転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん

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到着

42.

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「改めておれはサブマスのマイクだ」
「黒銀のアイザックだ」
「ククルです」
「さっきはウチの若いのがすまんかったな。」
「いえ、こちらこそありがとうございます」
「でだ、さっきのアイザックが話てた二人組はこの街の冒険者ではない。面倒だったからこの部屋に案内したんだが良かったか」
どうやらサブマスは意味が分かってこの部屋に案内したわけでは無かった様だ。
「こっちも助かった。今更他の奴と組む気もないしあいつら前に一度だけ臨時で組んだ事があるが自分本意で面倒なんだ。臨時でも勘弁してほしい奴らだ」
「成る程な、でククルの要件はなんだった?受付のが良かったか」
「いえ、多分受付に言ってもこの部屋になると思うので。ポーションの買取をお願いしたいです」
言いながらカードとポーションをとりあえず5本テーブルに出した。
「さっきカードを見せてくれた時シルバーだったからDランクなら新人はないとは思ったがCだったのか。それも登録調合師とはな、なかなかやるな。一度カードを確認するから借りるぞ」
カードを受け取ったマイクは部屋から出て行った。
「ククル、さっきは悪かったな離れて。大丈夫だったか」
「大丈夫だよ。相手が手を出したらやり返すつもりで待ってたから」
アイザックはなんとも言えない顔つきをしているが気にしない。
のほほんとお茶を飲みながら待っているともの凄い勢いで扉が開いた。
「ククル、お前これ、マジか」
後から小柄な男性も部屋に入ってきた。
「マイク、うるさい。君がククルさんかな、はじめましてマスターのトイックです」
「はじめまして、黒銀のククルです。」
「黒銀のアイザックだ」
「ウチのギルドは僕が鑑定するのでポーションをみせてもらうね」
テーブルの上にあるポーションを鑑定している。
「間違いなくククル作ですね。こちらはBランクになりますから買取は一本250Gで如何ですか。実はポーション不足でもしまだ持ってるなら買取をお願いしたいのですが」
他より少し高く買取してくれるみたいだ。従魔作も一緒に80本テーブルにだした。
「こっちのが従魔作です」
一応パヨのを分ける。ギルマスは次々に鑑定していく。
「お待たせしました。沢山ありがとうございます」
提示された金額はやはり少し高い目だ。
「ありがとうございます」
「こちらこそ助かりました。もし可能なら初級のCランク作れないか?新人が競って持つのだが数が揃ってなくてな。」
「素材が平なら出来ると思いますが私の持ってる素材は全て優なんです。」
「わかった。平の素材だな。ちょっと待っててくれ」
部屋から退出していった。
暫く待っていると素材を持って戻ってくる。
「これで調合してもらえるか。買取出来なかった状態の悪い奴だ。」
私は素材を受け取り鑑定してみた。平もあるが悪も混ざっている。
「悪も混ざってるのでやってみないと出来るかわかりませんよ。」
「構わんさ、どうせ捨てる素材だったから出来なくても気にしなくてよいよ。ポーションになったら買い取るからお願いしても良いか」
「わかりました。期日はありますか。なければおわり次第持ち込みします」
「君のタイミングで良いのでなるべく早い目にお願いします」
私への指名依頼にしてくれて出来ても出来なくても報酬はもらえる事になった。
依頼書を受け取り内容を確認してサインする。
「じゃあククル帰るか。」
「はーい。ではまた来ます」
部屋を出てギルドを後にしようと入口に向かう。すると行く手を阻む人影が見えた。
「お前、講習出てないだろ」
まただ。さっきの子がしつこく食いかかって来た。
「はぁ、また。貴方には関係ないでしょ。ほっといてよ」
「うるさい。規則を守らないお前が悪いんだ。こっちに来い。俺が叩き直してやる」
腕を取られそうになったが咄嗟にアイザックが抱き上げてくれた。
「君、いい加減にしないか」
「お前なんだよ、関係ないだろう」
「いやいや、君こそ何者だ。この子は俺とパーティを組んでる冒険者だ。お前が言う講習の必要は全くないぞ。勝手な思い込みで好き勝手言うな。」
「嘘だ、そう言ってお前こそ小さい子供売り飛ばすんだ。そうだろ。後めたいから逃げるんだ」
訳の分からない事を喚いているこの人、本当に鬱陶しい。
「ねぇ、アイザック、鍛練場借りてきて。いい加減に腹が立つ。ね、お願い」
「はいはい、ちょっと待ってろ。おい、マイク聞こえてんだろ。今使えるか」
「あー本当にすまん。今なら直ぐでも使えるぞ。そこのアホは俺が引きずってくわ」
とりあえず鍛練場に移動する。野次馬が少々ついてくるがこの際気にしない。
「この喧しい奴はサンダナだ。ククル悪いが相手してやってくれ」
「わかった。私はククル、旅の冒険者。貴方の甚しい勘違いにいい加減うんざりなの。さっさと終わらすよ。ルールは場外ありの一回限り。後は審判に任せます。貴方魔法は使えるの?」
「はっ、何言ってんだ。お前と勝負する意味がわからん。サブマス、なんとか言ってくださいよ」
「サンダナ、お前が悪い。やればわかるだろ。で魔法はどうする」
「無しでいいよ。俺の制御失敗して怪我でもさせたら大変だから」
「だそうだ。ククル構わないか。」
「構いませんよ。サブマス、審判お願いしますね」
「わかった。俺の指示には従う事。武器は模造剣でククルは、それで良いのか。サンダナさっさと準備しろ」
私はいつも通り短剣を持って位置につく。サンダナが前で構えた。
「では両者始め」
サンダナが「手加減するか」と呟いたのが聞こえたので真っ直ぐ突っ込んで跳躍し、背後を取った。そのまま首元に短剣を押さえる。
「止め、そこまで。勝者ククル」
「「「おおっー」」」
予想通りの結果だ。いきなり背中を取られたサンダナは未だに状況が飲み込めてない。
「お前、卑怯だぞ」
此方が剣を下ろすと同時に襲いかかってきたので腕を掴んで投げてやった。
壁にぶつかったサンダナはそのまま地面に叩きつけられる。
そこを周りの野次馬が押さえた。
「勝負が付いてるのに襲い掛かるとはどう言う事だ」
「あんなもん、勝負じゃない。ちょっと油断しただけだ。」
「馬鹿じゃない。真剣ならあんた死んでるよ」
「サンダナ、カッコ悪いぞ。負けを認めろ」
周りの大人から怒られてる。
私は彼のところに歩いて行った。
「そんなんだからランクが上がらないんです。人を見かけだけで判断してるから強く慣れないのです。もっと勉強して下さい。」
言うだけ言ってアイザックの元に戻りギルドを後にした。
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