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第2部 その1 幼馴染み達が冒険についてくるが別にどうでもいい

第十一話 悪夢再び

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深夜、クロス達は実家で食事をしていた。

メミル「んー!やっぱりクロスの手料理美味しい♪」

セシル「お母さんのも美味しいけど、久しぶりに義兄さんのも食べれるなんて」

ミク「あたしおかわり!!」すっ

フローズ「以下同文!」すっ

クロス「はいはい」

メミル達はマンルの金で高級料理店とか行っているはずなのに、あんなにも喜ぶなんて、なんだかこっちも恥ずかしいな

そうクロスは思いながらおかわりを渡す

クロス父「しかし本当に美味いな、食材は至って普通なのに」

クロス母「ええ、あの頃よりも更に上達してるわ」

ミク父「お前やギネさん(クロス母)のも美味しいけど、クロスのはまた違った美味さなんだよな」

ミク母「本当、結婚したらいい主夫なると思うわ」

フローズ「んじゃあ、私は食べる専門で!」おかわり!

クロス「お前はいつも食ってるだろが」はい

フローズ「お陰で太っちゃって、あんな目にあったんだからね!」おかわり!!

クロス「それは自業自得」ほい

ミク(物凄い勢いで食べてる!?)

メミル(だからあんなに作ったんだ)

セシル(3日分は作ってたような?)

クロス父(本当に王女様なのか?)

クロス母(あらまあ、あんなに美味しそうに食べてくれるとこっちも作りがいがあるわねぇ)

ミク父(大の男の俺達でも食えねーぞあの量)

ミク母(これはクロス胃袋掴んだわね)

フローズ「おかわり!!!」へっへっへ

クロス「はいはい」ほらよ

フローズ「~♪」物凄い早さでとても美味しそうに食べている

ミク達料理を作らない(または作れない)人達はただ食べるなぁと思っているが、
クロスと母、ミクの母は、その作り甲斐のある笑顔と食べっぷりを見てもっと餌付けしたいと思っていた

————————————————————
~夜の村~

クロス達は食事の片付けを手伝おうとしたが、

クロス母「それは私たちがやるから、あなた達はちょっと食後の運動がてら散歩でもしてきなさい」

ミク母「それが終わったら私たちの特製デザート食べさせてあげる」

そう言ってクロス達は外に出て夜空を眺めながらぶらぶらと歩いていた

フローズ「フー食べた食べたー!」満腹

クロス「相変わらず凄え食欲だな」

ミク「いつもこんなに食べてるの?」

クロス「いや、いつもはあと半分ぐらいで我慢しているよ」

メミル(あの量で半分でも十分すぎる)

セシル(本当どこにその量が入るのか気になるわ)

5人は広場の中央まで来ていた、そこは丁度勇者マンルによって起こったミク達の悲劇の始まりの場所でもあった。

クロス「ここで、ミク達は選ばれたんだな」

その言葉でミク達の表情は一気に暗くなる。

フローズ「ちょっとクロス!」

慌ててフローズが注意する.........しかし

クロス「いや、これは決別だ、その為に言う」

その言葉に疑問を持つフローズ、そしてこちらを見るミク達

フローズ「決別ってなによ?」

クロス「.........俺はミク達から逃げてた、ちゃんと向き合おうとしなかった」

それは、彼女達の束縛の事だろう

ミク「....っ....それは逃げてなんか....」

クロス「いや、例えお前達に何かされようとも心から向き合って言えばよかったんだ、そうすればこんな気持ちにならずに済んだ」

メミル「こんな気持ち?」

クロス「ああ、俺には2つの記憶がある、前世の俺とお前達と暮らしてきた俺の記憶」

彼女達はフローズに前世の話を聞いていて、その辛さやお互いを想いやってる事も知っている
でもそれは"前世"であって"今"ではない

クロス「前世の俺は間違いなくフローズの事を愛しているそれは間違いない...ただ」

そう言ってミク達に向き直る

クロス「お前達と過ごしたこの世界の俺は、やっぱりお前達の事が好きなようだ」

その言葉に驚くミク達、そして涙を溢す

クロス「これは前にも言ったような気がするけど、改めて言う」

その次の言葉にミク達は耳を傾ける

クロス「お前達とは汚れてなんていない、あの頃のままだ、ただちょっと寄り道をしただけだ、だからこれからも俺の側にいてくれ」

クロス「こんな優柔不断な男で良ければ、だけど」

その言葉を聞いてミク達は嬉しさのあまり涙が止まらなくなった。
それでも嗚咽を零しながら、彼女達はクロスを見て言う

"こちらこそ、ずっと側にいてください"

フローズ「あのーわーたーしーはー!」

クロス「勿論、俺と一緒にいてくれ、....てか、こうなるようにお前仕向けたろ?」

フローズ「えへへバレた?」

クロス「当たり前だ、どんだけ一緒にいると思う」

フローズ「だって、彼女達可哀想だったんだもん」

クロス「だもんてお前な」

フローズ「同じ男性を愛している者同士、仲良くしたいし、あのまま別れたらあの屑の思う壺じゃん」

確かにマンルが狙っていたのは恋人や婚約者がいる女性だ、あのままだとマンルに壊れた関係を見て嘲笑う、あの屑の思う壺だ

クロス「それもそうだな」

フローズ「でも私、負けないから♪」チュ

唐突にキスをするフローズ、その姿を見て泣いていた彼女達が一斉に声を出す

ミク「ああ!なんて事するのよー!」

メミル「私だってまだキスした事ないのにーー!」

セシル「ずるい!私も!」

フローズ「フフッだーめ♪これは私の特権です!」ドヤァ

ミク「でも、あたしは一緒にお風呂入っことあるもん!」

フローズ「............は?」ギリッ

クロス「ちょ、痛い痛い」

フローズ「クロスとどう言う事?ちゃんと説明して?」ハイライトオフ

クロス「いや....これは」

メミル「それなら私も入った事あるわよ?」

フローズ「............」

セシル「そ...それなら私だって!」

フローズ「1回死ね」

クロス「小さい頃だから!小さい頃に無理矢理入って来ただけだから!」

ミク「え?つい1年前まで一緒に入ったじゃん?」

フローズ「クロスーーー!!!!」ギリィッ

クロス「お前らいい加減しろー!」ぎゃぁぁぁぁぁ!!!

途中までは良かったが、唐突な爆弾発言で、このような事態になってしまった、どうにかしてこの状況を変えようと考えていると

???「おやおや、僕と言う婚約者がいながら、また浮気してたのかい?」

クロス達「!?」バッ!

すぐさま声のした方向に向き直り戦闘態勢に入る、あのような事をしていても一応は英雄と4職の職業の3人、武器はクロスとフローズの英雄の力でそれぞれに合った武器を渡す。

見事に連携の取れた形だった。

スタスタスタ

???「本当に忌まわしき力だね、その英雄とやらは」

暗くてよく見えないが、声ですぐわかる
しかしそれがいけなかったのか、彼女達はみるみると顔色が悪くなった

ミク「あ....ああ」

メミル「嘘だ...嘘だ」

セシル「嫌....いやぁ」

このままではまずいそう思ったクロスは喝を入れる

クロス「落ち着け!」

ビク!

ミク「.....クロス?」

クロス「俺とフローズで魔力の込めた指輪がある限り、大丈夫だ、俺を信じろ」

メミル「う....うん」

セシル「ありがとう、義兄さん」

そう言って深呼吸を落ち着きを取り戻す

フローズ「....流石ね、さて」ギロ

クロス「テメーを生かしておいたのが間違いだったか」

フローズ「死逃げなんてさせたくなかったけど、もういいわ私の友達を苦しめた貴方を今から地獄以上の苦しみを与えるから....!」

雲が晴れ月明かりが辺りを照らす

その姿はまさしくあの頃の姿

???「くくく、君を殺した後は彼女達とゆっくりと楽しむとするよ♪」

マンル「さあ、"あの方"の為にもここで決着をつけようじゃないか?...クロス!」

行方をくらましていた、堕ちし勇者...マンルだった。

————————————————————
???「くくく、さあ、あの人形が何処まで戦えるか実物だなぁ」

さあ、クロス、フローズ、存分に楽しんでくれ!





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