高校デビューを果たした幼馴染みが俺を裏切り、親友に全てを奪われるまで

みっちゃん

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序章 中学生編

第20話 卒業式

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あれから更に1年以上の月日が経った。

サトルとサユの関係はあれから変わらず、清い関係のままだった。

チサトに自分達が付き合い始めたと言った時は

チサト「…ああ……そうか、…うん、おめでとう」

と、何処となくぎこちなかった
しかしそれ以上のことはなく、チサトの関係も変わらなかった

それからと言うもの、付き合い始めたから何か変わったと言うことはなく、今までと全然変わらなかった。

中間、期末テストはチサトも加わったりして一緒に勉強したり

文化祭は一緒に周り
スキー教室は一緒に滑り
修学旅行では一緒の班になったり…

サトル「あれ?」

サユ「?…どうしたのサトル君?」

サトル「いや、俺達付き合ってからそれらしい事をしてないって話してたじゃん?」

サユ「…うん、夏は夏合宿で海も花火もお祭りも無理で、お盆やお正月、ゴールデンウィークも、結局家族みんなで過ごしていたし…」

サトル「でもさ、学校行事はいつも一緒にいたよな?」

サユ「うん、まぁチサトちゃんもいたりしたけど、ほとんどは」

サトル「それってさ、その…付き合ってるカップルも…そうだよな?」

サユ「…言われて…見れば…/////」

そう2人は幼馴染みと言う関係の為、常に一緒にいる事が多く、所謂カップル(中学生)でやりそうな事はずっとやっていたのだ。
…ただその自覚がなかっただけで

………十分にらしい事はしていたのだ

サトル「だろ?でもまさかそんな事に気づくのがこんな日になるなんてな」

サユ「そうね、あっという間だったね」

そう言って2人は最後に教室を出る
今日は卒業式、サトル達は中学を3年間過ごし、全ての課程を終えたのだ。

チサト「…遅せぇよ、2人とも」

サトル「悪いな、これで最後だから、思い出に浸りたくてな」

サユ「待っててくれてありがとう、チサトちゃん」

2人は下駄箱で待ってくれていたチサトに声をかける

チサトは少し不満そうに言うが、その後は特に何も言わなかった

下駄箱の場所から外に出るもう既に沢山の親と卒業生と在校生達が集まって話をしていた

サトル「…本当に今日で最後なんだな」

チサト「だな、…2人ともどうだった?」

サユ「どうだった?」

チサトは階段を降りながら2人に話しかける、サユは理解できなかったのか、頭の上に❔マークを浮かべながらチサトの方を見る

チサト「カップルとしてではなく、中学生生活を送ってどうだった?」

成る程、そう言う事か、そう理解したサトルはチサトに話しかける

サトル「そうだなぁ、正直に言って残念だったな」

チサト「…そうには見えないけど?」

サトル「割り切ったんだよ、半年前は本当に辛かったんだからな?」

半年前、それはつまりサトル達が部活を引退する時のことだ、あの後からもサトルは努力を怠らず、日々精進していたが、更に上にいた同級生や後輩達にレギュラーの座を取られ
補欠にすらなれず、終わってしまったのだ。

サトル「そう言うチサトはどうなんだよ?お前だって頑張っていたじゃないか?」

チサト「…あたしはまだ心残りはあるよ、あと一歩だったからね」

チサトもチサトでレギュラーになれずに終わったしまったのだ、しかしサトルとは違い
レギュラー争いが白熱し殆どの人達が大差のない実力を持っていた為、チサトもあと一歩の差で届かなかったのだ。

それ故に悔しさも絶大で、ここまで戻るのに
1ヶ月はかかった、それ程までに頑張ったのだ

サトル「サユも…残念だったな」

サユ「…いいよ、絵はいつだって描けるから」

サユは美術部として絵をずっと描いてきた
しかし更に絵が上手い人は数多く、彼女の絵が展示されたのはせいぜい市内の展示展ぐらいだ

サユはああ言っているが、少しは悔しかったらしく、引退後は数日間は機嫌が悪かった
少なからず、思い入れや、自信作もあったはずだ、それすらも選ばれなかったとなれば悔しいはずがない

そんな事もあり、3人は部活動は悔しい結果となり、何も残せずに終わってしまったのだ

サトル「まぁ、部活動は惜しくも叶わなかったけど、それも思い出の一つとして残しておくよ」

チサト「サトルってば男前だねー」

サユ「サトル君のはただの負け惜しみでしょ?」

サトル「悔しそうにしていたのにどの口が言うのかなぁ?」ガシ

サユ「いだだだだだだだ!!!!」

サユがサトルをいじるとサトルはサユの頭を掴みアイアンクローを喰らわす

チサト「マータヤッテルヨ…」はあ

そう言ってチサトは2人を止める、このまま放置しておくとマジの喧嘩になりかねないからだ

そうやって2人を止めて改めて親のところへ向かわせる、ここから見ていたが、既に桜の木の下で写真を撮る準備をしていた

その事を伝えると2人は急いで下に降りる
その姿を眺めていると2人が手を振りこっちに来るように諭す

チサト「………いいの?一応あたしは…」

サユをいじめていた張本人だぞ?
と言おうとしたが、2人はそれを黙らせる

サトル「もういいんだよ、逆にずっと言われ続けるとこっちだって思い出しちまう」

サユ「それにもう反省してくれたし、ここまで仲良くなれたんだから…ね?」

チサト「………ありがとう」

そう言うと、チサトはサトルの隣に行き
笑顔を向ける

中学最後の写真は良い意味でも悪い意味でも思い出となる写真となった

——————————————————————
~校門前~

まだ人が多く残っている中、3人は校門前に立っていた、隣には卒業式と縦書きで書いており、卒業生は各々のやり残した事がないように色々な事をしていた

ある者は仲の良い友人と写真を撮ったり
ある者は好きな人に最後に告白していたり
ある者は涙を流しながら友人と別れを告げていた

中学を卒業後は9割は高校へ進学する
残りの1割は個人の理由や家庭の事情で就職の道へ進む

サトル、サユ、チサトの3人は同じ高校を選び無事合格をしている

チサト「もう勉強したくねぇよ」

チサトはこの中でだと1番頭が悪かった
学年でも下から数えるのが楽なほどだ
しかし2人が地元の高校を選ぶとの事で
偏差値は低く、2人にとっては普通程度の難易度だった

サトル「でも、やっていかないと」

サユ「…進級出来なくなるよ?」

チサト「うぐっ」グサ

そう言って聞こえるはずのない弓の音がチサトの胸に刺さる音が聞こえた

高校は中学と違って義務教育ではない
その為学力が足りなければ1年(1学年ごとに)は留年することができるのだ

もしそれでも進級できない学力だと退学になってしまう為、チサトは嫌でも今まで以上に辛い(勉強)をする事になる

チサト「…せめてもの救いはお前達が同じ高校だと言うことか……」

サトル「そう言う事だな」

サユ「威張るほどの学力はないけど、取り敢えず進級できる程度の学力はあるから…ね」

サトル「サラッとえげつないこと言うな」

それはつまりチサトには進級出来るほどの学力がないと遠回しに貶しているのだが、彼女は気づいていない様だ

サユ「?」

サトル「…もういいや」

そんな事を言いつつサトルはチサトに話しかける

サトル「まぁ、なんだ…これからもよろしくな」

サユ「よろしく」

チサト「…ああ、よろしくな」

そう言って3人は、歩き始める
こうして、平穏な中学校生活は幕を閉じた






























































………まるで嵐の前の静けさの様に

——————————————————————
中学生編~完~

高校生編~始~

これにて中学生編は終了となります
皆様には大変ご迷惑をおかけしました
しかしいつも見てくださる人たちのおかげでここまで戻れました

高校生編からは怒涛の展開となる(予定)なので今後も応援よろしくお願いします。



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