転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん

文字の大きさ
上 下
36 / 202
ネクネクへ

36.

しおりを挟む
昨日のマーサスとの鍛錬のせいで今日は起き上がるのも面倒臭い。
ハナがアレコレ世話を焼いてくれるもののイヤイヤ病だ。
ボチボチハナも対応出来なくなってきた。困りはてているとちょうどアイザックが現れる。
「どうした」
「アイザック様、実はククル様が、、、」
今朝からの事を話すとアイザックがククルに近づく。
「ククル、ちょっとおでこかしてみな」
コツンとおでことおでこがぶつかった。
「やっぱりな。熱があるぞ。薬飲みなさい。その前に食事だな。食べれるか」
「いらない」
「コラ、じゃあ果物はどうだ」
「それなら食べる」
ハナが慌てて厨房に向かった。
ククルは面倒ながらも熱冷ましの薬を出す。
ハナが桃を持ってきてくれた。
それをもくもく食べて薬を飲んで横になる。途端に寝てしまった。
「ハナ、悪いな。昨日ちょっと無理させ過ぎた。旅の途中でもほっこり腰を降ろすと熱を出していたからいつもの事なんだ。薬は本人が調合した物を持っているからそれが一番良い。自分の魔力だから回復を促す力が強いから」
「かしこまりました。とりあえず様子を見ておきます。いつもはどれくらいで熱が下がりますか」
「そうだな、長くても3日位で元気にはなっている。また、様子を観に来るからよろしく」
「はい、何か御座いましたらご報告させていただきます。」
アイザックは自室に戻りため息をつく。
「やっぱり子供だな。気をつけてたつもりだったが、はぁ」
そのまま夕方まで自室で過ごしククルの様子を見に行った。
「ハナ、どうだい」
「アイザック様、お昼過ぎに一度起きられましたが今はおやすみ中です。」
「そうか、次に目を覚ましたら呼びにきてくれるか。前に街の医者にこの子は人より魔力が高いから一定量を毎日使う様に言われててそれは熱を出していてもやらなくてはならないんだ。起きたタイミングで終わらせたいから声を掛けてくれ」
「かしこまりました。」
その後、ランサンを呼び事情を説明。空の魔石を準備してもらう。
ちょうど夕食が終わる頃、ハナが呼びにきたのでククルの部屋に向かう。
「ククル、魔力をこっちに移してくれ」
「はーい」
大きめの石を2個、片手づつに持たせる。ククルはゆるゆる魔力を流してゆく。
4つの魔石が充電できた。これくらいで大丈夫だろう。
「もう良いか」
「もう、要らない」
そのまままた、ゴロゴロ寝出すククル。
「ククル、食事にしようか。何も食べないのはダメだ。」
「ゔー、じゃあ玉子粥」
またまたハナが慌てて厨房に行った。
「少し下がったが、薬のおかげかな。これ位なら明日には大方下がりそうだな」
「毎回毎回、ごめん」
「構わんよ。今回は嗾しかけた俺にも責任があるから。明日は青のギルドの件で中央にいくから日中は留守にしてる。大人しくしてるんだぞ」
「はーい。分かりました」
それからお粥を食べて薬を飲んで眠る事にした。
翌日、朝の時点で随分マシだ。ハナに言って朝食は食堂に行く事にした。
「あれ、アイザックおはよう」
「おう、おはよう。もう起きても大丈夫か」
「うん、随分ましになったよ。でも今日は部屋で一日中大人しくしてるよ」
「そうしろ。何かあったらハナに直ぐ言うんだぞ」
何度も念を押された。今日は一日読書をしようと部屋に戻る前に書籍に寄って何冊が持ち出した。
部屋で読書をしているとハナが昼食のサンドイッチを持ってきてくれた。
「いただきます」
出された分がかなり多いのでハナにも座ってもらい一緒に食べた。最初は抵抗していたが1人では寂しいとしょんぼりしたら席に着いてくれた。
「ごちそうさま。お腹一杯」
「ククル様は少食ですよね。もうよろしいのでしたらまずはお昼寝してくださいませ」
本を取り上げられてベットに押し込まれた。
「起きたら続きを読むから置いといてね」
念押ししてお昼寝した。
2時間程して起き出し、ハナを呼ぶ。
ミックスジュースを持って来てくれた。
それからアイザックが戻るまでの時間読書に励んだ。
「ククル、ただいま。調子はどうだい」
「あ、アイザックおかえり。もうすっかり元気だよ」
「そうか。今話出来るか」
そう言いつつ青のギルドの事を教えてくれた。
どうやら一部の職員がしでかした事らしく対象者は捕獲、処分されたとか。先日の買取分の差額を支払いたいからギルドに来て欲しいとの事だ。どちらにせよ王都にいる間は中央が買取するから其方に持って来たら良いとの事だ。
「わかった。明日いく?」
「そうだな。そうしようか。」
「じゃあ、ついでに薬屋も行きたいな」
「それなんだがマーサスが薬師ギルドを紹介すると言ってたから一度中央に行くか」
明日、青と中央に行く事が決まり念の為と今日も早く寝る事にした。
しおりを挟む
感想 125

あなたにおすすめの小説

アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活

ゼウママ
ファンタジー
50歳目前、突然異世界生活が始まる事に。原因は良く聞く神様のミス。私の身にこんな事が起こるなんて…。 「ごめんなさい!もう戻る事も出来ないから、この世界で楽しく過ごして下さい。」と、言われたのでゆっくり生活をする事にした。 現役看護婦の私のゆっくりとしたどたばた異世界生活が始まった。 ゆっくり更新です。はじめての投稿です。 誤字、脱字等有りましたらご指摘下さい。

領主にならないとダメかなぁ。冒険者が良いんです本当は。

さっちさん
ファンタジー
アズベリー領のミーナはとある事情により両親と旅をしてきた。 しかし、事故で両親を亡くし、実は領主だった両親の意志を幼いながらに受け継ぐため、一人旅を続ける事に。 7歳になると同時に叔父様を通して王都を拠点に領地の事ととある事情の為に学園に通い、知識と情報を得る様に言われた。 ミーナも仕方なく、王都に向かい、コレからの事を叔父と話をしようと動き出したところから始まります。 ★作品を読んでくださった方ありがとうございます。不定期投稿とはなりますが一生懸命進めていく予定です。 皆様応援よろしくお願いします

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~

イノナかノかワズ
ファンタジー
 助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。  *話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。  *他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。  *頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。  *無断転載、無断翻訳を禁止します。   小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。 カクヨムにても公開しています。 更新は不定期です。

チート幼女とSSSランク冒険者

紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】 三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が 過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。 神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。 目を開けると日本人の男女の顔があった。 転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・ 他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・ 転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。 そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語 ※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

女神の代わりに異世界漫遊  ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~

大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。 麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。 使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。 厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒! 忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪ 13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください! 最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^ ※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!  (なかなかお返事書けなくてごめんなさい) ※小説家になろう様にも投稿しています

処理中です...