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1章
12.
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ライラ団長に私の事を話した。話を聞いた団長は目を丸くする。かなり驚いた様だ。
「私がアズベリー公爵を継いでいるのはかなりの機密事項です。くれぐれも他言無用でお願いします。呼び方や接し方も平民のミーナとして扱ってください。」
無言でライラが頷いた。
「では、改めて明日の事を打ち合わせますか。」
アルトが仕切り直し、明日の計画を相談する。段取りとしては、まず、騎士団については基本的に外で待機してもらう。中に入るのは各騎士団から2名と決まった。つぎに此方側はアルト、私が中に潜入する。入口さえ知っていたら特に入場を拒まれる事はないらしい。私とアルトで開催者の紹介どきに現行犯で拘束予定。途中で帰っていく参加者については外で待機している騎士達が協力して拘束してくれる。まあまあ、大掛かりな捕獲になりそうだ。
予測では違法奴隷売買の会場に領主がいると踏んでいる。一緒に潜入する騎士達は二手に分かれてもらい、協力してもらう。領主館の地下にもう一箇所入口がある事がわかったので此方は取引開始時間早々に団長が押さえてくれる。
二人の団長は私が中に入る事に反対のようだが知った事ではない。
とりあえずある程度の流れは決まった。潜入開始は12時と決まった
「奴隷として捕らえられた子供達の保護を優先的にお願いします。」
私と同じ位の子供も多いはず。なんとしても助けてあげたい。
明日現地集合という事で今日は解散となった。
夜、ベットに潜りふと考える。明日の捕物は失敗出来ない。最低でも領主は捕らえない。うちの領土に手出ししようとしていた事もだが、幼い子供を捕らえて商品にするなんて邪道で許せない。
フツフツと怒りが湧くが今はとりあえず寝る事にする。
翌日、朝目が覚めてからまずは食事だ。食堂に降りていくと先に降りていたアルト達と合流する。挨拶をして席に着いた。朝食は軽めにパンと野菜たっぷりスープだ。
「ミーナ、食事が終わった、準備に取り掛かるぞ。今日、お前は貴族令嬢になりすまして貰わないといけないからな。マリアにしっかり着飾って貰え。少しは見れる様にしてもらうんだぞ。なんせ男の子と間違えられた位だからな。」
アルトが意地悪だ。
ぷぅと頬を膨らませて抗議をするとプスッとほっぺを摘まれた。
一応今日のために叔父さんの屋敷から貴族的な服は持ってきた。マリアは昔、メイドをしていたそうなので任せて着せてもらう事にした。
「マリアさん、よろしくお願いします。」
男どもには出て行ってもらい、着替える。武器は収納にあるのでダミーの鞄をもって髪を結ってもらう。
「それなりの格好をすると流石ね。ミーナちゃん。何処から見ても令嬢に見えるわよ。」
マリアが感心する。
私は鏡の前でチェックする。おかしな所はなさそうだ。久しぶりのワンピースは少し動きにくい。仕方がない。足元はダンジョンブーツなので問題は無いのだがスカートの裾が邪魔だ。アルトとロトが部屋に入ってきた。
「馬子にも衣装だな」
ロトがニヤニヤこちらに向かいながら近づいて来たのでとりあえず脛蹴りをお見舞いした。
「思ったより動きやすいわ。」
蹴りが決まったので私はご機嫌。ロトは蹲っているが知らない。このまま宿を出ては目立つので上から外套を羽織り出発だ。アルトも貴族らしい服装に着替えている。此方も様になっている。
歩いて集会所に向かう。途中でロト、マリアと別れいよいよ潜入だ。
アルトに手を引かれ地下へと降り立った。
入口に見張りらしき人が居たが私達の服装を見て特に引き留める事はなかった。
中に入った所で他の4人の姿を確認する。私達は目配せをし、会場へと足を進めた。
違法奴隷の会場、ステージでは次々に子供が商品として紹介されている。ムカつきながらも早る気持ちを押さえ成り行きを見守る。
その時はきた。ステージの袖からペストリア領主が現れた。主催の挨拶を終えたところを騎士4人がステージに上がり取り押さえた。私達も続いて上がる。
「ペストリア領主、闇取引と違法奴隷売買の現行犯で捕獲する。抵抗せず、大人しくしろ。」
抵抗するなと言われてしない悪党はいない。いかにもな人相の者が襲い掛かってきた。アルトは難なく交わし意識を刈り取る。参加者も慌てて逃げていくが此れは外の人達に任せよう。悪党の数人が子供な私がいる事に気付き、此方に向かってきた。
「拘束Lv5」
馬鹿だ。此方に向かってきた全員が床に倒れた。騎士の一人がすぐに縄をかける。他の悪党達もアルトによって意識を刈られ縄が掛けられた。総数、13名というところだ。
アルトと二人、騎士に抑えられてる領主の元へ行く。
「ワシはここの領主だぞ。知っていての無礼か。貴様らワシに対する不敬、訴えてやる。名乗れ」
抑えていた騎士達が一瞬怯むが間髪いれずにアルトが言い放つ。
「私はナタリア伯爵が次男、アルト・ナタリアだ。貴方の行いは陛下より御言葉を承っての事。大人しく、此方の指示に従って頂きます。」
「何が陛下の御言葉だ。そんな戯言、陛下への不敬と見做す。騎士殿、ワシでなく、奴の行いこそ、王への国への不敬罪となりますぞ。其方を引っ捕らえるべきだろう。」
未だ領主を抑えてはいるものの少し挙動不審になっている騎士達。往生際が悪い。アルトの袖を引っ張り後へ促す。
「では、私が出ましょうか。」
不適に微笑み領主の前にでる。
「お前みたいなガキに用はない。一緒に捕らえるぞ」
かなり強気だ。では、此方も容赦なくいくとする。
「誰が話して良いといった。無礼な。貴方に名乗るのも面倒でしたが余りの横柄な態度は見過ごすことができませんわ。アズベリー領主、ミーナ・リュー・アズベリーの名を持ってペストリア領主を捕らえ王都へ連行する。直ちに拘束し、連れて行け」
「「はっ」」
一瞬、何かを言おうとしたが、諦めた様で俯いたまま引きづられていった
はぁ、疲れた。結局、この名を使うしかなかったのが残念だがなんとか解決するだろう。後々、噂にならなければ良いが。さぁ、もうひと仕事。外の事を片付けるとしますか。
「ミーナ、ご苦労様。結局こうなってしまったな。仕方がないが。外の連中はそこまでしなくとも大丈夫だと思うから任せとけ。とりあえず、後少しだけ頑張れ。」
項垂れていたら、アルトに慰められた。
揃って外に出ると20名程の参加者が拘束されており、団長2人が近づいてきた。
「お疲れ様です。其方も終わった様ですね。此方も逃す事なく捕らえました。保護した子供達は今、領主館にいます。其方に向かいますか。」
頷いてみんなで領主館へと向かった。
屋敷に着くとロトが出迎えてくれた。
「今、マリアを子供達の側に置いている。健康状態は観ている限り大丈夫そうだ。みんな、精神的には疲れた様子ではあるが虐待された様子も無い。全部で8人の子供がいるが、話をするか?」
その為に来たのだから当然と言わんばかりに頷き、中へと入った。
屋敷の使用人達も今は事情聴取を順番に受けている。その横をすり抜け、子供達のいる応接室へと向かった。
「マリア、入っても良い?」
扉の前で声を掛けると中から開けてくれた。
「入るならミーナだけが良いかな。まだ、子供達が大人の男性を怖がるから他が入ると恐らく話が真面にできないわ。」
そう言われては他の人が入れないので私だけ入室した。
「こんにちは。怪我はないかしら。無事に救出されて早々で申し訳ないのだけれど少し話がしたいの。良いかしら。」
子供達は無言で頷く。
私は順番に話を聞く事にした。
「まず、最初にみんなに質問よ。帰るところがちゃんと分かっている子は手を挙げて。」
5人が挙手した。
「じゃあ、貴方達はお家に送って行く準備をするから隣の部屋でマリアさん、此方の女性に話をしてくれるかしら。マリアさん、何処の出身が聞き出して騎士達に手配お願いします。」
「わかったわ。じゃあ、5人は此方においで。お茶でも飲みながらお話ししましょう。」
隣の部屋へ連れて行ってくれた。さあ、残りの3人は私の仕事だ。
「私がアズベリー公爵を継いでいるのはかなりの機密事項です。くれぐれも他言無用でお願いします。呼び方や接し方も平民のミーナとして扱ってください。」
無言でライラが頷いた。
「では、改めて明日の事を打ち合わせますか。」
アルトが仕切り直し、明日の計画を相談する。段取りとしては、まず、騎士団については基本的に外で待機してもらう。中に入るのは各騎士団から2名と決まった。つぎに此方側はアルト、私が中に潜入する。入口さえ知っていたら特に入場を拒まれる事はないらしい。私とアルトで開催者の紹介どきに現行犯で拘束予定。途中で帰っていく参加者については外で待機している騎士達が協力して拘束してくれる。まあまあ、大掛かりな捕獲になりそうだ。
予測では違法奴隷売買の会場に領主がいると踏んでいる。一緒に潜入する騎士達は二手に分かれてもらい、協力してもらう。領主館の地下にもう一箇所入口がある事がわかったので此方は取引開始時間早々に団長が押さえてくれる。
二人の団長は私が中に入る事に反対のようだが知った事ではない。
とりあえずある程度の流れは決まった。潜入開始は12時と決まった
「奴隷として捕らえられた子供達の保護を優先的にお願いします。」
私と同じ位の子供も多いはず。なんとしても助けてあげたい。
明日現地集合という事で今日は解散となった。
夜、ベットに潜りふと考える。明日の捕物は失敗出来ない。最低でも領主は捕らえない。うちの領土に手出ししようとしていた事もだが、幼い子供を捕らえて商品にするなんて邪道で許せない。
フツフツと怒りが湧くが今はとりあえず寝る事にする。
翌日、朝目が覚めてからまずは食事だ。食堂に降りていくと先に降りていたアルト達と合流する。挨拶をして席に着いた。朝食は軽めにパンと野菜たっぷりスープだ。
「ミーナ、食事が終わった、準備に取り掛かるぞ。今日、お前は貴族令嬢になりすまして貰わないといけないからな。マリアにしっかり着飾って貰え。少しは見れる様にしてもらうんだぞ。なんせ男の子と間違えられた位だからな。」
アルトが意地悪だ。
ぷぅと頬を膨らませて抗議をするとプスッとほっぺを摘まれた。
一応今日のために叔父さんの屋敷から貴族的な服は持ってきた。マリアは昔、メイドをしていたそうなので任せて着せてもらう事にした。
「マリアさん、よろしくお願いします。」
男どもには出て行ってもらい、着替える。武器は収納にあるのでダミーの鞄をもって髪を結ってもらう。
「それなりの格好をすると流石ね。ミーナちゃん。何処から見ても令嬢に見えるわよ。」
マリアが感心する。
私は鏡の前でチェックする。おかしな所はなさそうだ。久しぶりのワンピースは少し動きにくい。仕方がない。足元はダンジョンブーツなので問題は無いのだがスカートの裾が邪魔だ。アルトとロトが部屋に入ってきた。
「馬子にも衣装だな」
ロトがニヤニヤこちらに向かいながら近づいて来たのでとりあえず脛蹴りをお見舞いした。
「思ったより動きやすいわ。」
蹴りが決まったので私はご機嫌。ロトは蹲っているが知らない。このまま宿を出ては目立つので上から外套を羽織り出発だ。アルトも貴族らしい服装に着替えている。此方も様になっている。
歩いて集会所に向かう。途中でロト、マリアと別れいよいよ潜入だ。
アルトに手を引かれ地下へと降り立った。
入口に見張りらしき人が居たが私達の服装を見て特に引き留める事はなかった。
中に入った所で他の4人の姿を確認する。私達は目配せをし、会場へと足を進めた。
違法奴隷の会場、ステージでは次々に子供が商品として紹介されている。ムカつきながらも早る気持ちを押さえ成り行きを見守る。
その時はきた。ステージの袖からペストリア領主が現れた。主催の挨拶を終えたところを騎士4人がステージに上がり取り押さえた。私達も続いて上がる。
「ペストリア領主、闇取引と違法奴隷売買の現行犯で捕獲する。抵抗せず、大人しくしろ。」
抵抗するなと言われてしない悪党はいない。いかにもな人相の者が襲い掛かってきた。アルトは難なく交わし意識を刈り取る。参加者も慌てて逃げていくが此れは外の人達に任せよう。悪党の数人が子供な私がいる事に気付き、此方に向かってきた。
「拘束Lv5」
馬鹿だ。此方に向かってきた全員が床に倒れた。騎士の一人がすぐに縄をかける。他の悪党達もアルトによって意識を刈られ縄が掛けられた。総数、13名というところだ。
アルトと二人、騎士に抑えられてる領主の元へ行く。
「ワシはここの領主だぞ。知っていての無礼か。貴様らワシに対する不敬、訴えてやる。名乗れ」
抑えていた騎士達が一瞬怯むが間髪いれずにアルトが言い放つ。
「私はナタリア伯爵が次男、アルト・ナタリアだ。貴方の行いは陛下より御言葉を承っての事。大人しく、此方の指示に従って頂きます。」
「何が陛下の御言葉だ。そんな戯言、陛下への不敬と見做す。騎士殿、ワシでなく、奴の行いこそ、王への国への不敬罪となりますぞ。其方を引っ捕らえるべきだろう。」
未だ領主を抑えてはいるものの少し挙動不審になっている騎士達。往生際が悪い。アルトの袖を引っ張り後へ促す。
「では、私が出ましょうか。」
不適に微笑み領主の前にでる。
「お前みたいなガキに用はない。一緒に捕らえるぞ」
かなり強気だ。では、此方も容赦なくいくとする。
「誰が話して良いといった。無礼な。貴方に名乗るのも面倒でしたが余りの横柄な態度は見過ごすことができませんわ。アズベリー領主、ミーナ・リュー・アズベリーの名を持ってペストリア領主を捕らえ王都へ連行する。直ちに拘束し、連れて行け」
「「はっ」」
一瞬、何かを言おうとしたが、諦めた様で俯いたまま引きづられていった
はぁ、疲れた。結局、この名を使うしかなかったのが残念だがなんとか解決するだろう。後々、噂にならなければ良いが。さぁ、もうひと仕事。外の事を片付けるとしますか。
「ミーナ、ご苦労様。結局こうなってしまったな。仕方がないが。外の連中はそこまでしなくとも大丈夫だと思うから任せとけ。とりあえず、後少しだけ頑張れ。」
項垂れていたら、アルトに慰められた。
揃って外に出ると20名程の参加者が拘束されており、団長2人が近づいてきた。
「お疲れ様です。其方も終わった様ですね。此方も逃す事なく捕らえました。保護した子供達は今、領主館にいます。其方に向かいますか。」
頷いてみんなで領主館へと向かった。
屋敷に着くとロトが出迎えてくれた。
「今、マリアを子供達の側に置いている。健康状態は観ている限り大丈夫そうだ。みんな、精神的には疲れた様子ではあるが虐待された様子も無い。全部で8人の子供がいるが、話をするか?」
その為に来たのだから当然と言わんばかりに頷き、中へと入った。
屋敷の使用人達も今は事情聴取を順番に受けている。その横をすり抜け、子供達のいる応接室へと向かった。
「マリア、入っても良い?」
扉の前で声を掛けると中から開けてくれた。
「入るならミーナだけが良いかな。まだ、子供達が大人の男性を怖がるから他が入ると恐らく話が真面にできないわ。」
そう言われては他の人が入れないので私だけ入室した。
「こんにちは。怪我はないかしら。無事に救出されて早々で申し訳ないのだけれど少し話がしたいの。良いかしら。」
子供達は無言で頷く。
私は順番に話を聞く事にした。
「まず、最初にみんなに質問よ。帰るところがちゃんと分かっている子は手を挙げて。」
5人が挙手した。
「じゃあ、貴方達はお家に送って行く準備をするから隣の部屋でマリアさん、此方の女性に話をしてくれるかしら。マリアさん、何処の出身が聞き出して騎士達に手配お願いします。」
「わかったわ。じゃあ、5人は此方においで。お茶でも飲みながらお話ししましょう。」
隣の部屋へ連れて行ってくれた。さあ、残りの3人は私の仕事だ。
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