高校デビューを果たした幼馴染みが俺を裏切り、親友に全てを奪われるまで

みっちゃん

文字の大きさ
18 / 64
序章 中学生編

第15話 初めて中間テスト

しおりを挟む
5月末

サトル達は初めてのテストに向けて勉強をしていた

サトル「………」カリカリカリ

サユ「………」カリカリカリ

学校に残って勉強をするのも良いが、自分達の家でやる方が集中して勉強できるとの事で2人はサユの部屋で勉強をしていた

サトル「………」カリカリカリ

サユ「………」カリカリカリ

サトル「………」カリカリカリ

サユ「………」カリカリカリ

サトル「………」カリカリ

サユ「………」カリカリカリ

サトル「………」カリ

サユ「………」カリカリカリ

サトル「………」………

サユ「………」?

サトル「だァァァァァァァァァァァ!!!!」ガチャァン

サユ「………」ふー…

しかし、日頃から長時間勉強なんてしていないサトルにとってはこんな事出来るわけがなかった

サトル「サユー、俺はもう疲れたヨォ」机に頭ドン

サユ「まぁ、2時間頑張ったからね」よしよし

サトル「てか、なんでサユは余裕なんだよ?お前だって勉強なんてしてなかったろ?」

小学生の間話す事がほとんどなかったが、その頃から勉強しているなんて普通はない

サユ「私はずっと本を読んでいたり、アニメ見たりしてたから」

サトル「本はとにかく、アニメは関係ないだろ…」

本を読むと言うことはそれなりの集中力が必要だ、それが勉強に繋がるなんて思いもよらないが

サユ「…とにかく、少し休憩しましょ?私も疲れちゃったし」スク

そう言うとサユは立ち上がり、ドアに向かう

サユ「飲み物とお菓子持ってくるから、待ってて」ガチャ

サトル「あいよー」

サトル「………」ソワソワ

改めて考えると、サトルは年頃の女の子の部屋にいるのだ、まわりを見ると、女の子らしいと言えば女の子らしい部屋だった

全てがピンクではなく所々であり、人形もそれ程多くない、せいぜい枕元にあるくらいだ

サトル(その代わりに、本棚には漫画や小説が多いな)

男の子向けの本から女の子向けの本まで、本を読むのが好きだと聞いていたが、ここまでとは思いもよらなかった

サユ「お待たせー」ガチャ

そんな事を考えているとサユがジュースとクッキーを持ってきた

サトル「お!サンキュー」いただきます

サユ「じゃ、私も」パク

一口サイズのため、サクサクいける
噛むたびに香ばしい味が口の中を満たす
そして口の周りの水分が奪われて、ジュースを飲む

サトル「意外と美味いなこれ」

サユ「うん、バザーで買ったんだけど結構いけるね」

サトル「…作らないの?」

サユ「…」パクパク

サトル「……ごめんなさい」

サユ「………ん」

多分失敗したのだろう、とサトルは心の中で思い、心の中に封印した

軽く休憩をしている最中、ふと思った事を言う

サトル「そういえば、彼奴はどうしたん?」

サユ「彼奴?」

サトル「ああ、今はサユの友達の…」

サユ「ああ!チサトちゃんね」

サトル「チサトって言うんだ彼奴…」初めて知ったわ

チサトはサユをいじめていたグループのリーダー格だ、あの件以来、サユとは仲良くなり
中学校では数少ない彼女の友人の1人だ

サトル「本当に女子って不思議な生き物だな」

サユ「どうしたの?唐突に」

サトル「いやな、彼奴…チサトは元々お前をいじめていた主犯格なんだろ?」

サユ「うん」

サトル「いくらいじめが無くなったとはいえ、いじめを行った人間と友達になれるのかな?って」

サユ「………最初は嫌だったよ」

サトル「え?」

サユ「でもね、少しずつ話していくうちに気が合うようになって、気づいたら…」

サトル「友達になってた…と?」

サユ「…うん」こく

…それだけ聞いても、やはり不思議な生き物だ、普通の人間ならそんな事をした人間と話そうとは思わない、少なくともサトルはそんな事はしない

男子とは違い、女子は複雑な関係を築くことが多い最初は仲の良かった人達もちょっとした事で大人になっても仲違いしている人達だっているのだ

サトル(そう考えると、サユって意外とそう言うコミュニケーション能力が高いのか?)

今はいじめと言うトラウマもあり中々友人を作ろうとしない為、自然とサトルと一緒にいることが多いが、もしそれがなくなれば意外と友達も多く作れるだろう

サトル(とは言え、いじめの主犯格と友達になってる時点でトラウマも無くなっていると思うが)

きっと心の問題だろうと思い、それ以上考えるのをやめる

サユ「さ、そろそろ休憩はおしまいにして、そろそろ勉強の続き始めよ?」

サトル「えー、もう少し休憩しようよ~」

サユ「………」

サトル「………わかったから、その笑顔はやめて」

そう言って2人は勉強を再開する

——————————————————————
中間テスト~当日~

サユ「おはよう」

サトル「おはよう、サユ」

中間テスト当日、2人はいつもより少し早い時間帯で学校に向かっていた

サユ「どうあの後?進んだ?」

サトル「…取り敢えず」

理由は簡単………ただの悪あがきだ
勉強をしたのは良いが、それが頭の中に入ってこなければ意味がない

その為1時間目にやるテストで少しでも良い点数を取る為に………まぁ暗記するってことだ

2人が教室に入るとよく聞く台詞が飛び交う

「勉強した?」

「いや全然」

「やべ、俺勉強してねぇ!?」

「マジ?俺も何だけど」

「私も全然勉強してなーい」

自分の言い訳と悪い点数を取った時の(クラスメイトへの)言い訳をこの場で作っているのだ

そんな言葉を聞いていると不意に後ろから話しかけられる

チサト「おはよう、サユ」

サユ「チサトちゃん!おはよう!」

サトル「………」

この前話していたいじめの主犯格の子だ
しかし…

サトル(やっぱり女ってわかんねぇ)

彼が理解出来ないのも無理はない
小学生の頃のことを知らなければ、ただの友人にしか見えない

しかし現実の所、彼女達はいじめっ子とその被害者だ、………元だけど

チサト「………あの…さ」

サトル「ん?」

そんな事を考えていると、チサトから話しかけられる

チサト「その…悪かったな…あの時は」

サトル「………?」

あれ?なんか…違うような?

サユ「サトル君?」

サトル「なぁ、お前ってさ」

チサト「?」

サトル「そんな口調だったけ?」

そう、昔はお嬢様風だった筈だ、それが何故かこのような口調になっているのだ

チサト「ああ、あの頃は…というか、まぁまだ数年前何だけど、あれがあたしの好きな人に好かれるやり方だと思ってたからな」

サトル「成る程ねぇ」

つまり、こっちが本当の姿なんだろう

サユ「そっか、サトル君はチサトちゃんと話した事がないから知らないんだ」

サトル「知らないと言うか………」ちら

チサト「ねぇ………」

普通あんな事をした人とは話しかけにこないからな

そう思いながら、この場をどうしようか迷っていると、丁度チャイムがなり皆席に着き始める

チサト「やばっ!?」

サユ「早く席に着かないと」

サトル「てか、同じクラスだったの!?」

チサト.サユ「今更!?」

同じクラスだった事も知らなかったサトル
(このクラスになってから1ヶ月以上は経っているのだが…)

そんな事をやりつつ先生が来る前に席に着く
しかし、3人はある重大なことに気づく

サトル(あ、やべ)

サユ(そう言えば、最後の暗記)

チサト(やるの忘れた…)

3人(まぁ、なんとかなるだろ…きっと…多分…)

——————————————————————
テスト1日目が終わり、今日はそのまま帰宅する

サトル「いやー、部活がないって良いねぇ」

そう言ってサトルは体を伸ばす

サユ「自分から入ったんでしょ?…サッカー部」

サトル「まぁな」

そう言っているサユは美術部だ、本の世界を絵で表現したいらしい

中間テスト、期末テスト期間は基本的に部活はない、その間は基本テスト勉強に明け暮れる場合が多いが、2人の場合は最終確認で終わらせる

サユ「じゃあ、後でサトル君の部屋ね」

サトル「OK」

そう言って2人は一旦部屋に戻り、荷物をまとめる

サユ「来た」ガラッ

サトル「…玄関から来なさいよ」

サユ「やだ」

サトル「………」

そんなふざけたやり取りをしつつ、2人は明日のテストの範囲を復習し始める

——————————————————————

中学生編はこんな感じが続きます。









しおりを挟む
感想 161

あなたにおすすめの小説

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり

鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。 でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。

四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……? どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、 「私と同棲してください!」 「要求が増えてますよ!」 意味のわからない同棲宣言をされてしまう。 とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。 中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。 無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

処理中です...