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第2.5章 崩壊するゲーム

第126話 イベント崩壊

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~教室~

中に入ると既に生徒達が(いつもより多く)いる、どうやら(転校生が来ると言う)噂が結構広まっているようだ。

「エムルに会えなかったのはデカいなぁ」

エムルに会えれば今日転校生が誰なのか分かるかもしれないと思って会おうとしたのだが、仕事が忙しいのか会えなかったのだ。

「ラピナスさん達にも会えなかったのは大きいですよね」

「ああ、リーゼ達に会えれば聞けると思うが、アイツらも教師だからな、流石に無理だろ」

元家庭教師だからとか、貴族だからと言う理由で話してしまえば、そこから学園は崩壊するだろう、だからこそ教師は厳粛でなければならないのだ。

「良いじゃないの?」

「フィオナ?」

「私達が今知っても知らなくてもこの後知る事が出来るんだからほんの数時間の差でしょ?」

「まぁそうだけど…」

相変わらず話し方や態度が変わった事に驚きを隠せられずにいるが、確かにフィオナの言う通りだ、朝の会朝礼はもう直ぐ始まる、その時に聞けば良いのだ。

「所でミオ、転校生はどのクラスに来るんだ?」

「あたくし達のクラスだと聞きましたけど?」

「そうなの?」

「あくまでも噂ですわよ?」

そこの所も後で担任の先生に聞けば良いだろう、自分たちのクラスならもしかしたらバグかそれとも何かの因果でリュークのヒロインが来るかもしれない。

ゲームのイベントでも(他のクラスの子もいるけど大半は)自分のクラスに転校生が来る(現実じゃありえないけど)。

「そう言えばリュークはどこだ?シャルは分かるか?」

「ボクに聞かないでよ…あ、いつもの席にいるよ?」

「本当だ、いつもなら俺達の所に来るはずなのに…どうしたんだ?」

もしかして、転校生イベントでワクワクしているのではないか?
推しは転校生イベントで来る、つまりこの時期に来る事がありえないのに転校生が来る、クロウと同じように考えているのかもしれない。

「ちょっと男2人きりで話してくる、ここで待っていてくれ」

「かしこまりました」

リュークと本音で語り合う為にはこうでも言わないと彼女達はついてくる、転生者だとバレると面倒なので、彼女達には聞かれたくない。

「よぉ、リューク」

「あれ?クロウ様?他の人達は?」

「あそこだ、転生者同士の話し合いにアイツは混ざれないからな」

転生者同士のと言う言葉に反応して声を小さくしてくれる。

「一体どうしたんですか?」

「お前が来ないから、心配になってきたんだよ」

「あ、そうだったんですか、すいません…転校生の話を聞いてちょっとドキドキしてまして」

やっぱりな、でも仕方ない推しがもしかしたら来るかもしれないと言う状況はかなり期待してしまう、それが外れた時は結構悲しいが、その時までの鼓動の昂りは中々抑えられない。

「そうか、実は俺もちょっとドキドキしているんだ、本来のお前の望むイベントはまだ先の話だし、そもそもこの時期にこんなイベントはないんだ」

「つまり、何かが起きている事とゲームイベントの2つの意味でドキドキしていると?」

「そう言う事だ」

リュークに全てを任せて良いならそれでも良い、けどリュークと言う主人公補正すら効かない程ストーリーが滅茶苦茶になって仕舞えば、俺たちは終わりだ。

「なるほど…でも先ずは本当に推しなのか、それを確かめてから行動したいと思います」

「わかった、そろそろ時間だからアイツも呼ぶよ、何かあったらまた後でな」

メイディに合図を送り、彼女達はコチラに来る、本来ならクロウの立場にリュークがいるはずなのだが、もう慣れてしまった…慣れは恐ろしいものだ。

「話は済んだのですか?」

「ああ、転校生は女の子が良いなぁって話してたんだ」

「「「「「「「は?」」」」」」」

「………男の子がいいです」

彼女達の前で他の女の話はマジで控えようと思ったクロウだった。

——————————————————————
…案外書けた
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