高校デビューを果たした幼馴染みが俺を裏切り、親友に全てを奪われるまで

みっちゃん

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最終章 高校生編 〜全てを失うまで〜

第30話 あたしが側にいるから

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サトル「…………」

この瞬間、時が止まった様に思えた
それ程までに今の衝撃はサトルを襲ったのだ

サトル(あ…ありのまま起こったことを説明するぜ、俺は今チサトを家に…まぁ今は俺の部屋だが、いて、いつもの様にプリントを渡しに来てくれた、けど…今チサトと俺の距離は0になって………)

やっと頭が追いつき、顔が熱くなる
それと同時に疑問が浮かぶ

サトル「今…なんて言ったんだ?」

コチコチコチ

と壁についてある時計が1秒1秒動く度に音がなり、それが部屋全体に響き渡る

チサト「…もう一度言わなきゃダメか?」

涙を流しながらサトルの方を見つめ続ける
そんな姿を見せられたら、そんな事言えるわけがない、その為サトルは別の質問をする

サトル「…いつからだ?」

この言葉だけで理解できるだろう、いつから好きになったのかだ、確かにチサトとは仲が良い、しかしそれは男女の関係ではなく
1人の友人としての話だ

チサト「………わからない、気がついたら…」

サトル「…そっ…か…」

そこからはお互いに口を開かず、再び沈黙が訪れる

チサト「…なぁ」

その沈黙を破ったのはチサトだった

サトル「…ああ」

2人ともぎこちなくなっている、それもその筈いきなり異性として好きっと言われたらいやでも意識してしまう。

チサト「…答えを聞きたいな………」

チサトはそう言いながら右手でサトルの左手を握る

サトル「ああ………」

サトルはそれを握り返しながら、申し訳なさそうに答える

サトル「…ごめん」

チサト「あ………」

そう言ってチサトから離れようとするが、
チサトは手を離さずそのまま…

サトル「………!?」

チサト「………」

サトルを抱きしめた
胸元にサトルの顔を置き頭を手で押さえて
ゆっくりと撫でる

サトルはその事に困惑していると
チサトは慈愛に満ちた目で話す

チサト「1番じゃなくて良い、2番でもいい…でも、今のお前を見ていると心が痛い、だからその穴埋めでも良い、あたしを…友人ではなく、1人の異性として見てくれ」

そう言って頭を撫でる
2人ともお互いの異性が放つ独特なフェロモンを嗅ぎながら、チサトは慰め
サトルは………

サトル「……ふ…つ…あ…ああ…」

必死に押さえていた涙を流しながらチサトを抱きしめ返していた

サトル「すまない…すまない………っっっっ」

チサト「いいさ、好きな人がこんなにも苦しんでいたんだ、そんな姿をあたしは見たくない」

そう言いながら強く抱きしめる、サトルはそのまま抱きしめ返して、しばらくの間
サトルはサユにやって壊された心を癒してもらった

——————————————————————
チサト「落ち着いたか?」

チサトはサトルの頭を撫でながら話しかける

サトル「…ああ、今は別の意味で落ち着かないけどな」

サトルは今更ながら、ことの重大さに気づいた

サトル「…………」ボソッ硬え

チサト「あ?」

サトル「あだだだだだだだだだだだ!!!!!」

今サトルはチサトの胸の中にいる、男子高校生なら誰でも羨ましがる光景だ
そんな中、サトルは足りない感触を率直にいい、チサトはアイアンクローをサトルに食らわしている

チサト「人が折角心配してたのにそれなんだ?それは?」

顔が見せられないほど恐ろしい顔になっているまるで般若の顔だ

サトル「ごめんなさい、許してください、命だけは、何でもしますから」

チサト「ん?今なんでもするって言ったよね?」

その言葉を聞いた瞬間、チサトはニヤッと笑う、その姿にサトルは冷や汗をかくが、この状態でどうにかできることではない

半ば諦めてサトルは答える

サトル「…ああ、言った」

チサト「じゃあさ、1つお願い…と言うかやって欲しい事があるんだよね」

そう言って顔をこちらに向けさせる、顔と顔との距離が近くチサトの甘い息が顔に当たる

サトル「な…なんだよ…」

碌なことではないと思うが一応聞く
そして次の瞬間サトルは驚愕する

チサト「…復讐…しない?」

サトル「復習?」

チサト「それ勉強の方」

どうやらやり返す方の復讐らしい
その事に驚きながらサトルはチサトに質問する

サトル「復讐って………誰に?」

チサト「勿論、サユ達だよ」

達となるとノリオ達の事も含まれるのだろう
しかし………

サトル「サユもするのか?」

あんなひどい事をされたが、まだ彼女の事が好きなのだ、だからこそ、今の言葉に疑問を持つ

チサト「ああ、このままだと悔しいだろ?」

確かにそうだ、とても悔しい、悔しいし、悲しいし、切ない、こんな事になったのはサユのせいだ

サトル「………暴力じゃないんだろうな?」

チサト「そんな事をすればあたし達は刑務所だよ?」

それは嫌だ、この歳で刑務所に入れば今後の就活に支障をきたす

サトル「………出来るのか?」

サトルはチサトにそう質問すると
チサトはコクリと頷く

チサト「あたしには他にも仲間がいる、そいつらと一緒に協力しないか?」

そう言ってチサトは提案してくる
それを聞いてサトルは

サトル「少し考えさせてくれ…だから…このまま…」

よほど気に入ったのかサトルは一向に離す気配がなかった

チサト「お前…実は甘えん坊だな?」

サトル「…うるせえ、こちとらサユが寝取られてもう精神がヤバいんだよ、こういうの出来るのお前しかいないんだよ」

そう言って涙を流しながらぶっきらぼうに答える、普段なら変態と叫んでどかして殴るが
最初にやったのはチサトの方だ、諦めるしかない

チサト「…なぁそろそろやめてくれないか?」

しかしこの状況でずっといるのはヤバいと感じ始めたチサトはサトルに提案する

サトル「…だな、今になって恥ずかしくなってきた」

そう言って離れる、

チサト「…………」

サトル「…なんだよ」

しかしチサトはある一点をずっと見ていた

チサト「…ネオマッシュストロングサイクロンジェットマッシュストロング砲が出来てるよ」

そう言ってサトルは下の方の見て
即座にポジションを直す

サトル「…なんで平気なの?」

チサト「心臓バクバクです」

そうには見えないがそうなのだろうと思い
サトルはチサトに礼を言う

サトル「…ありがとうな、お陰で気持ちが楽になったよ」

チサト「そ…」

チサトは照れ臭そうに顔をかく
その姿にドキッとするサトルだが、すぐに気持ちを切り替える

サトル「それでさ、さっきの事なんだけど」

チサト「…ああ、もう決まったのか?」

ついさっきチサトが話た復讐の件
実際はすぐに決まっていた
しかし彼女過ごしてきた思い出は確かに本物だ、そしてまだ彼女の事が好きなのも…

最初は本当に辛かった、部屋の中で布団に包まり、電気を消しずっと引きこもっていた
しかし彼女はそんな事も知らず楽しそうに
電話で話していたのだ、ここからなら声は
聞こえる しかもあっちは声がでかいので、
聞きたくなくても聞こえてしまうのだ

千年の恋も冷めると言うが、まさにその通りだ、そしてそんな中チサトがずっと支えてくれたのだ

拒絶しようとも、怒りをぶつけようとも
彼女はずっとそばにいてくれた

そんな彼女に今の彼が惹かれないわけがない
そして彼女もそれがずるい事だとわかっている

それでも彼女は思う、例えズルくても、
愛する人が苦しんでいたら助けたいと思うのが普通だと

サトル「…手伝ってくれるか?」

チサト「勿論だ…けど」

サトル「けど?」

だからこそ彼女はこの気を逃さない
ここで逃がせば次にその機会が来るかわからないからだ

チサト「そのかわり、あたしを1人の…女にしてくれ」

サトル「…え?ちょ…はぁ!?」

サトルは驚き、距離を取ろうとするが
すぐにチサトに捕まり、そのベットに押し倒される

チサト「…頼む…何か…繋がりが欲しいんだ
あたしとお前との…」

サトル「チサト…」

チサトの目には涙が溜まっており、その滴がサトルの顔に落ちる
そんな彼女を、自分を救おうとしてくれる
彼女をサトルは拒絶できるほどの器量はない

サトル「…俺で…良いのか?」

サトルは最後の確認をする、これが最後の
チャンスだ

チサト「…お前じゃなきゃ嫌だ、お前が…あたしは…欲しい」

サトル「…わかった…チサト…ありがとう」

チサト「ああ、これからもよろしくな」

そう言って2人は唇を合わせる
そして産まれたての姿となり、2人は1つとなった、何度も何度も求め合い
気がつけば、2時間が過ぎていた

——————————————————————

誤字脱字がありましたらコメント等をよろしくお願いします🥺
また質問等がございましたら、そちらの方もよろしくお願いします🤲



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