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最終章 高校生編 〜全てを失うまで〜

第40話 呆気ない終わり

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サユ「ねぇ!なんか言ったらどうなの!?」

サトル「なんか」

サユ「違うよ!私達に言う事があるでしょ!?」

サトル「喋るな屑が」

サユと再び会った時は心が少し揺らいだが、
目の前の醜い女を見るとその気も失せる

ノリオが崩れ落ち、精神崩壊している最中
サユはサトルに文句を言い続ける

サユ「私達の関係はどうなるの!?私は貴方のためにしたのに、こんな仕打ち酷いじゃない!」

昔のサユなら言わない口調だ、きっとノリオとの生活で自然とああなったのだろう
快楽に負け、身も心も捧げてしまったサユ…いや女は、数ヶ月前まで一緒にいた彼女ではなくなった

サトル「関係って…こんな事をして続くと思ってるの?」

最早未練なんてない、寧ろ哀れみしかない
こんな感じで快楽堕ちする人は漫画や小説の世界の人間だけだと思った

サユ「当たり前でしょ!だって愛し合っているんだから!」

どれだけ頭がお花畑なのだろうか?
寧ろ尊敬に値する

サトル「…昔俺がお前に電話した事があったよな?」

サユ「え?」

サトル「俺がお前に最後に電話したあの日だよ」

サユ「あの日って…いつよ?」

どうやら忘れているらしい、その事に呆れつつ話す

サトル「お前がノリオとカラオケに行った日だよ」

サユ「…あ」

思い出したのか、小さく言う
サトルはお構いなしに話し続ける

サトル「あの日、俺とチサトは見たんだよ、お前がノリオとホテルに向かう姿が」

サユ「………っ!?あ…あれは…」

サトル「その時俺はお前に電話した…そしてお前は俺を騙し、心を傷つけ、信頼を捨てた…醜い醜い雌豚に」

サユ「ち…違うの…あれは…」

サトル「あれは?なんだよ」

サユはなんとか罪から逃れようと必死に言い訳する、きっと"此奴なら簡単に騙せるだろう"と言う気持ちがあるのだろう

サユ「あれは、…そ…そう!ノリオ君が体調悪いからと言って…し…仕方なくホテルに行ったんだよ!」

サトル「俺と電話をしながら見つめ合い、終わった瞬間気持ち悪いキスをして仲良くホテルに行っていたのにか?」

サユ「そ…それはみ…みみ見間違いだよ、そうじゃなきゃサトル君を裏切る事になるじゃん」

見苦しいにも程がある程の言い訳だ
環境によって人は変わると言うが
まさかここまで間抜けになるほど変わるとは思いもしなかった

サユ「ね…ねぇ、今ならまだ間に合うから…ね?早く全て嘘だって言って…そしたら…こ…今度デートでもしよ、…そうすれば…きっと…も…元通りになるから…ね?」

そう言ってこちらに擦り寄ってくるサユを
サトルは

サトル「別れようか?正式に」

と冷たく言う

サユ「え?」

その言葉でサユは硬直する
訳がわからない、寧ろ何故別れないと思ったのだろうか?

サトル「え?って何だよ?浮気した、裏切った、薬も使った、親も絶対に反対するし、お前の親もこんな屑と暮らすのは無理だろうな」

サユの親には悪いが、こうなってしまったのはサトルのせいではない
ノリオと言う害虫もそうだが、それについて行ってしまった彼女もまた同じだ

サユ「ねぇ…なんだそんな酷い事を言うの?…私はただ…貴方と一緒にいたいだけなのに…」

チサト「ごちゃごちゃごちゃごちゃうるせぇなぁ!!!!!」グイッ

サユ「ウグッ」

サユがずっと見苦しい事を言い続けるので
チサトの堪忍袋の尾が切れてサユに掴みかかる

チサト「テメェが裏切ったからこうなったんだろ!くだらねぇ事をいちいち言うんじゃねぇ!」

サユ「くだらないって何よ!私はサトル君の彼女よ!部外者は黙って!」

チサト「ふざけんな!あんたが裏切ったからサトルは精神を病んだんだぞ!それに気づかず ずっとあの屑に股を開いていたテメェが何を言う!」

サユ「サトル君を守る為よ!サトル君の為にずっとやってきた事なの!」

サトル「気持ち悪い事を言うなよ」

サユ「え?」

チサトとサユの争いは平行線のままになりそうだったので、サトルが止める

サトル「お前は自分が好きなだけだろ?」

サユ「な…何を言って…」

サトル「"彼氏の為に自分を犠牲にする私は素晴らしい人間だ"とでも思われたいからそうやってるだけだろ?」

支離滅裂なサユの言動はこれで納得がいく

ノリオに詰め寄るのは
裏切られた悲劇のヒロイン

ノリオを庇うのは
健気なヒロイン

サトルを諭すのは
正義のヒロイン

サトルに別れようと言われ絶望するのは
可哀想なヒロイン

全部自分をヒロインにしたいが為のやり方だ
クラスで偶にいる
自分の都合が良いように動く女子の典型的な
屑女がやる事だ

自分に酔っている、今サトルの目の前にいるのはまさにそれだ

サトル「お前とまた話し合えば、もしかしたらあの頃に少しは戻るのかな?と心の何処かで思ってたけど」

そう言って間を置いて

サトル「今のお前に、なんの魅力も感じない、だから俺はお前と別れる」

そして と言ってサトルはチサトの手を掴み
こちらに抱き寄せる

サトル「ずっと支えてくれた、チサトと付き合う事にするから」

それを聞いたチサトはサユを見て ニヤっと
笑い、サトルと口づけをする

サユ「あ…ああ…ああああ…」

サユ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

頭を抱えながら 耳障りな声で発狂する

サトル「改めて、言うな」

チサト「…うん」

サトルはチサトの唇から離れるとチサトに顔を向けて話す

チサトは顔を赤らめ、サトルと向き合う

サユ「いや…嫌あ…イヤァ…」

涙を流し、膝から崩れ落ちる
そんな中サトルに手を伸ばすが、彼には届かない

サユ(なんで…なんでなの…私が何か悪いことした?…ただちょっと羽目を外しただけじゃん)

それがいけなかったと彼女はまだ理解出来ていない

サユ(浮気なんて男ならいくらでもするでしょ?なんで女はダメなの?体の関係って言っても、恋愛じゃないし、ただお互いに気持ちよくなるだけで終わるんだから自慰行為と変わんないよ)

浮気は人を変える
それはまさに彼女に当てはまる言葉だ

サユ(薬だって、すぐにやめられるのに
親にまでバラすなんて、サトル君酷すぎるよぉ)

薬に手を出したら最後止めることは出来ない
だから日本では法律で禁止されているのだ

サユ(ノリオ君と全然違う、優しくないし、
気持ち良くもない…なんで?なんで私はこんな目に遭うの?)

そんなサユの気持ちを無視して
サトルはチサトを
チサトはサトルと見つめ合い

サトル「俺を支えてくれてありがとう、これからも共に一緒の道を歩んで欲しい」

チサト「ふふ、それ告白じゃなくて
プロポーズじゃん」

サトル「ん?そうか?」

チサト「そうだよ」

サトル「別に俺はそれでも構わないけど?」

チサト「奇遇だね、あたしもだよ」

そう言って間を置いて

チサト「こちらこそ!浮気したら埋めるから!」

サトル「そんな事をすると思っているのか?」

そう答えて、いつもの様に笑う
彼女といると心が安らぐ、きっと依存している所もあるのだろう

彼女もそれを望んでいる、そうすれば彼は
絶対に裏切らないからだ
(勿論彼女も裏切るつもりはない)

そうして2人だけの世界に入る
…その光景を怨みつらみで見ているサユを他所に…

サユ「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!!!!!!!!!!!!!!!」

そう叫ぶが全てが遅い
彼女の想いは2度と彼らに届く事は無いのだから

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やっとサユ ザマァが書けましたぁ、
次はヒロシ達のザマァを書いて
ノリオの末路を書かなくては!



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