上 下
42 / 64
最終章 高校生編 〜全てを失うまで〜

第38話 最後の準備

しおりを挟む
~ボーリング場~

サトル達は廃墟となったボーリング場に足を運んだ

サトル「皆さんこんにちは、差し入れです」

挨拶と同時にチサト、フブキと一緒に買った
スイーツ店のケーキを持ってきた

ミヤビ「おいおい、あたいらにそんな事をしなくてもいいんだぜ?」

フブキ「いやー私も言ったんですけど、兄貴がどうしてもって言うんで(^◇^;)」

そんな事を言いつつ仲間は颯爽と現れて
ケーキを取っていく、見た目は恐ろしいが
やはり中身は普通の女性だ
そんな姿を見てサトルはクスッと笑う

「ああん?何笑ってんだよ?」ギロッ

恥ずかしいのか、相手と喧嘩をする時の
威圧感で話しかけてくる
サトルも多少慣れたのか、普通に答える

サトル「いえ、皆さんやはり綺麗だなって思いまして」

「え?」

サトル「そうやって美味しそうにケーキを食べる姿はどう見ても普通の女性の方です、勿論皆さんは私よりも頼りになりますし、かっこいいですが、その姿もまたいいなと思いまして」

そう言ってチサトの方を見る

チサト「つまりお前はそう言うギャップを持つあたしに惚れたって事?」

サトル「それも一つって事」

チサト「そう言う事にしといてやるよ」

サトル「しといてくれ」

「…………」

「あんたって実は女たらし?」

「チサトが惚れる理由わかるわぁ」

「コーヒー(ブラック)ない?」

反応はそれぞれだが、別段怒ることではないし、寧ろこんな人間もいるんだなっと改めて再認識した

ミヤビ「…たくよ、こんな良い男を裏切った女の気持ちがわからないよ」

そう言いながら、いちごケーキを片手で掴み食べる、行儀は悪いが、食べてくれるだけでありがたい

ミヤビ「んで、フブキ?」

フブキ「はい!」

ミヤビが一言名前を呼ぶとすぐさまミヤビの横に行くフブキ

ミヤビ「ネタは仕入れたんだろ?さっさと言いな」

フブキ「わかりました」

そう言うとフブキは先程サトルとチサトに
伝えた事をもう一度説明した

——————————————————————
~説明後~

フブキ「と、言うことです」

「ひでえな」

「女の敵じゃん」

「クズ変態過ぎる」

「殺してぇ」

沢山の女性と関係を作り、自身の子供を簡単に捨てるまさに外道
ミヤビは青筋を立てながら、怒りを抑える

ミヤビ「その薬の出元は?」

フブキ「はい、どうやら彼奴らの下っ端が勝手に行動しているらしいです」

ミヤビ「だろうな、あんな屑に渡せばすぐに足がつく、そもそも奴らは娘の為にその様な事に手を染めてなかったはずだ」

どうやらノリオが使っている薬の出元がわかっているようだ

サトル「…”奴ら?”それに娘ってのは…」

チサト「あたしも何がなんだがわからないのですが?」

チサトも知らない様で、サトル同様質問する
フブキはキョトンとしながらこちらを見つめる

フブキ「あれ?先輩知らないんすか?」

チサト「知らん」

「話してなかったっけ?」

「普通に忘れてたな」

「まぁ何事もなければ関わることなかったからね」

「いや、私も知らないんだけど?」

どうやら知ってる人と知らない人で分かれているそうだ、そのせいかざわめき始め、話が脱線しそうになり、ミヤビが咳で黙らす

ミヤビ「それに関しては済まなかった、多分知っているのは昔からいた仲間しか知らない筈だ」

そう言うと皆は周りの顔を見る、どうやらチサトの様な新人?のメンバーは知らない様だが、昔から(いそう)なメンバーは納得している

ミヤビ「これから説明する、一回しか言わないから黙って聞けよ?」

そう言うと先程までざわついていたのにも関わらず シーンと黙りこくってしまった

ミヤビ「チサト達には言わなかったが、あたいらはとあるヤクザと手を組んでいる」

衝撃の発言があるが、ミヤビが黙れと命令した為誰一人騒がなかった

ミヤビ「そいつらはこの一帯を取り仕切る者達だ、だが漫画の様な悪ではない、逆にこの街に薬が出回らない様にしてくれていた」

しかしと、付け加え

ミヤビ「下っ端がそれに反を為して、あのクソ野郎に渡していた可能性がある」

ミヤビの知っているそのヤクザ達は、そう言った物に一切手を出さない人達らしく
もしバレたりすれば、五体満足で帰る保証は無いほどだ

サトル「つまり、チサトの様にそう言った事を知らない、もしくはそれを良しと考えておらず、自分の勝手な判断でノリオに渡している…と?」

ミヤビ「確証はまだ無いが、多分な」

チサト「まだって…わかるんですか?」

ミヤビ「当たり前だ、裏社会を舐めるなよ?直ぐにボロが出るからな」

その言葉にサトルとチサトは息を呑んだ
しかし納得はする
フブキがあそこまで詳しく情報を得ていたのは、クラスメイトだけでなく、そう言うツテがあったからだろう

そんな社会に2人はいる
例え少しだとしても敵と見なされば、生きては帰れないだろう

ミヤビ「取り敢えず、そいつに連絡を入れる…フブキ!」

フブキ「はい!」スタッ

ミヤビ「すぐに連絡しな、部下の躾ぐらいしっかりとやれ…てな」

フブキ「了解しました!」

そう言うとフブキはスマートフォンを取り出し、何かをやっている

フブキ「もしもし?あー私です!」

サトル「…誰に電話しているんだ?」

チサト「…話からしてヤクザの誰かでしょ?」

そう話しているとフブキはどんどんと話を進めていた

フブキ「あー、やっぱりすか?めんどくさい事をしてくれますねぇ」

「………!!!………!?」

フブキ「んな事を言われましても、こちとらそちらのミスで被害にあってるんすけど?」

「………」

フブキ「ミヤビさんからの伝言?ありますよ?"部下の躾ぐらいしっかりやれ"…と」

「………」

フブキ「了解っす、んじゃあその男と関係者、取り引きしていた男はそちらで任せますので、動画…証拠をお願いしますね?」

「………!……!!!!」

「それじゃっす」ピ

話が終わったのだろう、フブキはスマートフォンをしまい、ミヤビの所へ行く

ミヤビ「んで、なんと?」

フブキ「はい、最初は信じませんでしたけど、こちらに被害が出た事を伝えたら、もし本当なら後始末はすると」

ミヤビ「サトルの人生を滅茶苦茶にしたクソ野郎は?」

フブキ「そいつも警察で終わらせる事はせず彼方でケリをつけるそうです」

ミヤビ「…それで動画を?」

フブキ「はい、そういうことです」

一通り話が終わると、ミヤビはサトルの方に顔を向け話す

ミヤビ「そう言う事だ、自分の手でやりたかったのなら済まなかったが、落とし前をつけるから屑男は無理そうだ」

サトル「いえ、別に大丈夫です、ただ…」

ミヤビ「ただ?」

サトル「他の被害者…いや、彼奴の性道具達はどうするんですか?」

サトルも覚悟は出来ている、きっと彼女達の末路は最悪だろう、例え警察に逮捕されようとも地獄のリハビリがあるし
フブキの話によればもう元には戻れないとも言っていた

ミヤビ「…そいつらは」

少し考えているとフブキが話す

フブキ「そいつらはネットに回します」

ミヤビ「ネット?」

フブキ「はい、所謂ハメ撮りがあるので、それをネットに公開して更に親類縁者に全ての動画を渡します」

フブキ「兄貴、薬に手を出した時点で彼女達もこちら側です、例え騙されたとしても、親に警察に相談しなかった時点で共犯なんですよ」

サトル「…ああ、わかってる」

サトル自身も覚悟の上だ、それに警察に突き渡して終わりなんていう生ぬるい事は
元から反対だった

サトル「やるからには徹底的に潰してくれ、それこそ後腐れなく」

よく寝取られ小説等では快楽に堕ちた女達と寝取った男が幸せになり
寝取られた男が不幸な人生になる話が多いが
サトルは思う

…そんな屑どもが成功する世の中は間違っていると

そして今サトルは小説の様な悲惨な寝取られをやられた…なら

まるで漫画の様な復讐もありだろ?…と

ミヤビ「さあ、明日から忙しくなるぞ?気合い入れていけ!」

「「「おう!」」」

明日、それがノリオ達の幸せの日々に終止符を打つ日になる事はまだノリオ達は知らない

——————————————————————
ザマァがうまく書けず悪戦苦闘中です
後、参考に読んでいる作品が辛すぎて心がヤバいです(^◇^;)







しおりを挟む
感想 161

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

メイドから母になりました 番外編

夕月 星夜
ファンタジー
メイドから母になりましたの番外編置き場になります リクエストなどもこちらです

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...