザーが偉そうに胸を張る。
私は仕方が無いのでお皿を置いて椅子から降りた。
「誰だ?お前?」
カイザーが顔を赤くしながら突っかかる。
「これ、カイザーお前はないだろ」
タニット様に注意され、ムッとしている。
「だってこいつが」
私は精一杯の礼を取り挨拶する。
「ご無沙汰しております。ククル・ルーズベルトです。カイザーは相変わらずの様ですね」
5人の子供がほぇーと空いた口が塞がらない。
「流石ククルちゃん、挨拶位はちゃんとできるんだな。お前らもちょっとは見習いなさい」
「俺には関係ないやい」
カイザーが叫びながらどっかに走っていった。
「あいつ、父様、僕が追いかけます。ククル、またな」
アストラ君が追いかけていった。
他の3人はまだ、呆けている。
「ほんとに子供ね。面倒くさ」
ククル、お前が言うな、お前も今は充分子供だ。誰かが突っ込む訳でも無く、彼女は食事を再開したのだった。
お腹が膨れたので庭が見たいとアイザックに連れていってもらう。
綺麗な花々と整えられた樹々が見事な庭園だ。
ふとプルが話しかけてきた。いつの間にか肩に乗っているのもビックリしたが向こうに行けと聞かない。
プルの示す方向に歩いて行き茂みで座り込むと赤のエンジェルスライムがいた。
「アイザック、見て、こんなとこに」
「うわ、マジか」
もはやどうなるか予想がつくのだろう。
「こんばんは、どうしたの?こんなとこにいるなんて」
#誰かの荷物で寝てたらここにたどり着いて出れなくなったんだって#
ちょっと間抜けちゃんだ。
「一緒に来るのかな?」
ピコピコ跳ねて意思表示をする。
「じゃあ、あなたの名前はピコね。よろしく」
契約紋が額に集まりテイムできた。
#ありがとう。ずっとここに居ないとダメかと思ったよ#
ポヨンと跳ね上がりプルの横に止まる。
確か赤のエンジェルスライムは熱の必要な調合が出来た筈だ。私もまだ加熱の必要な調合にはチャレンジしていない。
「アイザック、増えちゃった」
えへっと笑って済ませておいた。
「はぁ、そろそろ帰ろうか」
もはやなにも言わない体でいる事にしたみたいだ。
一度会場に戻り、ゴーライク様の姿が見えたので帰る事を伝え帰宅した。
家に着く頃には疲れて寝ていたが流石にドレスのまま寝る訳にもいかずハナに起こされ着替えさせてもらいパタリとベットに倒れ込んだ。
知ってる。と言いそうになったがとりあえず押し黙った。
「アイザック、お前もな」
明日、改めて来いとの事だ。
「ダックさん、私冒険者の時は男の子スタイルなの。明日はそれでも良い?」
「そうか、女の子じゃ何かと面倒だな。構わんぞ。アイザックが一緒なら簡単に入れるから大丈夫だ」
「じゃあ、改めて明日、お尋ねしますね」
夜会の会場に戻る事にした。
部屋の外で待っていた騎士が連れて行ってくれる。
「ククル、明日は覚悟しとけよ。あれを見せたら間違いなく大騒ぎだぞ。」
「だよね、はぁ、面倒だ」
会場に戻っておじいちゃんを探す。
「あっ、いた。」
見つけたので側により、声をかけた。
「おじいちゃん、戻りました。後はアイザックと一緒にいるね。眠たくなったら先に帰るよ」
「おお、戻ったか。そうしなさい。アイザック殿ククルをお願いしますな」
「はい、お任せください。」
それからお腹も空いたので料理を楽しむ事にした。
「ククルじゃないか。」
この声はレオン団長だ。
「こんばんは。今来たの?」
「トータスが大人しく出来んからな」
成る程。それなら分かる気がする。
「こんばんは、ククルちゃん、アイザック殿」
「あっ、ブルーザーさん、こんばんは」
「ご無沙汰しております」
「はぁ、ほんと可愛らしい女の子なのに」
「どしたの?」
「なんでもない。また、遊びに来いよ」
「わかった。また行くね。」
ブルーザーさんは去っていった。
団長曰く、やっぱり私に負けた事を引きずってるらしい。
「気にしても仕方がないのにね。それより団長、見て。また、新しく仲間が出来たの」
翠を見せると鎌首を上げてる。
「おおっ、これはまた珍しいな」
指でツンツンしながら物珍しく観察しているとどこからか団長を呼ぶ声が聞こえ、またなと去っていった。
さて、気を取り直して食べようとするとまた呼ばれる。
「ククルちゃん」
振り向くとマリアント様だ。
「こんばんは、マリアント様。」
「こんばんは。まあまあお人形さんのようね。こうしていると普通の良いところのお嬢様なのに」
「ありがとうございます」
「そうだ、こないだのお詫びにククルちゃんに渡したいものがあるのよ。近々お邪魔しても良いかしら」
「気にしてないので大丈夫ですよ。でも折角なんで見てもらいたい物があるんです」
明後日お昼過ぎに来るとかなんとか。
了承して少し話を交わし、その場で別れた。
「アイザック、お腹空いた」
「はいはい、何が食べたい?」
やっとご飯が食べられる。
そう思い、気になる物を取ってもらう。
「美味しいな」
壁際の椅子に腰をかけて食べているとうるさい位の子供の声がする。
この声はカイザー達だ。
「また、ご飯邪魔される」
はぁ、とため息混じりに漏らすとアイザックが笑ってた。
「ほんとにまだまだ食い気だな。向こうはククルの事が分からんだろうから暫くは大丈夫だと思うぞ」
そうこうしているとタニット様、ヤルバルト様が子供5人を連れて近づいてきた。
「アイザック叔父様こんばんは」
「「「「こんばんは」」」」
「こんばんは。大人しくしてるか」
「当たり前だ」
カイザーが偉そうに胸を張る。
私は仕方が無いのでお皿を置いて椅子から降りた。
「誰だ?お前?」
カイザーが顔を赤くしながら突っかかる。
「これ、カイザーお前はないだろ」
タニット様に注意され、ムッとしている。
「だってこいつが」
私は精一杯の礼を取り挨拶する。
「ご無沙汰しております。ククル・ルーズベルトです。カイザーは相変わらずの様ですね」
5人の子供がほぇーと空いた口が塞がらない。
「流石ククルちゃん、挨拶位はちゃんとできるんだな。お前らもちょっとは見習いなさい」
「俺には関係ないやい」
カイザーが叫びながらどっかに走っていった。
「あいつ、父様、僕が追いかけます。ククル、またな」
アストラ君が追いかけていった。
他の3人はまだ、呆けている。
「ほんとに子供ね。面倒くさ」
ククル、お前が言うな、お前も今は充分子供だ。誰かが突っ込む訳でも無く、彼女は食事を再開したのだった。
お腹が膨れたので庭が見たいとアイザックに連れていってもらう。
綺麗な花々と整えられた樹々が見事な庭園だ。
ふとプルが話しかけてきた。いつの間にか肩に乗っているのもビックリしたが向こうに行けと聞かない。
プルの示す方向に歩いて行き茂みで座り込むと赤のエンジェルスライムがいた。
「アイザック、見て、こんなとこに」
「うわ、マジか」
もはやどうなるか予想がつくのだろう。
「こんばんは、どうしたの?こんなとこにいるなんて」
#誰かの荷物で寝てたらここにたどり着いて出れなくなったんだって#
ちょっと間抜けちゃんだ。
「一緒に来るのかな?」
ピコピコ跳ねて意思表示をする。
「じゃあ、あなたの名前はピコね。よろしく」
契約紋が額に集まりテイムできた。
#ありがとう。ずっとここに居ないとダメかと思ったよ#
ポヨンと跳ね上がりプルの横に止まる。
確か赤のエンジェルスライムは熱の必要な調合が出来た筈だ。私もまだ加熱の必要な調合にはチャレンジしていない。
「アイザック、増えちゃった」
えへっと笑って済ませておいた。
「はぁ、そろそろ帰ろうか」
もはやなにも言わない体でいる事にしたみたいだ。
一度会場に戻り、ゴーライク様の姿が見えたので帰る事を伝え帰宅した。
家に着く頃には疲れて寝ていたが流石にドレスのまま寝る訳にもいかずハナに起こされ着替えさせてもらいパタリとベットに倒れ込んだ。
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