転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん

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旅立ち

23.

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「さあ、ククル行くぞ」
アイザック曰く防具はつけといた方が良いとの事なのでいつものスタイルで訓練場にいく。アイザックも防具を着けている。
「そんなに本格的なの」
「あぁ、特に兄さんが容赦無しだからな。絶対、模擬戦に誘われるぞ。良い訓練だと思ってやってみたらどうだ」
「そうなんだ。雷落としても大丈夫かな」
「あ、それな、こないだ冒険者に落とした位の強さならアイツは大丈夫だと思うぞ。誘われたらちゃんと魔法ありにしてやるから試してみな」
それならちょっとは相手して貰えるかもと期待してみた。
訓練場に到着するとカイザーが待ち構えている。
周りの大人はアイザックから私の事を聞いているからかニコニコ見守っている。
「よし、ククル俺が相手してやる」
「はぁ、いいよ。ルールは?」
そこでゴーライク様からルールについて説明があった。場外に落ちたら負け、次の一手が致命傷になる時も負け、後は審判の判断だ。武器は模擬戦用を使用する。実は親子以外に領主の騎士団もいるのだ。
とりあえずは昨日から煩いカイザーの相手が先らしい。一つだけ条件をつける事にした。
「ゴーライク様、一つ条件があります」
「お、なんだ言ってみろ」
「この勝負は一回きりの今回限りにしてください。二度と無いと約束して欲しいです」
絶対に何回も言ってくる。ましてや子供対戦なのでギリギリまでは攻めさせてもらえない。恐らく審判の判断で撃ち合う事もなく一撃で決まるだろう。いちゃもん付けてやり直しは面倒だから嫌だ。
「わかった。やり直しも無し、今回限りとしよう。分かったなカイザー」
「さては俺に勝てないから逃げるんだな。ふん、意気地なしが」
なんとでも言ってろ。心の中で呟いた。
そこから武器を選ぶ。私は一番得意な短剣にした。
「そんなんで俺の相手するとか巫山戯てるのか」
カイザーは少し長くかんじる長剣をもち文句を言っている。
無視してやった。
「両者準備は良いか」
審判はゴーライク様が努めてくれる。
「「はい」」
「それでは始め」
掛け声と同時に高く跳躍し、カイザーの後にまわり首を取った。
「止め」
「「「「「おぉっ」」」」」
一瞬で勝負が決まった。
「なんだ、そんなの勝負じゃない、巫山戯るな」
怒り心頭のカイザーが斬りかかって来たので剣を足蹴りにし弾いてやった。
「カイザー、勝負がついてるのに何をしてる。止めないか」
タニットさんが止めに入ろうとしたのをアイザックが静止した。
「兄さん、ククルに任せておけ」
頭に血が昇ったまんま突っ込んで来たのでそのまま場外に投げ飛ばした。
「お前、どんだけ常識ないんだ。真剣ならとっくに死んでるぞ。馬鹿にするのもいい加減にしろ」
場外に投げ飛ばされて起き上がったところを思いっきり罵倒した。
「あんなの勝負じゃない。やり直しだ」
まだ、負け惜しみを言っている。
カイザーにゴーライク様が怒鳴った。
「いい加減にしろ。決められたルールも守れない奴が。ここではそんな甘えは通用せん。状況も相手の力量もわからん奴が。タニットももっとしっかり教育しろ」
「はっ、申し訳ございません。ククルも申し訳無い。その位にしといてやってくれ」
「分かりました。しかし、本人からの謝罪がありません。そこはキッチリして頂かないと」
「カイザー、ちゃんと謝罪しろ。誰が見てもお前が悪い」
「なんで俺が謝らなければならないのですか」
「いい加減にしろ」
とうとうタニットから拳骨が落ちた。
「そんなに分からないなら何を思い上がってるのか端に寄って考えろ。訓練の参加は禁止だ」
訓練場の端に引き摺られていったのでほっとく事にした。
「ほんとにすまないね。ククルは落ち着いて対応してくれているのに年上のアイツは全くわかってない。」
「タニットさんに謝って貰っても仕方が無いので良いですよ。」
「本当にしっかりした子だ。ちょっとは見習って欲しいよ」
タニットさんをまあまあとアイザックが宥めてくれて漸く落ち着いた。
そこからは久しぶりに三兄弟が揃って居るからと兄弟対決となった。
気を取り直したタニットさんが名案だと言わんばかりに此方に話を振ってくる。
「ククル、お詫びと言ってはなんだが俺が稽古の相手になろう。いつもは俺が弟2人を相手にする事が多いのだが折角だしどうだい」
あー、アイザックの言ってたのはこう言う事か。
「そうですね、、、実力に差があり過ぎると思うのですが、、、そうだ、魔法ありでも良いですか」
「ククルは魔法も使えるのか、なら構わないぞ。その代わり此方も魔法を使っても良いかな」
アイザックをチラッと見ると頷いているので了承した。
「じゃあ兄さん、僕が防御結界をはるよ」
ヤルバルトが申し出てくれた。
「俺も手伝うよ」
アイザックが付け足す。
「そんなに頑丈にしなくてもタニットの魔法位大丈夫じゃないか」
ゴーライク様が不思議そうに話して居るが念の為とアイザックが説明した。
そうしてタニット様対私の模擬戦が行われる事になった。
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