転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん

文字の大きさ
20 / 207
旅立ち

20.

しおりを挟む
「ククル、起きれるか。そろそろ夕食の時間だが」
アイザックに起こされて眠たい身体を起こす。
「起きれる。大丈夫。」
そろそろ食堂に移動すると説明してくれた。
食堂に移動するとゴーライク様とナタリア様が席についていた。
「少しは休憩出来たか」
「はい、ありがとうございます」
ナタリア様の横にアイザックが座りその横に私の席が用意されていた。
続いて男性が2人食堂に現れる。
「おかえりアイザック、其方が客人かな。はじめましてアイザックの兄のタニットだ」
「兄さんおかえり、はじめまして弟のヤルバルトです」
「はじめましてククルです」
「兄さん、ヤルバルトご無沙汰してます」
アイザックの兄弟だ。
全員揃ったので食事が開始となった
「ククルにはちょっと量が多いかい。残したら良いよ」
アイザックが気を遣ってくれる。
旅の話や兄弟の話で食事中は賑やかに時間ぎ過ぎていった。食後、サロンに移りアイザックが真剣な眼差しでゴーライク様に向き直った。
そこからは私と出会った経過や前後に起こった物事を説明して行く。ゴーライク様も難しい顔で黙って聞いていた。
「そんな事があったのか。ククル、息子を助けてくれてありがとう。偶然にせよそれで救われた命だ。アイザックの気が済むまで一緒に旅を続けてくれたらよいし、なんならこの街に滞在してくれても構わない。その年で旅をしているということは君にもなんらかの事情があるのだろう。精々アイザックをつきあわせたら良いぞ」
「ありがとうございます。こちらの方が本当に助かってます。お言葉に甘えさせて貰います」
「そうよ。タニットやヤルバルトがいるからアイザックが家を開けていても何も問題はないのですから気にしないでね」
「兄さんで間に合わないなら此方も力になるから」
「アイザックでは頼りないかも知れないがよろしくな」
みんなが次々に申し出てくれる。ありがたい話だ。
「はい、本当にありがとうございます。しばらくは一緒に旅をしてもらう予定なのでよろしくお願いしますね」
しばらくすると兄弟達は先に退室、続いてナタリア様も退室した。
「ククル、眠たいかい」
「さっきお昼寝したのでまだ、大丈夫ですよ」
「そしたら父さんにククルの身元の手掛かりになるものを一度見てもらいたいのだが見せてくれるかい」
「わかりました。ただ、それが明らかになったからと言って特にどうにかしようとかは考えてませんので」
そう言いつつ指輪を収納から取り出した。
「これです」
アイザックに見せたのも初めてだ。
「父さんこれで何かわかるか」
暫く指輪をみていたゴーライク様がおそらく何処かの家紋だと思うから一度調べてみると言ってくれた。
指輪を返してもらい夜も遅いからとアイザックの部屋に戻った。
「アイザック、色々ありがとうございます。」
色んな意味を含めてお礼を伝えると頭を撫でられた。
「気にするな」
その後、従魔達に囲まれて就寝した。

「よく寝た」
朝になって目を覚ますとアイザックの姿が無かった。
とりあえず着替えて廊下に出ると使用人の女性がいた。
「おはようございます。お目覚めですか。朝食の準備が整ってますよ」
「おはようございます。ありがとうございます。ところでアイザックはどこに」
「先程食堂に向かわれましたよ」
私も食堂に行く事にした。
「おはようございます」
「ククル、おはよう。疲れてるかと思って起こさなかったが早かったな」
アイザックは丁度食事が終わったところのようで私も頂く事にした。
「ククルの食べる量に合わせてもらう様頼んどいたから」
「ありがとうです。残すのも申し訳ないので助かります」
とりあえず食事を済ませて今日の予定を決める。
「とりあえずはギルドだな」
街に来るまでにポーションを作り溜めした分を卸してしまいたい。
2人でギルドに向かった

「すいません。ポーションの買取お願いします」
受付でカードを見せて話をすると小部屋に案内された。
暫く待っていると1人の男性が入ってきた。
「お待たせしました。カタカタのギルドのサブマスでランドンといいます。サラから連絡を貰ってますよ。早速見せて頂けますか」
どうやら話を通してくれてるみたいなのでありがたい。収納からポーションを30本取り出してお願いした。
「中々良質なポーションでこちらとしても助かります」
ちゃんと買取してもらえるみたいでホッとした。

「こちらこそありがとうございます」
ポーションの件が片付いたのでクエストボードを一応確認する。
今は祭前のせいか祭に関する依頼が大半をしめている。
特にこれといって無いのでギルドを後にした。
それからはアイザックが街を案内してくれるとのことであちこち観光した。
屋台で昼食を済ませて店先を覗きながらウロウロしる。
夕食の時間も近付いて来たので屋敷に帰ることにした。
今日は一日楽しかった。
明日は外の森に連れて行ってくれる。
初めてのことが多くて落ち着かない気持ちもある。
でも、折角なので楽しむ事にした。
しおりを挟む
感想 133

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい? とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。 犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

貧乏育ちの私が転生したらお姫様になっていましたが、貧乏王国だったのでスローライフをしながらお金を稼ぐべく姫が自らキリキリ働きます!

Levi
ファンタジー
前世は日本で超絶貧乏家庭に育った美樹は、ひょんなことから異世界で覚醒。そして姫として生まれ変わっているのを知ったけど、その国は超絶貧乏王国。 美樹は貧乏生活でのノウハウで王国を救おうと心に決めた! ※エブリスタさん版をベースに、一部少し文字を足したり引いたり直したりしています

転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~

結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』 『小さいな』 『…やっと…逢えた』 『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』 『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』 地球とは別の世界、異世界“パレス”。 ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。 しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。 神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。 その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。 しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。 原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。 その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。 生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。 初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。 阿鼻叫喚のパレスの神界。 次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。 これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。 家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待! *:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈ 小説家になろう様でも連載中です。 第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます! よろしくお願い致します( . .)" *:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

処理中です...