転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん

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旅立ち

20.

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「ククル、起きれるか。そろそろ夕食の時間だが」
アイザックに起こされて眠たい身体を起こす。
「起きれる。大丈夫。」
そろそろ食堂に移動すると説明してくれた。
食堂に移動するとゴーライク様とナタリア様が席についていた。
「少しは休憩出来たか」
「はい、ありがとうございます」
ナタリア様の横にアイザックが座りその横に私の席が用意されていた。
続いて男性が2人食堂に現れる。
「おかえりアイザック、其方が客人かな。はじめましてアイザックの兄のタニットだ」
「兄さんおかえり、はじめまして弟のヤルバルトです」
「はじめましてククルです」
「兄さん、ヤルバルトご無沙汰してます」
アイザックの兄弟だ。
全員揃ったので食事が開始となった
「ククルにはちょっと量が多いかい。残したら良いよ」
アイザックが気を遣ってくれる。
旅の話や兄弟の話で食事中は賑やかに時間ぎ過ぎていった。食後、サロンに移りアイザックが真剣な眼差しでゴーライク様に向き直った。
そこからは私と出会った経過や前後に起こった物事を説明して行く。ゴーライク様も難しい顔で黙って聞いていた。
「そんな事があったのか。ククル、息子を助けてくれてありがとう。偶然にせよそれで救われた命だ。アイザックの気が済むまで一緒に旅を続けてくれたらよいし、なんならこの街に滞在してくれても構わない。その年で旅をしているということは君にもなんらかの事情があるのだろう。精々アイザックをつきあわせたら良いぞ」
「ありがとうございます。こちらの方が本当に助かってます。お言葉に甘えさせて貰います」
「そうよ。タニットやヤルバルトがいるからアイザックが家を開けていても何も問題はないのですから気にしないでね」
「兄さんで間に合わないなら此方も力になるから」
「アイザックでは頼りないかも知れないがよろしくな」
みんなが次々に申し出てくれる。ありがたい話だ。
「はい、本当にありがとうございます。しばらくは一緒に旅をしてもらう予定なのでよろしくお願いしますね」
しばらくすると兄弟達は先に退室、続いてナタリア様も退室した。
「ククル、眠たいかい」
「さっきお昼寝したのでまだ、大丈夫ですよ」
「そしたら父さんにククルの身元の手掛かりになるものを一度見てもらいたいのだが見せてくれるかい」
「わかりました。ただ、それが明らかになったからと言って特にどうにかしようとかは考えてませんので」
そう言いつつ指輪を収納から取り出した。
「これです」
アイザックに見せたのも初めてだ。
「父さんこれで何かわかるか」
暫く指輪をみていたゴーライク様がおそらく何処かの家紋だと思うから一度調べてみると言ってくれた。
指輪を返してもらい夜も遅いからとアイザックの部屋に戻った。
「アイザック、色々ありがとうございます。」
色んな意味を含めてお礼を伝えると頭を撫でられた。
「気にするな」
その後、従魔達に囲まれて就寝した。

「よく寝た」
朝になって目を覚ますとアイザックの姿が無かった。
とりあえず着替えて廊下に出ると使用人の女性がいた。
「おはようございます。お目覚めですか。朝食の準備が整ってますよ」
「おはようございます。ありがとうございます。ところでアイザックはどこに」
「先程食堂に向かわれましたよ」
私も食堂に行く事にした。
「おはようございます」
「ククル、おはよう。疲れてるかと思って起こさなかったが早かったな」
アイザックは丁度食事が終わったところのようで私も頂く事にした。
「ククルの食べる量に合わせてもらう様頼んどいたから」
「ありがとうです。残すのも申し訳ないので助かります」
とりあえず食事を済ませて今日の予定を決める。
「とりあえずはギルドだな」
街に来るまでにポーションを作り溜めした分を卸してしまいたい。
2人でギルドに向かった

「すいません。ポーションの買取お願いします」
受付でカードを見せて話をすると小部屋に案内された。
暫く待っていると1人の男性が入ってきた。
「お待たせしました。カタカタのギルドのサブマスでランドンといいます。サラから連絡を貰ってますよ。早速見せて頂けますか」
どうやら話を通してくれてるみたいなのでありがたい。収納からポーションを30本取り出してお願いした。
「中々良質なポーションでこちらとしても助かります」
ちゃんと買取してもらえるみたいでホッとした。

「こちらこそありがとうございます」
ポーションの件が片付いたのでクエストボードを一応確認する。
今は祭前のせいか祭に関する依頼が大半をしめている。
特にこれといって無いのでギルドを後にした。
それからはアイザックが街を案内してくれるとのことであちこち観光した。
屋台で昼食を済ませて店先を覗きながらウロウロしる。
夕食の時間も近付いて来たので屋敷に帰ることにした。
今日は一日楽しかった。
明日は外の森に連れて行ってくれる。
初めてのことが多くて落ち着かない気持ちもある。
でも、折角なので楽しむ事にした。
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