高校デビューを果たした幼馴染みが俺を裏切り、親友に全てを奪われるまで

みっちゃん

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外伝 皆んなその後

その8 憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い

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その7でサトル達が去った後 if
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サユ「…何が終わったの?」

心の中にドス黒い感情が湧き上がってくるのがわかる、彼らに向けた事がない初めての感情だ

サユ「私はまだ救われてないんだよ?」

この苦しみがいつ終わるかなんてわからないのに、2人は幸せそうに歩いている

サユ「私が死んだって、私は生きているのに」

俺達の知ってるサユは死んだ?じゃあ今の自分はなんだ?
偽物か?コピーか?双子か?

サユ「私は私だよ」

なのに彼らはそれを理解しない
そもそもの話

サユ「こんな風になったのはサトル君達の所為じゃん」

チサトが最初っから助けてくれれば、こんな事にはならなかった…つまり

サユ「逆寝取られ…って事?」

チサトはサトルを自分から寝取る為に助けなかった、彼氏が苦しんでいるところを救いのヒーローみたいに助けて自分(チサト)に惚れさせる為に

サユ「ノリオ君達はもう連絡取れないし、ミアシタちゃんもアユミちゃんも何処にいるかわからないし」

ノリオは裏社会のソムリエに
アユミとミアシタは親に勘当され、行方不明になっているが、まともな生活を送れているわけがない

他の被害者達も、不倫がバレて離婚
慰謝料請求や親権を夫に取られ、養育費の為にまともな生活を送れず悲惨な生活をしている元人妻達や家庭崩壊に勘当、自殺に、強姦等

普通の生活は絶対に無理な地獄を味わっている

そいつらは自業自得だから気にはしないが
自分は違う

サユ「私は…寝取られたんだ」

ノリオ達の所為で自分の体は汚され
チサトの所為で自分の彼氏は寝取られた

サユ「…許さない」

自分の人生を滅茶苦茶にしたあの女を許す事はできない

サユ「私を見捨て、売ったあの女が…」

サユ「憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎いぃぃぃぃぃぃぃぃ」

絶対に許さない、自分が苦しんだ分、彼女も苦しむべきだ…

そう思った彼女はゴミ捨て場にある古びた包丁を見つけて、それを握りしめる

サユ「…………フフッ」

2人の背中を追いかけて、サユは急ぎ足で近づく

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サトル「本当、こんなオモチャで喜んじゃうんなんて、俺もまだまだ子供だな」

サトルはそう言って自分の首に付いているネックレスを見つめる

チサト「あたしもだよ、貴方との繋がりがあるって思うと…」

チサトもサトルと同じようにお揃いの指輪のネックレスを見る

それだけで心が温かくなり、とても嬉しくなり気分が上がる…

…だからだろう、後ろに近づいてくる人に気づけなかったのは

サユ「ァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

チサト「!?」

サトル「チサト!!」ガバッ

サトル「あぐっ!?」ブスッ

サユはチサトを目掛けて包丁を突き出し
チサトを殺そうとしたが、サトルはチサトを抱きしめて庇う、その所為でサトルは背中に包丁が刺さる

サトル「ゴボッ!?」ブシュー

包丁が抜かれ、血が噴き出る

チサト「さ…さと…る…?」

サトル「ち………さ…と」

咄嗟の事でチサトもサトルも何が起きたのか理解できない

サトル(背中が焼ける様に熱い、熱湯…か?いや…これは…)

あまりの熱さに熱湯をかけられたのかと思ったが、口からの吐血で理解する

チサト「サトル!…サトル!!…しっかりして!!!」

チサトが自分のマフラーでサトルを止血するが、血が止まらない

チサト「お願い!しっかりして!貴方がいないと…あたしは…あたしは…!!!」

涙を流しながら、必死に止血する
そんな言葉を聞きながら、サトルはチサトに
しがみつく

チサト「!?動いちゃだめ!血が…血が…!!!」

サトル「きゅ…救急…し…車…を…よ…呼んで…」

チサト「あ!そっ…そそそそそそっか…」

止血も大事だが、救急車を呼んだ方が確実に助かる可能性が高い

チサトは慌てて携帯を取り出して救急車を呼ぼうとした時

サユ「…何よそ見してるの?」

本当に迂闊だった、いつもの調子なら避ける事も反撃する事も可能だろう…しかし
サトルが刺され情緒不安定な状況の中
まともな判断が出来る筈もなく

チサト「アグっ!?」ブスッ

肩を刺され、携帯を落としてしまう

サユ「?」

画面がついてホーム画面が見える
そこには

サユ「…っ」バキッ

サトルとチサトが仲良く写っている写真だった
その事がとても腹が立ち、携帯を壊す

サユ「あんたさえ…」

サユはチサトを睨みつけながら、包丁をチサトに向ける

サユ「あんたさえいなければァァァァァァァァァ!!!!!」ブンッ

チサトは避けようとしたが、痛みで動きが遅れ、腹に刺さり、血が溢れ出る

チサト「ァァァァァァァァァァァ!!!!」

サトル「チサト……っ」

サトルも致命傷にはなってはいないが、致死量に達するのも時間の問題だ

チサト「ふざ…けんなぁ!!!」

血が出て、力が抜けるが必死に立ち上がり
サユにタックルする

サユ「ふぐ」ガンッ

壁に激突し、頭を打ったのかサユは気を失う

チサト「い…今のうちに…」

チサトは力を振り絞ってサトルを抱き抱える

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チサト「もしもし…救急…です…場所…は…」

サユから離れた場所でサトルの携帯で電話する、サトルのは顔ロックな為サトルの顔さえあれば誰でも開く事ができる

チサト「はい…お願い…します…」

悴(かじか)む手でなんとか電話をかけ、意識を失いながらなんとか要件を伝える事が出来た

チサト(…後は…助けが来るのを待つ…だけ…)

この時間帯は人通りもなく、誰とも会わなかった、大通りに行くのもありだが、体が言う事を聞かない

サトル「…寒い………」

2人とも出血の量がひどく、意識が朦朧としてきた

チサト「………」ギュ

寒さに耐えながらチサトはサトルの事を抱きしめる

チサトもそうだが、サトルも酷く冷えている

チサト「大丈夫…あたしが…いるから…」

目の前に映るのは愛しい人の姿
目に光が殆どなく、服も赤く染まっているが
チサトは気にしない

最早動く事すら出来ない程衰弱している状態で、チサトは酷く睡魔に襲われた

チサト(ねぇ、サトル…)

思い出すのは、2人で過ごした幸せな日々
時に喧嘩もしたし、その喧嘩で大怪我になりかけた事もあった

チサト(あたし、ずっと幸せだったよ?)

それでも2人で入れたのは、2人とも馬鹿で
どうしようもなくお互いが好きだったからだろう

次第に閉じていく瞼にサトルはこちらを見て…

サトル「ごめんな…俺のせいで…」

と謝った、サトルはチサトの胸に倒れ込む様に動き、チサトがそれを支える

チサト「良いのよ…あたしは…約束…したでしょ?」

ずっと側にいる、文字通りずっと

サトル「は…はは…はははは…」

サトルは乾いた声で笑い、ぐったりと項垂れ
それ以降何も言わなくなった

チサト「…あたしも…すぐ…いくよ…」

遠くから音が聞こえるが、それがなんなのか理解できない、多分救急車だろう

チサト「遅い…よ…馬鹿…」

手の感覚も、体の感覚も、全て無くなり
痛みも苦しみも、感じなくなった

隣にいる人ももう呼吸もしていない
なら、自分がこの世界に残る理由もない

チサト(今、いくね…)

そう言っているのかどうかすらわからないまま、チサトは最愛の人を見つめながら
そのまま瞼を閉じた

そしてその姿を包丁を持った女が高笑いしながら、まるで宝くじが一等当たったかの様に上機嫌で帰り、その姿を近隣に見られ

翌日、警察が事情聴取の為部屋に入ったら
周りに汚物を撒き散らしながら、自宅で首を吊っているのが見つかった

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バッドエンド編 完

リクエスト編はやる予定でしたが、思った以上に難航しているので、中止とさせて戴きます。






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