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旅立ち

15.

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ふふふんっ。
今日はご機嫌に薬の調合だ。アイザックはくれぐれも魔力量に気をつける様言いつけて今日は出かけている。
1人ご機嫌に作業をすすめる。
腹痛の薬、頭痛の薬、痛み止め、風邪薬と順番に作った。
どうやら一回分の材料で15個が基準みたいだ。
今日新たに4種類と昨日作った熱覚ましの合計5種類が完成した。
続いてポーションを作成する。
こちらは結構な魔力量を使うので慎重に一種類ずつ作っていった。
3種類目を作り終わったところで身体のダルさを感じたので製作を終了する。
「これ以上やったらまたアイザックに怒られそうだわ」
一人ぶつぶつ言いながら道具を片付けているとアイザックが帰って来た。
「何か言ったか」
「うわぁ、ビックリした。おかえり。なんでも無いよ」
ドキドキしながら今日の出来栄えを説明する。
「随分沢山作ったな。明日はまた、薬屋か?」
「とりあえず一度見てもらいたいかな。後はギルドにもいきたいな」
明日の予定を話すると了承してくれた。
アイザックの方はと尋ねると昔の馴染みにあっていたらしく依頼に誘われたとか。事情を軽く説明し、明日返事をする事になったらしい。
「ククル、依頼はどうする?」
「判断はアイザックに任せるよ。私ではわかんない」
結局、私も一緒にとの条件付きにする事にしたみたいだ。明日、夕食を一緒に食べに行くからついてこいと言われた。

翌日、先ずは薬屋に行く。
こないだ同様、出来栄えを確認してもらいオッケーを貰った。ついでに買取してくれるとの事で手元に少しづつ残して買い取ってもらう。
次にギルドに向かった。受付でサブマスを呼んでもらうと笑顔で迎えられた。
「いらっしゃい。彼方で伺いますね」
小部屋に通されてお茶を勧められる。
お菓子も頂いたのでポーションを出してから食べ始めた。
「あら、また可愛らしい従魔が増えたわね」
目敏くモコを見つけると次々に鑑定を終わらしていく。
「終わったわよ。良いできね。ククルちゃんは一度にどれくらい作れるのかしら」
モコに手をのばしながらサラさんに聞いてくるのでモコを差し出して昨日調合した数を伝える。
「思ったよりも魔力量が多そうね。一度ステータス確認してみたら」
言われたのでステータスを開いてみる。

名前ククル
冒険者ギルド ランクC
パーティ 黒銀
冒険者ギルド登録調合師
年齢5
レベル1→20
HP150→400
MP450→3500
体力15→30
魔力75→125
知力80→103
俊敏50→62
運 70→95
属性 全属性
スキル 無限収納 テイム 料理 マップ 調合(中級) 鑑定(極) 薬師(初級)
従魔 プル(ミニスライム)
   シルバー(バトルホース)
   シッコク(バトルホース)
   ガル(ホワイトパンサー)
   モコ(リス魔獣)
所持金 10760540G
称号 小さな救世主

色々上がっていた。
これは高いのか低いのかもよくわからない。悩んでいるとアイザックの声がした
「何か分からないのか」
仕方が無いのでアイザックにも見てもらった。私が見せたいと思うと見せれる様だ。
「、、、」
アイザックにしては珍しく呆けている。
「レベルは年の割には高いと思うぞ。俺のを見せてやる」

名前アイザック・ワグリアナ
冒険者ギルド ランクA
パーティ 黒銀
年齢23
レベル78
HP2752
MP575
体力128
魔力81
知力117
俊敏135
運 88
属性 水属性 火属性 風属性 
スキル 剣術 気配察知 俊敏 料理 収納(大) マップ 鑑定(中)
所持金 31529640G
称号 孤独狼 ククルの保護者

称号がツッコミどころ満載だがとりあえずそれは置いといてもHPと体力、俊敏がすごい。呆けてしまった。
「俺のよりもククルの魔力がどうなってるのか良くわかるだろ」
確かに異常な位魔力が高い。
「ククルちゃん、もし差し支えなければ魔力について教えてもらえるかしら」
サラさんの申し出をアイザックに確認すると頷いたので答えた。
「MPが3500の魔力が125です」
「成る程ね。でもその割にはポーションを作れる数が少ないわね。ちょっと見てあげるわ。材料は待ち合わせてる?」
「はい、持ってます」
「じゃあ、一度なんでも良いから作ってみて」
私は言われた通りポーションを調合した。
「随分魔力の使い方に無駄が多いわね。誰かに習ったの?」
「いえ、独学です。そんなに無駄が多いですか?」
「本来なら今の10%位の魔力量で同じ質のものが出来るはずよ。一度私の調合を見せてあげるわね」
サラさんの作業を見せて貰うと身体が勝手に覚えてくれたのがわかる。
「もう一度見てもらえますか」
再度サラさんに調合を見てもらった。仕上がった物を鑑定してくれる。
「あら、一度で覚えるなんて流石ね。上出来よ。後は回数をこなせば物に出来るわ」
ちょっと魔力の使い方を見せて貰うだけでこんなにも簡単に習得出来るのが自分でもすごいと思う
「わかりました。ありがとうございます」
「でも、こんな簡単に習得できる人は中々いないわ。貴女の特異体質なのかも知れないけれどくれぐれも他所では注意が必要よ。気をつけなさいね」
ありがたいお言葉にお礼を言って買取のお金をカードに入れてもらいギルドを後にした。
宿に戻って先に夕食を済ませて部屋に移動した。
「さて、ククル先ずは先程のステータスの話だな」
やっぱりか。あれから特に何も言わないから気付かないフリをしていたがそうはいかない様だ。
「はい、なんでしょう」
「魔力も規格外だが俺が気になったのは知力だな。普通の5歳児なら大体35から高くても50までだ。それから無限収納に鑑定の極だ。まず収納は無限になる事はない。スキルを極まで上げるとなるとかなりの経験が必要だ。別に全部話せとは言わないがもしもの事を考えて隠蔽は必要だと思うぞ。やり方はわかるか」
分からないと答えると説明してくれた。とりあえず、自分よりレベルが高くて同じ鑑定(極)だとステータスを覗かれる可能性がある為隠蔽はしておいた方が良いとの事。隠蔽を破るのはかなり難しいのと破ろうとすると判るらしいのでかけておく方が良いと教えられた。
特に深くは追及してこないのが有難いが何もかも隠したままもこの先どうかなと考える。
私は5歳までの記憶は一切ない事、実は前世の記憶が多少はある事、遠い親戚がいる事、それについては殆ど手掛かりがない事など支障のない程度に話した。
「そうか。どうする。親戚は探すか。前世の記憶とはどの程度のものなんだ」
「親戚については何かのついでにもし居たのなら考えます。一応家紋の様な物はわかっているのですが今は考えたく無いので。で前世の記憶ですが38歳で死んだ事は覚えてます。ただ、ぼやっとしかわかってないというかなんというか」
「成る程。だから知力が高いのかもな。時々前世の記憶もちは生まれる事があるらしく一定の年齢までは知力が高めになるらしい。これでなんとなく違和感を覚えいたのがしっくりいったな。後、俺のステータスをみて気付いたはずだが見ての通り貴族籍を所有している。正直特に役にも立たないし普段は隠蔽してるか周りからはこっちが言わない限り気付かれる事もない。ククルも家紋がと言うことは恐らく貴族籍があるはずだがそれも今は良いのだな。まぁ、この話はこれくらいにしておくか」
まだ、聞きたいことがあるとは思うけどここは知らないで通してくれる様だ。ありがたい反応に感謝する。
結局のところ明日から特にかわるでもなく今まで通りに過ごすからとの事だ。
つくづくありがたいと感じたのだった。
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