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最終章~勇者が残したもの~

第29話 聖教会の抱く疑問

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彼女達の目の輝きを取り戻してから数分後

???「どうやら無事に済んだようですね?」

自分達の方に近づいて来るさっきの人と違って男の人は歳は結構いっているふうに見える。

クロス「貴方は?」

神父「申し遅れました、私はここの神父を務めさせております、デンラと申します。」

神父「此度は私が出向いてお伺いするのが筋ですが、勇者が貴方様に負けたことが世界中に広まっているため、各国の聖教会の者達と今後の為に話し合っておりました。」

神父か、何故信者が案内していたのか不思議だったが、どうやら俺達のせいらしいな、すまない事をした。

クロス「話はわかった、だが、何故今ここに来た、ミク達と合わせるためだけなら貴方は別に来なくてもよかったのでは?」

神父「この国の王女様が来ていると聞きましてな、礼儀として挨拶にと思ったのと、」

そう言って少し間を置いて

神父「神託について少し話がしたく」

————————————————————
神託、それは信仰の強い者達の中に稀に神の声を聞ける者がいる、その者がお告げを聞き、それを女神の意思として教えていった。

今回の件も女神の神託によって生まれた悲劇だ

神父「それについて、少し違和感を覚えましてな」

フローズ「違和感?」

神父「はい」

信仰の強い神父ですら感じる違和感、
それは

神父「いくつかあるのですが、まず
1つ目は魔王についてです。」

魔王 魔物と呼ばれる動物と違った魔のモンスター、それを率いる魔の王、それが魔王だ、これにより古くから多くの人間が被害を受けた

勿論人間側も黙ってはいない、国は総力を上げて戦い、幾度なく勝って、そして負けていった。

そして戦力も限界に近くもうこれまでかと思った、しかし女神に選ばれし4人の
少年少女が仲間の傷を癒やし、力を与え、前線で活路を見いだした、
それが4職の職業であり、マンルやミク達がそれに選ばれたのだ。

神父「魔王は魔物を率いていますが、知性のある魔物、”魔族”をも統率しています。」

魔物の中には突然変異で生まれる知性のある魔物が誕生することがある。

そいつら、他の魔物以上の力を持っており、時にはスライムが魔王と同等、もしくはそれ以上の力を持つこともあった。

魔王はそいつらを使い軍隊を作り効率よく人間と戦って来た。

神父「しかし、今回は1体も見当たらないのです。」

フローズ「.....!?」

そう魔物には知性がない、野生の動物に近く、統率して動いているときは
その上位種族か魔族と言った者達が
少なからず1体はいる

それがいないとなると、

クロス「魔物全体が知性を持ち始めたか、もしくは」

これは考えたくないが、

クロス「.........魔物を操る者が現れた、ということか」

神父「ええ、そういうことです。」

クロス.フローズ
「...................」

考えたくない、もし魔物を操る者がいるとするならば、心当たりがあるからだ

だが、それは前世の話、あいつが生きているはずがない
しかし、英雄の力が目覚めたとなると、可能性が出てくる。

そうやって2人は考えていると不意に

神父「話を進めてもよろしいでしょうか?」

2人は慌てて

フローズ「すいません、話の続きお願いします。」

まだ話は続いている、兎に角、今はその考えを後回しにして、神父の話を聞く。

神父「2つ目は声です」

クロス「声?」

神父「はい、どうやら過去に災害が起きた時、女神様の神託で何とかなったのですが、その時の声と此度の魔王、そして勇者の神託は全くの別人だったそうなんです」

クロス「全くの....」

フローズ「別人....?」

クロス「それは、気のせいだったとかではなく?」

神父「いえ、.....その者は長年ここで使えていました、そのため恩義もありますし信仰心もとても強いです。」

フローズ「その人が違うと言っていた......と?」

クロス(成る程、しかし声が違ったか、妙に引っかかるなぁ)

クロスはまた考えそうだったが、一旦頭の片隅に置いて話を聞く。

神父「その者曰く、最初に聞こえた声は長年伝えられている声とそっくりで慈愛に満ち溢れていて、勇者のときは、何か奥底に邪な感情を感じたと、言っていました。」

クロス「...........」

フローズ「...........」

疑問が少しずつ確証へと変わっていく、
何故、前世の記憶あるのか
何故、英雄の力があるのか
何故、"あいつらがいないのか"

神父「この話を聞く限り、
女神様は"2人"いると考えております」

成る程、だから魔族は動かないのか、
納得した

そうなると"2人"が心配だ、しかしそうなると....

そう考えていると隣にいたフローズが
どうやら同じことを考えていたようで

フローズ「私もいくわよ?」

クロス「え?」

フローズ「どうせ、私は王女だからとか考えていたんでしょうが、私はどこまでも貴方についていくわよ?」

そう言って手を繋ぐその手は冷たく、体は少し震えている、言葉ではそう強気でも、離れてしまうことを考えてしまい震えているのだろう。

クロスはその手を強く握りしめて言った

クロス「当然だろ?俺達はそう出来ている、たとえどんな地獄が待っていようと2人なら何処でもいけた、
そして彼女達も俺達を待っている、なのにお前を置いていくわけないだろう?」

フローズ「フフッそれもそうね♪」

どうやら安心したようだ。

さてと

クロス「神父さん」

神父「はい、何でしょう?」

クロス「さっき女神様が2人いるかもしれないと言っていましたね?」

神父「はい、言いましたが?...まさか何か知っているのですか?」

クロス「はい、知っています。」

それは前世の記憶を持っている俺達しか知らないこと、遥か昔、神が地上で人と共存していた時に起きた、悲劇によって生まれた最低最悪の神

その名は——-

フローズ「これから先は、嘘と思うかもしれませんが本当の話です。心して聞いてください。」

そして神父は俺達の話を聞く。

クロス「魔王が誕生したのを伝えたのは間違いなく、この世界の女神でしょう。」

神父「この世界?」

フローズ「はい、そして勇者を神託した女神は女神ではありません。」

神父「何ですと!?」

神父「........ふざけるなよ、ではなんだと言うのだ、そこまでいうのなら
その女神はいったい何なのだ!?」

それはそうだろう、彼らは女神を信仰している、その偽物が本物のふりをしているのだ怒るに決まっている

そしてクロスはその者の名を言う

クロス「その神、いや”神の力”を持つ者の名は”レプリカ”かつて俺達の世界を滅ぼした者だ」

偽神レプリカ

信仰心を失い、自分の住んでいた神殿を身勝手な理由で破壊され、人間に対する復讐心

そして最後まで信仰していた少女はその神を庇い、目の前で死んだ、
どんどんと信仰する信者いなくなる中、家が貧乏なのに毎日お供物をし、
その神が唯一心を許した少女、
その少女も他の者から暴力を受けていたらしく、
それでも笑顔を絶やさなかった少女に
その神は恋をしたその初恋とも言える少女は今、自分の目の前で息絶えた

憎い......憎い........憎い........憎い!!!

そしてその少女に自身の体と憑依させ生まれた存在

そこからその神は世界を破滅へと導いた、

しかしクロス達4人によって滅ぼされた。

しかし魂だけは残りこの世界の女神に取り憑いた、最初は下界を見ていて面白かったが、つまらなくなり、魔物を操り
停戦を破り襲わせた、そして人間のフリして魔族を殺して、魔族対人族の戦争を見て楽しんだ。

そして、それに飽きたら
今度は勇者を変えてみた、
いつも魔王は戦争反対しているけど
大事な家族を私が目の前で殺して
戦争させているから、
今度は勇者を屑にしてみようと、考えて"適当な村"を滅ぼして戦争の火種を作って
ちょうどいい奴を見つけて神託した

時折、意識を失いこの持ち主に、主導権を握られるが、なんとかしていた

しかしついにこの体から追い出された、
仕方ないから人型の魔物に憑依して
いつものように命令する

魔族は知性がある為レプリカの言うことを聞かない

しかし肝心の魔王はどこかに消えた。

そして、気づいているであろう4人に告げる

レプリカ「さぁ、"クロス"達今度こそ決着をつけようじゃありませんか!」

————————————————————
補足 レプリカとは?

クロスの村を滅ぼし、マンルを勇者にし戦争の元凶がレプリカ

彼女の目的は、復讐

身勝手な理由で大切な者を奪った人間に対する復讐

それはいつしか遊びとなり命を弄ぶ
神となった。

神の声が違うことについて

魔王を神託した時は本体が主導権を握り伝えた為、声が違った
また、それ以前は本体ではなくレプリカ自身がやっていた為2人の声を聞いた
人間が存在してしまった。

勇者神託の時は主導権を握られないようにそっちに集中していた為、人間に邪な気持ちが感知された。

また、本体が魔王を伝えたのは、その魔王が転生者だかられであり、同じ転生者に伝えたかったから。

————————————————————
わからないところやおかしな点がございましたらコメント等よろしくお願いします。

後、最終章で終わらそうか、第二部を作ろうか迷っています。
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