剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第3章 神の悪戯

第155話 無事に卒業は出来るらしい

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~次の日 学園長室にて~

「書類での手続きも終わった、今日からお主達は休学扱いになるのじゃ」

「…昨日の今日でもう終わったのか」

クロウは学園長のフリスの言葉にそう口に出す、たった1日でここまで進むなんてそれ程の緊急事態って事なのか、それともこれもゲームの影響なのか…考えても答えは出ないだろう。

「うむ、魔王の復活はそれ程までに大変な事なんじゃ」

「それでわたし達は休学扱いだけなんですか?」

フリスの言葉にメイディは答えずに自分達にとって必要な事を質問する、このまま休学扱いだけでは留年の可能性があるし、勇者になったリュークでは留年は確定だし、最悪退学になるだろう。

「うむ、それについては問題ない、魔王のとの戦いはいつまで続くかは分からない、じゃから勇者パーティとして選ばれたお主達は全て免除対象じゃ」

「と言う事は僕達は何もしなくても卒業出来るって事ですか?」

「そうじゃ、特にリューク、特にお主は勇者と言う世界を救う存在じゃ、それなのに留年とかしてしまったらワシらもそうじゃが、この国も汚名を残す事になる」

フリスはそう言ってリューク達を安心させる、負ければ世界が滅ぶと言う緊急事態の時に自分達は卒業出来るのか?と考える事自体おかしいと思うが、勝った後の自分達のその後の人生だって大事だ。

勝った後『はい、終わり』ではあまりにも報われなさ過ぎる。

「それもそうですわね、あたくし達が留年するなんてリュークもそうですが、貴族であるあたくし達も留年なんて国として終わりますからね」

公爵家の1人であるミオはそう言って同じ公爵家のクロウとシャルに視線を向ける。

「そうだな、ここにいるのは王族、貴族、その付き添いのメイド達、そして唯一の平民で勇者、これで不遇な扱いをしたら国は大変な事になるな」

「ボクもそう思います」

クロウとシャルはそう言ってミオの言葉に賛成する、ここで否定するとややこしくなるし、その後の人生に悪影響を及ぼしそうだからだ。

「しかも王族は私も含めて2人、下手すれば革命を起こしても平気なくらいのメンバーがいるからね」

おれの事か?まぁあながち間違いではないけど」

「あながちじゃなくて本物の王族でしょ!」

フィオナはそう言って従姉妹であり、1つ年上のエムルにツッコミを入れる。

エムルの口調にクロウ、リューク、フィオナ以外の人達は(普段の口調と違うし俺っ女なんだ…)と驚く。

「革命って…恐ろしい事を言わないでくださいよ」

「そうですよ、旦那様や奥方様にその様な言葉を聴かれたりでもしたら大問題ですよ?」

ミオの専属メイドであるクレイとフィオナの専属メイドであるソフィが冗談でもその様な事は言わないで欲しいと注意する。

彼女達ならやりかねないと本気で思っているのだ、実際にリュークやクロウが不遇な扱いを受けてそれを公認する様な事が起きれば革命を起こしても良いとミオとフィオナは思っている。

ぼくもそう思います」

「同じく、ボクもヤバいと思いますよ?ここにいるのは未来を担う跡継ぎ達、つまりやろうと思えば本気でできるんですから」

シャルの専属メイドであるハクア
エムルの専属メイドであるミサも他のメイド達と同様に同意している、流石は貴族に支えて来たメイド達だ、しっかりとしている。

「それを同盟国であるわたしの前で言えるなんて…信頼されているって事で良いのかしら?」

オースロン王国、ミリティア王国の同盟国であり、留学生として来たメジーナはそう言ってクロウを見る、何故リュークやフィオナではなくてクロウなのかはわからない。

「…そうなんじゃあないか?俺としては無事卒業出来る事が確定しているのなら、うれいはないよ」

「わたしも留学生と言う意味がなくなちゃったけど、リュークと一緒にいられるのなら問題ないわ」

クロウがそう言うとメジーナも本音を言う、好きな人と一緒にいられる、それがどれ程嬉しい事なのかは理解しているので、その部分も納得している。

「なら、これからミリティア王国の兵士達の下へ向かうと良いのじゃ、魔王が攻めてくるのか分からないからな…頑張ってくるのじゃ」

昨日は応援して来なかったが、今日はしっかりとフリス学園長は応援してくれた、これだけで昨日の不満は無くなった。

「はい、では行ってきます」

フィオナがそう言うとここにいるの勇者パーティに付いて来る様に指示して来る、ここは素直に彼女に従った方が良いだろう。

そう思ったクロウは学園長フリスに頭を下げて『失礼しました』とお辞儀をしてから部屋を出て行き他の仲間達も部屋から出て行った。

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史実に忠実って言うから炎上しているのにそれを理解出来ない人達がいるのは何故だろうか?

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