転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん

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到着

44.

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さて、ルーズベルト公爵の事を調べると言っても何を調べたら良いのやら。
「何を調べたら良いのかな?面倒だし会いに行ってから考えるかな?」
「そうだな。とりあえず明日屋敷の近くまで行ってみるか」
考えても特に思いつかないしとりあえず話をするかどうかは後回しにして紹介状を持って訪ねてみる事にした。
紹介状の内容は息子が旅の途中で立ち寄るからよろしくみたいな感じなのでこれで何かバレる事もない。
翌日、少しこマシな服装で屋敷を訪ねた。
「どちら様でしょうか」
この家の執事らしき人が対応してくれる。
アイザックが名乗りとりあえず紹介状を渡すと家紋をみて応接室に案内してくれた。
お茶が用意され、暫くここで待つ様に言われたので大人しくしている。
廊下で人の気配を感じ、しばらくすると男性が1人先程の執事らしき人と入ってきた。
アイザックが立ち上がったので同じ様にする。
「貴方がワグリアナ公爵の御子息でしょうか。ようこそ、おいでくださいました。ヒストラル・ルーズベルトです。」
「ご丁寧にありがとうございます。ワグリアナ公爵が次男、アイザックと申します。此方が冒険者のククルで私とパーティを組んでいます。突然の訪問にご対応頂きありがとうございます。」
「はじめまして。よろしくお願いいたします」
とりあえずの挨拶を済ませてお互い腰を下ろす。
「アイザック殿は旅を続けられているとか」
「はい、以前はソロの冒険者として活動しておりましたがこの子ククルと出会ってからは一緒に旅をしております。」
それからはアイザックの旅先での事が中心に話が進んだ。
「ところでククルはまだ年端かもいかない子供なのにどうして旅をしているのかな」
急に話を振られてどう答えるか迷う。
「私は両親がおりません。最初に着いた街で大人に都合の良い様に利用されそうなところをアイザックと出会い、街の外に連れ出して貰ったのが始まりです。」
事前にアイザックと森で老婆に拾われて育てもらっていたがその人が亡くなったので街に出た事にしようと話をあわしてあった。調合の知識は老婆から教わった事になっている。テイマーとしてはまぁ、素質があったという事にした。
「そうだったのかい。辛い事を聞いてしまったね。」
「いえ、大丈夫です。ルーズベルト公爵様はお一人でお住まいですか」
ちょっと聞いてみた。
「そうだよ。妻は早くに病気で先立たれ唯一の一人娘も私の馬鹿な行動で家を飛び出してね、帰ってきた時には物言わぬ人となっていたんだ。後悔ばかりだよ。公爵と言っても数年したら甥に領地を下げ渡して領地の端の街でのんびり過ごそうかと考えてるところだ。まぁ、寂しい年寄りの一人暮らしさ。いつでも遊びにおいで」
聞いていてなんだか心が痛む。名乗り出た方が良いのか悩むところだ。
アイザックをチラッと見ると小さく横に首を振る。今では無いというのだろう。
そのままアイザックに従った。
結構な時間話していたがまた来ますと引き上げる事にした。
宿に帰る前に屋台で夕食を買っていく。
明日は終日ゆっくり過ごす事になった。
夕食後、今日の分の調合を終わらせてゆっくり読書をする事にした。
実は帰りかけにルーズベルト公爵からアイザックの経験を見越して明後日に行われる魔物の間引きを手伝ってほしいとの話があった。
パーティへの指名依頼を出してもらう事で了承し、明日ギルドに確認にいくことになっている。
「俺は明日ギルドに依頼書を取りに行くけどククルはどうする?」
「うーん、留守番してる」
「了解、ゆっくりしてたら良いよ。」

翌日、アイザックが出かけている間、宿で従魔達と戯れて過ごした。
それに飽きたら次は薬調合だ。色んな材料を引っ張り出して薬を作っていく。
こないだ貰った本には色々のっていて面白い。
かなりの種類を試したところでアイザックが戻ってくる。
「ただいま。随分広げてるな。良いの出来たかい?」
「おかえり。色々作ったよ。」
調合した物を順番に見せる。
「塗り薬も出来てるな。コレで薬全般の調合が可能なのか?」
「そうだよ。後は症状に合わせて調合出来る様になれば一人前だよ」
体内魔力の歪みを見つけて調合する事が出来る様になると同じ薬師でも特別扱いになるとか。
まぁ、興味はあるが率先して試したいとは思わない。
明日は魔物の間引きに出かける。
この辺りの魔物はそんなにレベルが高くないから大人しくしてたら良いかなと自分なりに立ち位置を決めた。

翌日、集合場所の屋敷前に向かう。
街の騎士団が一緒だと聞いていたが到着してびっくりした。
「すごい人数だな」
軽く二十人は居てるように思う。今はシッコクに二人乗りだから良いがこんな人数が多いところではアイザックと逸れそうだ。
暫く待っていると今度は冒険者らしき団体が合流してきた。此方も20人近く居るように思う。
「凄い人数だね。」
「昨日ギルドに行った時に聞いたが冬前の大規模な間引きで毎年行われるらしい。指名依頼はうちともう一つ地元のパーティに出てるみたいだ。」
屋敷から騎士団長らしき人とルーズベルト公爵様が現れた。ここから4つに分けて出発するとか。森の北側に大きな草原があるのでそこに向けて追い込みながら待ち伏せする班と合流するらしく団長と共に私達は待ち伏せ隊と一緒に行くことになった。
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