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第2.5章 崩壊するゲーム

第107話 一先ずは解散

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「国家転覆を狙っている?何を言っているんですか?」

笑って誤魔化すリュークに恐怖を感じるが、担任の先生がやって来たので話を途中で終わらせる。

「…放課後、お前と話がある」

「分かりました、ではまた放課後」

そう言ってリュークは席に戻る、フィオナ達は自分クロウの手を握って席につかす。

(これは一体なんなんだ?)

歴史が変わった、それだけでは説明がつかない程の可笑しな現象が起きている。

ミオ達の様子も変わらないし、メイド達は知らんぷりだ、メイディも唖然とはしているが以前傍観者だ(メイディは別に良いけど)。

「シャル、お前はこれで良いのか?」

「何を言っているのか理解出来ないな…ボクは特に不満がある訳ではないから、このままでいいよ」

と言ったがシャルは「あ、でも」とコチラを見つめてくる。

「君を独占出来るならそうしたいなぁ」

「独占って…俺は物かよ」

「違うよ、ボクだけを見てくれる王子様って事だよ」

王子様ってそんな歳でもないだろ…と思ったが取り敢えず黙っておく。

「フィオナ、お前はどうだ?」

「うるさい」

「………」

変わる前よりも毒舌となっているが、目が違う、軽蔑の目ではなく、別の目になっている。

「アンタは黙って私の側に永遠ずっといなさい」

「…お前そんな事を言うキャラだっけ?」

まぁ惚れ薬を盛られたのだから仕方ないとは思うが、薬ってそんなに長く続くものなのか?と思ってしまう。

「ミオ、お前はどう思う?」

「あたくしは構いませんよ?貴方は公爵家の人間ですから何も問題はありませんよ?」

いや、権力を持ちすぎたらそれはそれでヤバいことが起きるのではないか?
まぁ平民ではないからそう言う事身分問題に関しては大丈夫だろうけど…

(取り敢えず、惚れ薬を飲んだフィオナ達の今の状況も聞いたし、メイド達も特に気にしていない事がわかった、可笑しな話だが、これもゲームの世界だからか?)

…いや、ありえない
確かにこの世界は『ラグナロク•オリジン』に酷似した世界だ(とクロウは考えている)。

レベルやステータスなんかがその代表例だ、自己解釈すると
魔物EXP殺す得る事によってその魔物のステータス能力の一部を奪う事が出来るのではないか?
と考えている。

(だけどストーリーはかけ離れている、俺は悪役貴族、ヒロイン達から好かれる事はない)

ヒロイン達に嫌われて、主人公リュークによって断罪される、それがクロウだ、それが今崩されたからこそ余計に焦っているのだ。

(取り敢えず、放課後になったらリュークと話す、アイツは一体何が目的でこんな事をしているのか、それを問いたださないといけない)

エムルの様にストーリーに関わる人間の離脱は避けたい(そもそも主人公離脱はヤバい)。

(一先ずは放課後までの授業をなんとか乗り切るだけだ)

そう思って教材を開くが、右隣りにいたフィオナがクロウに密着する。

「…何をしているんだ?」

「何って授業の教科書を見てるんだけど?」

「自分の教科書を見ろ」

「ないわ」

今フィオナのメイドのソフィがフィオナの教科書をバックに閉まったぞ?

やはり惚れ薬の影響か、まぁ隣だからそれくらいは100歩譲って良しとしよう…だが

「ミオ、シャル、お前らはダメだろ」

ミオはクロウの後ろ席、シャルはクロウの前の席に座っている、ミオは上から覗き込む様に、シャルは上目遣いでコチラを見つめている。

「なんでフィオナ様は良くてあたくし達はダメなんですか?」

「そうだよ、不公平じゃないか」

「不公平って…次の授業とかで席を譲って貰えばいいだろ?」

「「その手があったか」」

「譲りませんけどね?」

「「は?」」

惚れ薬の影響もあってか、普段絶対に言わないであろう言葉を使う為、クラスメイト達からも

『え?何?』

『フィオナ様達が怖いんだけど』

『クロウ様そこ変わってくれ』

『やめとけ、殺されるぞ?』

と、後半は関係ないが周りから『怖い』と思われている様だ…確かに怖い。

「これは放課後までは耐久だな」

そう小さく口に溢すと、揉めている3人の仲裁に入った。

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