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到着
51.
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「ククル、そろそろ時間だよ。起きれるかい」
「んー」
"コンコン"
「ククル様アイザック様お客様がお見えです」
「分かりました。」
「ほら、ククル」
「ヤダァ」
アイザックは仕方がないので抱き上げた。
ククルは眠たい目を擦りながらグズグズ言っている。
そのまま抱っこでリビングに連れて行く。手櫛で髪を整えると寝ぼけててもちゃんと一つに束ねている。
リビングの前まで到着すると「下りる」と自分の足で立った。
「失礼します」
中に入室するとルーズベルト公爵と男性が3人、女性が一人席に着いていた。
「お待たせいたしました」
「ククル、アイザック殿、ますは紹介する。」
「はじめまして、ダンベル・ルーズベルトです」
「ダンベルの妻でマリーナです」
「長男のレオンだ」
「次男のトイックです」
「はじめましてワグリアナ公爵が次男のアイザックと申します」
「はじめまして、ククルです」
アイザックがククルの方を見るとまだ眠たそうだ。
「なんだ、ククル今朝の元気はどこにいったんだ」
「えっ?あっ、団長さん!」
漸くちゃんと顔を上げたククルがレオン団長に気がついた。
「なんだ、レオンは先に挨拶していたのか」
「いや、これで顔を合わすのは三回目だ。今朝の訓練にお二人が参加していてその場でククルの事は聞いたんだ。しかしアイザック殿が貴族籍とは気付かなかったな」
「一応、普段は冒険者として活動してますから。あえてわからない様にしています」
そのまま揃っての晩餐となり色々な話をした。
ついでに旅立つ日を伝えると明後日、ルーズベルト公爵の誕生日を祝いパーティーが開かれるとかで是非参加して欲しいと言われた。第七領の貴族だけだからそんなに人数も多くなく、団長の子供や他の貴族の子供達も参加するからククルが居ても大丈夫とか。
アイザックの方に確認すると好きにしたら良いとの事で公爵の孫であることを公表しない約束なら構わないと伝えた。
流石に全く紹介しない訳にはいかないとか。
あーでもない、こーでもないと中々決まらない。結局、たまたま旅の途中で立ち寄ったアイザックを招待したと言う事に落ち着いた。
ククルはと言うと言いたい事だけ伝えて今日はやっぱり眠い様でぼーっとしている。
詳しくはまた、明日聞く事にしてククルを寝かす為に部屋へと戻った。
リビングを出たらククルは抱っこをせがみアイザックに纏わりつく。
抱き上げて連れてる途中から居眠っている。
早々ベットに寝かせて一息つく。
正直パーティーの参加は面倒くさい。でもククルの事を考えると連れて行ってやりたい。
色々考えてみたがどちらにせよ参加となる。諦める事にした。
翌朝は疲れも取れたククルが朝から元気いっぱいだ。
朝食の席で明日のパーティーの詳細を聞き、急な事だからと服は公爵が準備してくれる事になった。
昨日のこの子の疲れ方を考えると今日はゆっくりさせて明日に備えた方が良さそうなので宿に戻って寛ぐことにした。
パーティー当日、昼頃から夕方にかけて開かれるとの事で朝から準備で屋敷中が忙しいなか、二人で公爵の元を訪れた。
「おじいちゃん、お誕生日おめでとう」
「公爵様、おめでとうございます」
「ありがとう。折角だから楽しんでいってくれ。とりあえず身支度の準備だな」
そう言いながら案内の使用人を呼んでくれた。
「おじいちゃん、これ、誕生日のお祝い。私が作った物なの。好きな物も欲しい物も分からなかったから。中身が分かる様にラベル付けといたから活用してね」
折角なので色々調合して救急箱もどきを作った。外の箱は街で良さそうなのを購入し、中身を詰めただけだが。
「わざわざありがとう。大切に、つかわせて貰うよ」
おじいちゃんは照れくさそうに受け取ってくれた。
そこから使用人に連れられて部屋に移動し、アイザックと分かれて支度してもらった。
私にはパーティー用のドレスが準備されていてモスグリーンの可愛らしいデザインだ。
私の外見は栗色のストレートの髪に瞳はグリーンだ。髪は長さが背中の中ほどまであり普段はひとつにまとめている。この世界では男女問わず髪の長い人が多くごくごく一般的な髪型だ。
身支度を手伝ってくれている女性達がやれ髪型がやれアクセサリーがともはや着せ替え人形である。
大人しく終わるのを待っているとドアがノックされアイザックが顔を覗かした。
「わぁ、アイザックが正装してる。いつもと全然違うね」
「ククルも人の事言えないぞ。何処かの良いとこのお嬢様みたいに見えるな」
お互い見慣れないので笑いながら話す。
髪はハーフアップにしてもらい可愛らしい花があしらわれた。
「ククル様、終わりましたよ。こちらでお姿ご覧ください」
姿見の前に立つと見慣れない自分が映っている。
「ありがとうございます。」
皆にお礼をいつつアイザックのエスコートで会場に向かった。
会場に到着するとちらほら来客が来ている様で人の姿が目に入った。
「んー」
"コンコン"
「ククル様アイザック様お客様がお見えです」
「分かりました。」
「ほら、ククル」
「ヤダァ」
アイザックは仕方がないので抱き上げた。
ククルは眠たい目を擦りながらグズグズ言っている。
そのまま抱っこでリビングに連れて行く。手櫛で髪を整えると寝ぼけててもちゃんと一つに束ねている。
リビングの前まで到着すると「下りる」と自分の足で立った。
「失礼します」
中に入室するとルーズベルト公爵と男性が3人、女性が一人席に着いていた。
「お待たせいたしました」
「ククル、アイザック殿、ますは紹介する。」
「はじめまして、ダンベル・ルーズベルトです」
「ダンベルの妻でマリーナです」
「長男のレオンだ」
「次男のトイックです」
「はじめましてワグリアナ公爵が次男のアイザックと申します」
「はじめまして、ククルです」
アイザックがククルの方を見るとまだ眠たそうだ。
「なんだ、ククル今朝の元気はどこにいったんだ」
「えっ?あっ、団長さん!」
漸くちゃんと顔を上げたククルがレオン団長に気がついた。
「なんだ、レオンは先に挨拶していたのか」
「いや、これで顔を合わすのは三回目だ。今朝の訓練にお二人が参加していてその場でククルの事は聞いたんだ。しかしアイザック殿が貴族籍とは気付かなかったな」
「一応、普段は冒険者として活動してますから。あえてわからない様にしています」
そのまま揃っての晩餐となり色々な話をした。
ついでに旅立つ日を伝えると明後日、ルーズベルト公爵の誕生日を祝いパーティーが開かれるとかで是非参加して欲しいと言われた。第七領の貴族だけだからそんなに人数も多くなく、団長の子供や他の貴族の子供達も参加するからククルが居ても大丈夫とか。
アイザックの方に確認すると好きにしたら良いとの事で公爵の孫であることを公表しない約束なら構わないと伝えた。
流石に全く紹介しない訳にはいかないとか。
あーでもない、こーでもないと中々決まらない。結局、たまたま旅の途中で立ち寄ったアイザックを招待したと言う事に落ち着いた。
ククルはと言うと言いたい事だけ伝えて今日はやっぱり眠い様でぼーっとしている。
詳しくはまた、明日聞く事にしてククルを寝かす為に部屋へと戻った。
リビングを出たらククルは抱っこをせがみアイザックに纏わりつく。
抱き上げて連れてる途中から居眠っている。
早々ベットに寝かせて一息つく。
正直パーティーの参加は面倒くさい。でもククルの事を考えると連れて行ってやりたい。
色々考えてみたがどちらにせよ参加となる。諦める事にした。
翌朝は疲れも取れたククルが朝から元気いっぱいだ。
朝食の席で明日のパーティーの詳細を聞き、急な事だからと服は公爵が準備してくれる事になった。
昨日のこの子の疲れ方を考えると今日はゆっくりさせて明日に備えた方が良さそうなので宿に戻って寛ぐことにした。
パーティー当日、昼頃から夕方にかけて開かれるとの事で朝から準備で屋敷中が忙しいなか、二人で公爵の元を訪れた。
「おじいちゃん、お誕生日おめでとう」
「公爵様、おめでとうございます」
「ありがとう。折角だから楽しんでいってくれ。とりあえず身支度の準備だな」
そう言いながら案内の使用人を呼んでくれた。
「おじいちゃん、これ、誕生日のお祝い。私が作った物なの。好きな物も欲しい物も分からなかったから。中身が分かる様にラベル付けといたから活用してね」
折角なので色々調合して救急箱もどきを作った。外の箱は街で良さそうなのを購入し、中身を詰めただけだが。
「わざわざありがとう。大切に、つかわせて貰うよ」
おじいちゃんは照れくさそうに受け取ってくれた。
そこから使用人に連れられて部屋に移動し、アイザックと分かれて支度してもらった。
私にはパーティー用のドレスが準備されていてモスグリーンの可愛らしいデザインだ。
私の外見は栗色のストレートの髪に瞳はグリーンだ。髪は長さが背中の中ほどまであり普段はひとつにまとめている。この世界では男女問わず髪の長い人が多くごくごく一般的な髪型だ。
身支度を手伝ってくれている女性達がやれ髪型がやれアクセサリーがともはや着せ替え人形である。
大人しく終わるのを待っているとドアがノックされアイザックが顔を覗かした。
「わぁ、アイザックが正装してる。いつもと全然違うね」
「ククルも人の事言えないぞ。何処かの良いとこのお嬢様みたいに見えるな」
お互い見慣れないので笑いながら話す。
髪はハーフアップにしてもらい可愛らしい花があしらわれた。
「ククル様、終わりましたよ。こちらでお姿ご覧ください」
姿見の前に立つと見慣れない自分が映っている。
「ありがとうございます。」
皆にお礼をいつつアイザックのエスコートで会場に向かった。
会場に到着するとちらほら来客が来ている様で人の姿が目に入った。
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