剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん

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第2章 前途多難な1年目

第86話 お前のせいやん 主人公side

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「行っちゃいましたね、クロウ様」

リュークは去って行くクロウを見ながらそう言った。

今ここにいるのは平民のリューク
王族のフィオナ
公爵家のミオとシャル
それとお付きのメイド3人

メイディはクロウを追いかける為にリューク達にお辞儀してクロウの所へ行ってしまった。

「そうね、アイツ言い方がムカつくわね、だから嫌われるのよ」

「特にフィオナ様にねぇ、あたくしはクロウ君の事嫌いじゃないし」

だからと言って好きでもない、ミオの立ち位置はクロウが否定する友達に当てはまるだろう。

「ボクは彼を立派に男にする為にあの性格を治したいと思う」

「僕もそう思います」

シャルの言葉にリュークは頷く、彼もリュークの良さを知っている人物であり、今回のクロウの暴言(とクロウが思っている)もリュークは(いい意味で)理解している。

「クロウ様はぼくの事を心配してくれているんです、だからあんな事を言うんです」

「確かに、でも1番は私達王族や貴族に対して言っているわ」

「どっちでも良いけど、クロウ君はやっぱり知っているんですね」

「知っている?」

クロウはただ単に『いつか(自分クロウを)断罪する為に必要なコネ作りはしとけよ』程度で言ったのだが、リュークは

『平民でも努力すれば俺達と対等に話せる、だから頑張れ!』

と解釈している。
(別に間違ってはいないが、クロウはそこまで考えてない)

「ええ、この国に蔓延はじこ邪魔な存在の事よ」

「あたくし達は貴族の中でも特に上にいる存在、だからこそ その子供であるあたくし達にもそれなりの責務があるのよ」

リュークを差別した貴族達もそうだが、平民への差別は出来てしまっても仕方のない部分はあるが、それを理由に迫害するのは間違っている。

「でも、ボク達に出来る事なんてあるの?」

「僕もそう思います」

シャルはともかく、リュークは平民、子供達の世界学園とは言え、この階級差がある以上力になれるとは思えない。

貴方リュークも力になれるわ、私が貴方の友人となれば良いんだから」

「え?」

「交際は流石に無理だけど、王族である私の友人となれば、多少なりとも権力を得られるわ」

フィオナの言い分だと『友達=凄い人』と言う事で、王族の友達なのだから下手な事は出来ないと言う事だろう。

「いやでも、あたくし達ならともかく、リューク君は平民なのよ?他の貴族が黙っているか…」

「それが狙いよ」

「え?」

あの男クロウは貴族と平民の"現状"をずっと話していたわ、それはつまり、この現状を良しとしていないって事だわ」

貴族と平民の現状を話したのは、リュークや他のヒロイン達を突き放す為に使えるネタだったから言ったのだ、そこまで考えて言っていない。

「フィオナ様、クロウ君の事よく分かってますね?」

「あのクソ野郎は自分では何もしないからよ、あそこまで言うんだったら自分で変えればいいのよ」

「まさかクロウ様は僕を試している?」

リュークの考えはこうだ『俺ですら出来ない事を平民のお前が出来るなんて凄い!』と言う考えだ。

…あながち間違っていない、リュークはいずれクロウを断罪する、つまり
自分ですら出来ない(自分に対する断罪する)事を平民のお前リュークが出来るなんて凄い!

と言う事になる。

「ボクはそこまで考えているとは思えないけどねぇ」

「事実はどうであれ、彼は私達が動く口実を作ったわ」

シャルの真っ当な意見に、過程はどうであれ動くと言う結果を導いた事は事実だとフィオナは言った。

「それもそうだね、じゃあボクもクロウを真人間にする為に頑張りますか」

「僕も認めて貰えるように努力します」

「あのクソ野郎に目にモノ言わせてやるわ!」

「あたくしも貴族の者として責務を真っ当するわ」

こうして本来起こるべきではない革命が皮肉にも『クロウ』によって起きてしまった事にクロウは気づく事はなかった。

——————————————————————
「へっくす!」

「風邪ですか?」

「誰か噂しているみたい」

「そうですか…お身体には気をつけてくださいね?」

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