転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん

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ダンジョン攻略 第一領

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妖精の泉の近くまでいくと小さな緑色の光が近づいてきた。
「こんにちわ妖精さんかな?」
「愛し子様こんにちは。私は植物の妖精よ。会いたかったわ」
私の周りをクルクル回りながら話しかけてくる。
「植物の妖精さんだね。私はククルよ。よろしく」
「うふふ。可愛らしいお嬢さんだ事。さすがネル様ね。こっちにおいでよ」
泉の淵まで誘われて近づいてみた。とても綺麗なグリーンの水が目に映る。
「この水は妖精の水よ。貴女、薬師だものね。これあげる」
妖精の水が入った瓶をくれた。
「良いの?とっても貴重だよ」
「構わないよ。この瓶は枯れずの入れ物だから中身を使っても1日たったら元に戻るよ。貴女が許可する人ならあげても良いよ。」
「本当に。ありがとう。嬉しいな」
ニコニコ受け取ると妖精さんもなんとなく嬉しそうだ。
「そうだ、妖精石も持って行って。光の子に貰ったペンダント出してよ」
言われるがままにペンダントを出すと一瞬緑の光に包まれた。すると黄色の石の隣に緑の石がはまっている。
「はい、出来上がり」
「うわぁ、ありがとう。」
お礼を伝えて片付け様としたら止められる。
「折角だから付けといて。壊れない様にしてあげる」
「そうなの。じゃあお願い」
首にかけると今度はチェーンの部分が光った。
「これで大丈夫だよ」
「ありがとう。大事にするね」
それからしばらく妖精さんとお話しする。他にも光が寄ってくるが声を出す子は最初の光だけだった。
「そろそろ戻りたいな。また来ても良いかな?」
「また、遊びにきて。石が全部揃うと良いことあるよ。」
そうして元の場所に戻してもらう事になった。
「またね。バイバーイ」
周りが一瞬真っ白になり次にアイザックの姿が目にはいる。
「ただいま」
「はいはい、おかえり。大丈夫だったかな」
「うん、植物の妖精さんだったの。妖精の石とね、妖精の水を枯れずの瓶で貰ったんだ」
ペンダントと瓶を見せると盛大なため息をついた。
「ペンダントは予想通りだ。で、妖精水はかなり希少価値の高い素材だと思うぞ。また、そんな物を簡単に。それも枯れずの瓶って」
はぁと頭を抱えている。
「あとね、ペンダントのチェーンもきれない様にしてくれたよ」
とりあえず報告してほっとく事にした。
アイザックに今日は休もうかと促されとりあえず寝る事にした。
本当は妖精水で遊びたいのだがそんな時間は与えて貰えない。
仕方がないので諦めたのだ。

翌日からも順調にダンジョンを進む。
予定通り10日目に50階に到着した。
いつもならこのままボスに挑むのだがラスボスなので明日朝から挑戦する事になった。

翌朝、朝食を済ませてボス戦に挑む。
今回は流石ラスボス。グリーンドラゴンだ。
「ククル、流石に気をつけてくれ」
「わかった」
二人と3匹で真剣に戦った。
いつもに比べたら時間は掛かったが倒す事は出来た。
みんな細かい傷がついたのでポーションを振りかけてドロップアイテムを取り、転移の魔石に触れようとすると足元にスリスリ寄ってくる者がある。
「うわぁ、なにこれ」
20センチ程の緑の蛇が足元にいたのだ。
「どうした、うわぁ、何処から来たんだコレ」
アイザックが言うにはボスの階は他の生き物が生息していることはないらしい。じゃあこのベヒはなんなんだ。
ジーと顔を見ると鎌首を上げてこちらをみている。つぶらな瞳が可愛らしい。
#ククル、どこから来たのか本人もわかってない様だ。#
「そうなの?一人は可哀想だね。一緒にくるかい?」
鎌首を上下に振るのが可愛らしい。
「じぁあ、あなたの名前は翠よ。よろしくね」
契約紋が額に集まる。無事テイムできた様だ。
#ありがとう#
翠は嬉しそうに私の腕に巻きついた。なんだかブレスレットみたいで可愛らしい。
「ククル、構わないけど、それグリーンスネイクと言って捕まえるのが無茶苦茶難しいんだ。すばしっこくてさ、魔法で攻撃したら傷がついて売り物にならないしかと言って捕まえるには早すぎて無理がある。またやらかしたな」
「そうなの?でも可愛いよ。腕に巻きついてても全然重さ感じないし」
はぁ、とため息わーついて諦めたのたようだ。
「帰ろうか」
「そだね」
そのまま転移の魔石で戻った。
シルバーとシッコクを出して街まで走る。夕方には到着し、とりあえず今日は宿でゆっくりする事にした。
なんだかんだで今年も後2週間程で終わりだ。
数日休憩し、王都に帰ることにした。
街に戻った次の日、ギルドで余分な素材を売却し、ハナに手紙をかいた。
明後日にはこの街も出発する。
ダンベル様達はすでに王都に向けて出発されたとか、馬車だと5日程かかる為、昨日の午前中に出たそうだ。
もしかしたら途中で追いつくかなと思いながら出発に向けて休養する。
結局翠は常に私の腕に巻きついている事にした様で好きにさせている。
ご飯は薬草を食べるとの事で手持ちのものをあげる事にした。

街を出発し王都に向けて帰省する。
3日目の昼頃、王都の門が見えてきた。
門の前は結構な列が出来ている。
シルバー達から降りて大人しく並んでいたが結局中に入るまでに3時間かかった。
流石に疲れてフラフラ歩いていたらアイザックに抱っこされ、門の検査を通った頃には寝てしまっていた様だ。

どうやらシッコクが勝手に影から出て、二人を乗せてくれたとか。
私は完全に夢の中で全く知らないうちに家に帰り着いていたのだった。
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