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到着
49.
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どうにも頭の整理が付かないと今日のところはお暇する事になった。
明日、朝から訓練に参加するのでその後、昼食がてら屋敷に来る様言われたのでそうする事にした。
宿に帰り夕食後、調合をしながら考える。身内という者が前世を合わせもほぼ居ない私にとって祖父とはなんなんだろうか。正直わからない。
どうやら眉間に皺が寄っていたみたいでアイザックに伸ばされた。
「なんて顔してるんだ。全く。難しく考えるより自然体で行けば良いと思うぞ」
確かにそれはそうなのだがふと考えてしまう。急にアイザックに抱っこされた。
「おじいちゃんが出来てよかったな。明日、今後の旅の予定を伝えて近々出発するか。但しペンダントの事は内緒な」
「それもそうだね。次はどこにいく?」
それからは旅の予定を相談する。
第一領から順番にダンジョン巡りをする事に決まりとりあえず4日後に出発する事にした。
翌日、騎士団の訓練場に向かう。
「「おはようございます」」
「おはようございます。お忙しい中ありがとうございます」
団長さんが出迎えてくれた。
「今日はよろしくお願いします」
団員達を集めて紹介された。
こないだ一緒だった人以外、私は付いてきた子供みたいな眼差しだ。
折角なので対人戦の練習をさせてもらう事になり、ガル達については後ほどでとの事になった。
私の相手をしてくれるのは隊でも若手の新人の様だ。
「よろしくお願いします」
「あぁ、よろしくな。怪我をしない様にするんだぞ。」
こないだ一緒だった人はニヤニヤこちらの様子を伺っている。どうなるか予測がつくのだろう。
「はい、分かりました。ルールはありますか?」
「良い返事だ。君にはルール無しで大丈夫だぞ。好きな様にかかってきなさい」
「ありがとうございます。じゃあ行きますね」
審判の合図で始まった。
私は身体強化を使い高く跳躍する。相手の後に回り込み首を取った。もちろんいつもと同じ短剣での勝負だ。
「何っ」
「そこまで!」
「「「「おぉ」」」」
周りが騒がしい。
終了の合図とともに剣を首から離した。
「なかなかすばしっこいな。すっかり油断したよ。もう一度手合わせしようか」
どうやら負けたままでは気が済まない様で再戦する事になった。
「始め!」
今度は相手も警戒してから初めから打ち込んできた。
短剣で受け流しながら膝下に蹴りを入れる。踏み込んできた軸足を払ったので派手に転けた。その隙に顔の真横に剣を突き刺した。
「そこまで!」
「「「「おぉっ」」」」
「やったね」
ニコッと笑っておいた。相手の団員も悔しそいだが今回は諦める様だ。
「中々強いな。参ったよ」
「そんな事無いです。ありがとうございます」
「次は俺と対戦しないか」
観戦していたローブの青年が寄って来たので了承する。
「俺は魔導士だ。君の身体強化に挑戦してみたくなった。魔法が当たったら危ないから魔法防御の腕輪を着けてくれて構わない。嫌かい?」
「あ、大丈夫です。どちらかと言うと魔法の方が得意なんで」
「そうなのか。」
「一応、あっちで対戦してる保護者に確認しますね」
周りの話では隊の中堅位の実力らしいので念の為アイザックに許可をもらう事にした。
丁度、対戦が終わった様なので寄っていく。
「アイザック、魔導士の人と対戦しても良いかな。中堅位だって」
「構わないが一応ポーションを預かるよ。あと、結界も張ろうか。周りに被害が出そうだ」
「じゃあ、そう言ってくる」
先程の魔導士の人に許可は出たけどアイザックが結界を張ると伝えると一瞬びっくりして隊の魔導士で結界は張ると言ってくれた。
審判が魔法防御の腕輪をはめる。アイザックの方にいた団長達も観戦する様で人が集まってきた。
「ギャラリーが増えたよ。緊張するなぁ」
「ルールはどうする?」
「お任せします」
「そうか、いつもは殆ど撃ち合いになるからな、魔法のみでの撃ち合いでどうだい?」
「それで大丈夫です。」
「両者準備はよろしいですか」
「「はい」」
「始め!」
今回はこちらから仕掛けずに相手の出方を見る事にした。
短縮詠唱はなので発動が早い、が充分見切れる
「ファイアー!」
ドッチボール位の火の玉が飛んできた。
「ウォーターボール」
水球で打ち消す。
「「「「おおっ」」」」
「成る程、無詠唱か、じゃあ遠慮なく行かせてもらうぞ」
「ファイアー!」
今度は火の柱が上がった。
「アイスシールド」
氷の盾で攻撃を防ぐ。
「次はこっちから行きますね」
左右の手で電流を作る
「サンダーラッシュ」
雷を5本落とした。
「うわっ」
咄嗟で防御幕を作った様で当たらなかった。
「じゃあこれでどお?」
竜巻に氷の塊を混ぜて3本お見舞いする。
「うわっ、なんじゃこれ」
防御幕が間に合わず一本の竜巻に当たって飛ばされる。
着地点に雷をお見舞いした。
「それっ、サンダー」
電流が直撃した。
「うがっ」
あら痛そうだ。
「ウォーターボール!」
続いて水球を10個、逃げれない様に四方八方から飛ばす。
半分位は防いだみたいだが残りは体に当たってる。
「そこまで!」
「「「「すげー」」」」
止めの合図と同時に魔導士は救出された。威力は抑えたので大した怪我にはならないはず。
「ククル、派手に遊んだな」
アイザックが寄って来たので笑顔で答える。
「そんな事ないよ。いつでも真剣だもん」
いや、完全に遊んでいたが。
救出された魔導士がよってきた。
「凄い手数ですね。完敗でした。途中で見せてくれたサンダーですか?あれはどんな原理になってるんだ?」
「うんと、あれはね雷のイメージだよ。どんな原理と言われても分かんないや」
えへっと笑っておいた。
「乾燥した季節に何かを触った拍子にバチッとくる事あるだろ。あの現象らしいぞ」
アイザックがフォローしてくれたがそれでもいまいち伝わらず、魔導士は頭を捻っていたのだ。
明日、朝から訓練に参加するのでその後、昼食がてら屋敷に来る様言われたのでそうする事にした。
宿に帰り夕食後、調合をしながら考える。身内という者が前世を合わせもほぼ居ない私にとって祖父とはなんなんだろうか。正直わからない。
どうやら眉間に皺が寄っていたみたいでアイザックに伸ばされた。
「なんて顔してるんだ。全く。難しく考えるより自然体で行けば良いと思うぞ」
確かにそれはそうなのだがふと考えてしまう。急にアイザックに抱っこされた。
「おじいちゃんが出来てよかったな。明日、今後の旅の予定を伝えて近々出発するか。但しペンダントの事は内緒な」
「それもそうだね。次はどこにいく?」
それからは旅の予定を相談する。
第一領から順番にダンジョン巡りをする事に決まりとりあえず4日後に出発する事にした。
翌日、騎士団の訓練場に向かう。
「「おはようございます」」
「おはようございます。お忙しい中ありがとうございます」
団長さんが出迎えてくれた。
「今日はよろしくお願いします」
団員達を集めて紹介された。
こないだ一緒だった人以外、私は付いてきた子供みたいな眼差しだ。
折角なので対人戦の練習をさせてもらう事になり、ガル達については後ほどでとの事になった。
私の相手をしてくれるのは隊でも若手の新人の様だ。
「よろしくお願いします」
「あぁ、よろしくな。怪我をしない様にするんだぞ。」
こないだ一緒だった人はニヤニヤこちらの様子を伺っている。どうなるか予測がつくのだろう。
「はい、分かりました。ルールはありますか?」
「良い返事だ。君にはルール無しで大丈夫だぞ。好きな様にかかってきなさい」
「ありがとうございます。じゃあ行きますね」
審判の合図で始まった。
私は身体強化を使い高く跳躍する。相手の後に回り込み首を取った。もちろんいつもと同じ短剣での勝負だ。
「何っ」
「そこまで!」
「「「「おぉ」」」」
周りが騒がしい。
終了の合図とともに剣を首から離した。
「なかなかすばしっこいな。すっかり油断したよ。もう一度手合わせしようか」
どうやら負けたままでは気が済まない様で再戦する事になった。
「始め!」
今度は相手も警戒してから初めから打ち込んできた。
短剣で受け流しながら膝下に蹴りを入れる。踏み込んできた軸足を払ったので派手に転けた。その隙に顔の真横に剣を突き刺した。
「そこまで!」
「「「「おぉっ」」」」
「やったね」
ニコッと笑っておいた。相手の団員も悔しそいだが今回は諦める様だ。
「中々強いな。参ったよ」
「そんな事無いです。ありがとうございます」
「次は俺と対戦しないか」
観戦していたローブの青年が寄って来たので了承する。
「俺は魔導士だ。君の身体強化に挑戦してみたくなった。魔法が当たったら危ないから魔法防御の腕輪を着けてくれて構わない。嫌かい?」
「あ、大丈夫です。どちらかと言うと魔法の方が得意なんで」
「そうなのか。」
「一応、あっちで対戦してる保護者に確認しますね」
周りの話では隊の中堅位の実力らしいので念の為アイザックに許可をもらう事にした。
丁度、対戦が終わった様なので寄っていく。
「アイザック、魔導士の人と対戦しても良いかな。中堅位だって」
「構わないが一応ポーションを預かるよ。あと、結界も張ろうか。周りに被害が出そうだ」
「じゃあ、そう言ってくる」
先程の魔導士の人に許可は出たけどアイザックが結界を張ると伝えると一瞬びっくりして隊の魔導士で結界は張ると言ってくれた。
審判が魔法防御の腕輪をはめる。アイザックの方にいた団長達も観戦する様で人が集まってきた。
「ギャラリーが増えたよ。緊張するなぁ」
「ルールはどうする?」
「お任せします」
「そうか、いつもは殆ど撃ち合いになるからな、魔法のみでの撃ち合いでどうだい?」
「それで大丈夫です。」
「両者準備はよろしいですか」
「「はい」」
「始め!」
今回はこちらから仕掛けずに相手の出方を見る事にした。
短縮詠唱はなので発動が早い、が充分見切れる
「ファイアー!」
ドッチボール位の火の玉が飛んできた。
「ウォーターボール」
水球で打ち消す。
「「「「おおっ」」」」
「成る程、無詠唱か、じゃあ遠慮なく行かせてもらうぞ」
「ファイアー!」
今度は火の柱が上がった。
「アイスシールド」
氷の盾で攻撃を防ぐ。
「次はこっちから行きますね」
左右の手で電流を作る
「サンダーラッシュ」
雷を5本落とした。
「うわっ」
咄嗟で防御幕を作った様で当たらなかった。
「じゃあこれでどお?」
竜巻に氷の塊を混ぜて3本お見舞いする。
「うわっ、なんじゃこれ」
防御幕が間に合わず一本の竜巻に当たって飛ばされる。
着地点に雷をお見舞いした。
「それっ、サンダー」
電流が直撃した。
「うがっ」
あら痛そうだ。
「ウォーターボール!」
続いて水球を10個、逃げれない様に四方八方から飛ばす。
半分位は防いだみたいだが残りは体に当たってる。
「そこまで!」
「「「「すげー」」」」
止めの合図と同時に魔導士は救出された。威力は抑えたので大した怪我にはならないはず。
「ククル、派手に遊んだな」
アイザックが寄って来たので笑顔で答える。
「そんな事ないよ。いつでも真剣だもん」
いや、完全に遊んでいたが。
救出された魔導士がよってきた。
「凄い手数ですね。完敗でした。途中で見せてくれたサンダーですか?あれはどんな原理になってるんだ?」
「うんと、あれはね雷のイメージだよ。どんな原理と言われても分かんないや」
えへっと笑っておいた。
「乾燥した季節に何かを触った拍子にバチッとくる事あるだろ。あの現象らしいぞ」
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