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第3章 神の悪戯

第147話 休学

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~ミリティア学園~

「休学じゃ」

「「「「「え?」」」」」

勇者パーティのメンバーに(ほぼ強制的に)加入してから次の日、クロウ達は学園長に呼ばれていた。

「お主達は魔王討伐に参加する事になったのじゃ、そんなお主達がこんな所で勉強している場合じゃないじゃろ」

「こんな所って言ったよ学園長」

「ここだって凄い所なんですけどね?」

ミリティア王国の王族、貴族、平民が(建前上)平等に通える学園であり、王国が誇る場所の1つの筈なのだ。

それなのに"こんな所"で済ませるなんてある意味で凄い。

クロウとメイディがそう思っていると学園長は話しを続ける。

「今のお主達には学力は…まぁ必要じゃが、それよりも必要なのは生き残る為の強さじゃ」

「まぁそうなんですけどね…」

「ボクもそう思います」

学園長の言う事には一理ある、確かに学園の授業では知識は手に入るが魔王軍と戦う為の知識は手に入らないし、戦う力もほとんど手に入らない、

それならば王国の兵士達と一緒に訓練に参加して少しでも早く強くなった方がいいだろう。

「あたくし達は別に構いませんが、両親は了承したんですか?」

「旦那様から手紙が届いていましたが、了承していましたよ?」

ミオの質問にクレイが答える、ミオが知らないと言うのがおかしい話しだが、ゲームの都合上の簡略化の影響とでも思っておこう、

そうでもしないと両親が何も手紙を渡さないのはおかしいからだ。

自分の子供が学園を休学して魔王と戦うために鍛えられて戦地に行かされるのだ…せめて今生の別れとして会いに来てほしい。
(戦地に赴く時とかに)

「そうなんですのね…分かりましたわ」

ミオもガッカリした言い方で納得している、自分の所にではなく、メイドのクレイに渡した事に(も含めて)嫌だったのだろう。

「もう大丈夫かの?」

「はい、大丈夫です」

ここで『大丈夫じゃない』と言っても意味がないだろう、もう既に殆どが決定事項の事だろうし…

ミオもそれに勘付いている為、諦めている。

「そうか、ならワシからは言う事はもうない、下がって良いぞ?」

(頑張れの一言もないのか…俺達は使い捨ての道具ってか?)

まぁまだ旅には出ていない…が、これからどのくらい時間があるのかは分からないが強くなる為に(一時的にだが)去らなければならない、それなのに応援の一言もないのか…

(ゲームだと早く物語ストーリーを進めたくて重要な話以外はあんまり聞かなかったけど、今こうしてみると所々荒いな)

ゲームの都合上の為、ヒロインの家族やプレイヤーの家族などの話や深掘りよりも次の物語ストーリーの為に短縮された所なのは分かるが、現実世界リアルではちゃんと入れて欲しかった。

「分かりました、失礼します」

フィオナはそう言うと学園長フリスにお辞儀をして退出する、クロウ達もフィオナの後を追う為同じ様に頭を下げて退出する。

「ねぇクロウ君」

「ん?」

学園長の耳に入らない距離まで行くとミオが声をかけてくる。

「クロウ君は家族からの手紙を受け取ったりしたんですの?」

「手紙?そんなもの貰ってないよ?」

「そうなの?メイド経由で受け取ったりしてないの?」

わたしは何も受け取っていません、もし受け取っていたのでしたらご主人様でたるクロウ様にすぐにお渡しします」

メイディの言葉に嘘はない、メイディとは他の貴族とメイドとは違う絆で結ばれている、嘘をつくことも裏切る心配もない。

「それも気になるけど、ボク達休学だよ?ちゃんと卒業できるのなかぁ」

「それは僕も感じました、貴族である皆様なら、何とかなると思いますが、平民である僕が休んだら退学間違いなしですよ」

日本なら色々とサポートしてくれるから、基本的には留年で済むだろうが、この世界はそんなに甘くない。

この世界はと言うよりは魔王討伐に時間がかかればかかるほど、実際に歳をとって仮に5年かかれば、年齢は21歳、学園の人達は16歳なのにこちらは21歳と歳の差が出てしまう。

しかも勉強していない分色々と忘れてしまう為平民のリュークにとっては学費の負担がかなり増えてしまう。

そうなった場合国が免除しない限りリュークには留年→退学のルートしかないのだ。

——————————————————————
※国王達もそこまで屑じゃないので魔王討伐した後は全面的に援助してくれます。
(ゲームだとその描写がなく、公式サイトの設定で調べると書かれている)
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