幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。

みっちゃん

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第2部 その2 幼馴染み達が魔王達に驚くが別にどうでもいい

第二十三話 脆い心

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レプリカの暇つぶしにより、その人生を奪われた名前も知らない町の人々

その罪なき者達を操りクロス達を襲わせた

ラフそしてイヴ、彼らもまたこの世界の、いやレプリカの被害者だ

そして、それを殺したのは..........

————————————————————

ザァァァァァァァァ.......

突如降り出した雨に濡れ、クロス達は洞窟の中に逃げ込んでいた。

クロス「うう~寒ぶ」ブルッ

フローズ「まさかいきなり降るなんてぇ」

ミク「本当それよね、セシルお願い」

セシル「はいはい、"ファイヤ"」ボッ

メミル「あーあったかい」ぬくぬく

馬を入り口近くに止め5人は少し奥に進み服を乾かしながらセシルの魔法で火を起こした。

クロス「.....魔王城までは後どれくらいで着く?」

フローズ「えーと、そうねえ、これで見ると、このままのペースで行けば、後10日ぐらいかな?」

ミク「随分進んだわね」

メミル「たしかに魔物もそこそこ強くなったしね」

セシル「私達も最初の頃と比べてだいぶ強くなったよね」

確かにもの凄い勢いで成長している、多分もうそろそろで1ヵ月が経とうとしている、その1ヵ月でここまで成長しているのは単に職業のお陰だろう、しかし

クロス「だからと言って慢心はしないでくれよ?例え強くなったとしてもまだ俺達に追いついていないのだから」

フローズ「まぁでも、最短コースを選んで馬で走りっぱなしの中出会した魔物だけしか戦ってないからね、仕方ないよ」

確かに、本来であれば少しずつ強くなっていき、レプリカに戦いを挑む予定だった、クロスとフローズも力がまだ完全に戻っていないことも含めてそうするべきだが

クロス(彼奴にはそれは通用しない)

相手は神だ、しかも自身の力を人間に与え意のままに操る、下手をすれば旅の途中で命を落とす可能性が高くなる、それをゆっくりやっていき、もしレプリカが飽きて本気で殺しに来たら最早勝算はない

フローズ(ゆっくり行くより急いで行った方が、彼奴も待ってくれている)

レプリカの事は前世の記憶により多少は知っている2人だが、彼の本当に考えている事は分からず、それにより苦渋を味わった

クロス(この選択も合っているかどうか分からない、だが、このまま行って果たして勝ち目はあるのか?)

英雄武装により生身の状態で半分、つまり5割の力は戻った、しかし前世の事を考えると絶望的な状況だ、決して喜ばしい事ではない。

ザァァァァァァァァ........

雨の音が更に大きくなる、当分の間は止まないだろう。

クロス「.............」

フローズ「..................」

ミク「...................」

メミル「...................」

セシル「..................」

話が続かない、ほんの数日前まではこの間も楽しく笑えていた、だが、レプリカによって町は滅び、そして救えないとは言え、2人の人を殺したのだ。

人というのは残酷でこの様なことがあっても早い人なら数日で立ち直る

しかし、彼らはそうはならず、ただただ己の無力さを痛感していた。

パチパチパチパチ

火がよく燃える音と雨の音だけがこの空間を満たす

クロス「.........なんか、懐かしいなこれ」

フローズ「..........そうね、こんな事もあったわね」

唐突に話し出す2人、多分この状況を変えようとしたのだろう、ふと思い出した事を話した

ミク「......また、前世の話?」

クロス「..........まぁな」

メミル「フローズ様が言いたくないと言っていたから聞かなかったけど、聞いてもいいかしら?」

セシル「私も知りたい、勿論無理にとは言わないけど」

ミク達は王城にいた頃に前世の事を聞いたことがある、しかし国王にも言ったのと同じで話したくないと言って無理に聞かなかったのだ。

クロス「フローズ、いいか?」

フローズ「本当は嫌だけど、この空気の中をずっといるのは、耐えられないから...いいわよ」

そう言ってフローズは許可を出す

クロス「ありがとう、それじゃあ話しますか」

————————————————————
クロス「.....とまぁ、そんな感じだ」

ミク「..........」

メミル「..........」

セシル「..........」

最初の方は、クロスの事を主に話しており、それまでの人生の辛さを、そして中盤から最後までは2人の出会いと冒険、そして新たなる仲間と共にレプリカに挑んだ、誰も知らない名もなき英雄達の物語だった。

クロス「俺達が4人で旅をしていた時も、こんなことが起きていたんだ」

何処か懐かしそうに、何処か悲しそうに話し続ける

クロス「世界を救う!と意気込んで努力はしたけど、やっぱり今の様に救えなかった命が多くあるんだ」

そしてクロスは天井を見上げながら話す

クロス「そうなると、例えそれが俺たちの所為じゃなくても、"もしかしたら"救えたかもしれないって思っちゃうんだ」

クロス「救えた町でゆっくりしないで、いつも通りすれば"もしかしたら"救えたかもしれない。
旅の途中で道に迷わなければ"もしかしたら"救えたかもしれない
相手の選択じゃなくて自分の選択を選んでいたら"もしかしたら"救えたかもしれない
...................てな」

クロス「そうやって、決して覆ることのない過去に、己の選んだ選択に後悔して、そしてその心に押しつぶされない様にいつの間にか心に大きな鎖をつけてしまったんだ」

そしてクロスは顔を戻して胸を掴む

クロス「例え救えなかったとしても、次の犠牲者を出さないためにも行動しなきゃいけない時がある、その為に1時の感情を封印するんだ」

クロス「そうすることによって、己自身の罪悪感から逃れ、救えた国や町、村があった.........でもな」

クロス「人間てのは脆いんだ」

ミク達は黙って話を聞く

クロス「例え心を封印してもほんのふとした小さな切っ掛けで解除されてしまう時がある、そのせいで大切な人を傷付けてしまった事もある」

そう言ってクロスはフローズを見る
フローズは何も言わなかった、ただ近くに寄って手を握っただけだ、言葉で大丈夫と言っても、本人がそれを受け入れなければ意味がない、多分今でもクロスは自分自身が許せないのだろう

クロス「だからこそ、今回は俺もそうだが、ミク、メミル、セシル、お前達も.........無理はしないでくれ、頼む」

クロス「.......俺はもう、同じ苦しみを味合わせたくないんだ」

そう言ってクロスは話を終わらす

ミク「クロス......」

メミル「クロス」

セシル「義兄さん」

クロス「..........」

全てを話した、そしてそれを全て聞いたミクはニコッと笑って言った

ミク「だったら、クロス、笑って?」

クロス「え?」

ミクはクロスを抱きしめて言った

ミク「クロスだって、今もずっと無理してる、心を封印しかけている、だったらあたし達もしないから、クロスも....ね?」

クロス「ミク」

メミル「そうね、ウジウジしてても何も変わらない、だったら前に進むしかないわね」

クロス「メミル」

セシル「確かに私達は救えなかった、でも、イヴは言っていました"仇を取って"とだったらその意思を背負って前に行きましょう」

クロス「セシル」

クロス「お前ら本当に成長したな、..........あんな束縛の激しいヤベェ奴らだったのにw」ククッ

ミク「ちょっ!それはないでしょ!」

メミル「仕方ないでしょ!あんたって以外とモテるから取られるのが嫌だったの!」

セシル「義兄さんが私達の家族になったのが悪い!」

クロス「なんだと!」

フローズ「.........フフッ久しぶりに皆んなで笑えたね」

そう言ってクロス達もクスッと笑って

クロス「そうだな」

ミク「なんか溜め込んでたのが一気に吐き出した感じね」

メミル「そうね、王城にいた時も似た様なことがあったわね」

セシル「婚約仮でしたっけ?その時もこんな感じでしたね」

フローズ「あら?そうだった?」

そしてまた笑い合った、これから先更なる悲劇が起きるかもしれない、それでも彼らは悔やむのではなく、その意思を背負って前に進もうと深く心に誓った

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わからない所、誤字脱字がございましたら可能な限り答えますのでよろしくお願いします。


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