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第2.5章 崩壊するゲーム
第116話 それから1ヶ月
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~1ヶ月後(6月)~
リュークが日本人だと分かってから更に1ヶ月が過ぎた。
今は6月日本で言うと梅雨の季節だ(…まぁ最近は梅雨らしい梅雨は全くないが)。
「室内に訓練所があるなんて驚いたよ」
そしてクロウは今放課後シャルに連れられて室内の訓練所に赴いていた。
「いつでもどこでも君と勝負出来る様に探しておいたんだ」
ゲームではチュートリアルが終われば後はヒロイン達とのイベントが殆どで学園の事はあまり描写されない。
6月も日本では梅雨の季節な為、ゲームでも6月は梅雨になっている、その為それに因んだイベントが入っているが、学園での授業パートはカットされている。
だからこそ室内での訓練所と言うのも中々レアな光景だ。
「俺と勝負したいからって、毎日同じ事しか言わないな」
「そう?ボクは君の事が好きだからね、こう言う所で独占したいんだよ」
「しれっと告白するな」
そしてシャルとは『友人関係』になった、あの惚れ薬を盛られた後効果が切れた後でもシャル達は後悔するのではなく、むしろ堂々と来る様になった。
だけどいきなり恋人関係になるなんて無理だし、こっちはもうメイディとエムルの2人がいる為これ以上は勘弁してほしかった。
だからこそクロウはある決断をした。
「だって、早く彼女になりたいんだもの」
「『1年間友達になってそれでも好きなら付き合ってやる』って言っただろ、コッチはいきなり好きって言われても"はい"って答えられないんだよ」
一目惚れで告白する人もいるが、される側からすれば相手の事を何も知らないのにいきなり『好きです付き合ってください』と言われても困る。
「でも、他の2人に取られたら嫌だし」
「だからこその『友達期間』だろ?」
恋というのは冷めたら一瞬で終わる、しかも俺は性格がクソ悪い、好かれる要素は殆どない、主人公の方に言って欲しくはないが、どうか性格の良いイケメンの所に行ってほしい。
「…その期間中に貴方を堕とすだけだから」
「…その考え方が本当に凄いな」
室内の訓練所の剣を渡されて対峙する、日々の鍛錬を怠ってないのか、少しずつ強くなっている感じがする(シャルが)。
「クロウ、君の力はやっぱり凄いよね」
「いきなりどうした?」
お互いに剣を構えて相手の動きを警戒する、そんな中シャルはそう口にこぼす。
「ボクは君勝ちたいと思ってから2ヶ月過ぎたんだ、なのに全く歯が立たない」
「まぁ俺も日々トレーニングしてるからな」
互いに詰め寄り、剣を交える
剣を振り、剣を躱し、打ち合い、その技量の差を実感する。
「それでもこの差はおかしいよ、何が違うんだろう」
「男と女とでは筋肉のつき方が違うから、それなんじゃあないの?」
「…それはなんか嫌だな」
そんな事を言われても困る、
男女で差が出てしまう大きな理由は“ホルモン”の違いだ。
筋発達を促す男性ホルモンの代名詞“テストステロン”は、男女で10-15倍程度の差があると言われている。
さらに女性は、筋発達を促すエストロゲンというホルモンの分泌が月経周期で制限されるため、筋発達のスピードに差が出る。
「でも、女として産まれたからこそ、クロウにこうやって出逢えたわけだし、ある意味では良かったのかな?」
「お前がそう思うならそれで良いんじゃあないか?」
「なんか…優しくなったね」
「…気のせいだろ」
まぁ、わざと悪役貴族をやらなくても済む様になって来ているからそこまでやる必要性がなくなった、と言うのが本音だ。
相手が転生者だから、下手に自分が介入したらかえって大変な目に遭う為、余計な事が出来ず、時の運に任せるしかない。
「そんなに俺と恋仲になりたいのなら、俺と対等に戦える様になれよ」
「言ったわね、貴方を越えてボクが(君にとっての)1番になってやる!!!」
そう言ってガンガン攻めて来るシャルを見て、少し楽しんでしまうクロウだった。
——————————————————————
誤字脱字がございましたらコメント等をよろしくお願いします。
後質問等もお願いします。
リュークが日本人だと分かってから更に1ヶ月が過ぎた。
今は6月日本で言うと梅雨の季節だ(…まぁ最近は梅雨らしい梅雨は全くないが)。
「室内に訓練所があるなんて驚いたよ」
そしてクロウは今放課後シャルに連れられて室内の訓練所に赴いていた。
「いつでもどこでも君と勝負出来る様に探しておいたんだ」
ゲームではチュートリアルが終われば後はヒロイン達とのイベントが殆どで学園の事はあまり描写されない。
6月も日本では梅雨の季節な為、ゲームでも6月は梅雨になっている、その為それに因んだイベントが入っているが、学園での授業パートはカットされている。
だからこそ室内での訓練所と言うのも中々レアな光景だ。
「俺と勝負したいからって、毎日同じ事しか言わないな」
「そう?ボクは君の事が好きだからね、こう言う所で独占したいんだよ」
「しれっと告白するな」
そしてシャルとは『友人関係』になった、あの惚れ薬を盛られた後効果が切れた後でもシャル達は後悔するのではなく、むしろ堂々と来る様になった。
だけどいきなり恋人関係になるなんて無理だし、こっちはもうメイディとエムルの2人がいる為これ以上は勘弁してほしかった。
だからこそクロウはある決断をした。
「だって、早く彼女になりたいんだもの」
「『1年間友達になってそれでも好きなら付き合ってやる』って言っただろ、コッチはいきなり好きって言われても"はい"って答えられないんだよ」
一目惚れで告白する人もいるが、される側からすれば相手の事を何も知らないのにいきなり『好きです付き合ってください』と言われても困る。
「でも、他の2人に取られたら嫌だし」
「だからこその『友達期間』だろ?」
恋というのは冷めたら一瞬で終わる、しかも俺は性格がクソ悪い、好かれる要素は殆どない、主人公の方に言って欲しくはないが、どうか性格の良いイケメンの所に行ってほしい。
「…その期間中に貴方を堕とすだけだから」
「…その考え方が本当に凄いな」
室内の訓練所の剣を渡されて対峙する、日々の鍛錬を怠ってないのか、少しずつ強くなっている感じがする(シャルが)。
「クロウ、君の力はやっぱり凄いよね」
「いきなりどうした?」
お互いに剣を構えて相手の動きを警戒する、そんな中シャルはそう口にこぼす。
「ボクは君勝ちたいと思ってから2ヶ月過ぎたんだ、なのに全く歯が立たない」
「まぁ俺も日々トレーニングしてるからな」
互いに詰め寄り、剣を交える
剣を振り、剣を躱し、打ち合い、その技量の差を実感する。
「それでもこの差はおかしいよ、何が違うんだろう」
「男と女とでは筋肉のつき方が違うから、それなんじゃあないの?」
「…それはなんか嫌だな」
そんな事を言われても困る、
男女で差が出てしまう大きな理由は“ホルモン”の違いだ。
筋発達を促す男性ホルモンの代名詞“テストステロン”は、男女で10-15倍程度の差があると言われている。
さらに女性は、筋発達を促すエストロゲンというホルモンの分泌が月経周期で制限されるため、筋発達のスピードに差が出る。
「でも、女として産まれたからこそ、クロウにこうやって出逢えたわけだし、ある意味では良かったのかな?」
「お前がそう思うならそれで良いんじゃあないか?」
「なんか…優しくなったね」
「…気のせいだろ」
まぁ、わざと悪役貴族をやらなくても済む様になって来ているからそこまでやる必要性がなくなった、と言うのが本音だ。
相手が転生者だから、下手に自分が介入したらかえって大変な目に遭う為、余計な事が出来ず、時の運に任せるしかない。
「そんなに俺と恋仲になりたいのなら、俺と対等に戦える様になれよ」
「言ったわね、貴方を越えてボクが(君にとっての)1番になってやる!!!」
そう言ってガンガン攻めて来るシャルを見て、少し楽しんでしまうクロウだった。
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