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第1章 学園編の物語
第53話 何でなの? ユーナside
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「…クロウ様」
昨日まで彼は普通だった、いや貴族にしては優しい人だった。
「黙れ…か」
確かに説明不足だった、相手は王族、怪我を負わせたから保健室まで運んだ、それだけでも義理は果たした。
そもそもクロウ様の言う通り決闘は怪我も覚悟の上での勝負だ、だからこそ倒したとしても咎める事は出来ないはずだ。
「クロウ様がフィオナ様と決闘した事は噂で何となく知りましたけど、まさか保健室まで運んだだけで帰るなんて…」
確かに決闘の怪我とかはその後文句を言いに行っても「それを覚悟の上で挑んだのだろ?」の一言で終わる、けれど相手は貴族よりも上の存在の王族、目を覚ました後謝る必要がある。
それを詳しく言わなかった私にも原因はあると思うがそれでも貴族の間では常識な筈…だ、だって謝らないと後々怖いことになるし…
「それに私に対してあの様な言葉を使うわけがない、あの子は平民だろうと何だろうと平等に接する…エッチな子なのよ」
あのメイドと他のメイド達のせいで一緒に風呂に入る仲になってしまったが、彼は私達を性的な目で…見ていたが不快感はなかった、女性をただの精処理道具として見ているのではなく、魅力的な身体だから見ている様な感じだった。
(と言うかそうクロウ様が言っていた)
「なのに童貞なのよねぇ…たまにイカ臭いし」
そう言う事すら知っている仲だからこそ今日の彼の言動が不思議でならないのだ、彼が自分に対してあんな事を言ってくるのが信じられない。
だからこそ今でもずっと困惑しているのだ、言葉が荒く、態度が冷たく、全てを見下す様な眼が、まるでクロウ様ではなく、偽物と言っても過言ではないほど違うのだ。
「でも、フィオナ様はアレが本性だと言っていたわね…今までの…8年間もの間性格を偽っていたと言うの?」
8歳の子供が16歳になるまでの間、皆んなを騙す程の演技であんな性格の振りが出来るのだろうか?
いや、あのメイドが何とも思っていないと言う事は彼女は彼の心境の変化を知っていると言う事だ。
「たった1日であんなに変わってしまった…その理由を」
確かめる必要がある、彼があんな事をする理由を、自分にあんな事をした理由を、何も知らないまま「彼は酷い男」と断定するのは良くない。
「先ずは彼の事をもっと知る必要がありそうね、この学園で何をしようとしているのか…あのメイドも何を隠しているのか…」
そしてリーゼ、ラピナス、彼女達2人にも話した方が良さそうね…それにもしかしたらあの2人なら分かるかもしれない。
「今日の仕事は終わらせて、集まった方がいいかもしれないわね」
保健室の仕事も(怪我人が来ると言う事以外)大体終わらせているし、後は書類の提出程度で終わる、その時に彼女達も探して今回の事を話せば何か教えてもらえる可能性がある。
「そうと決まれば善は急げね」
書類をまとめて保健室を出る、職員室に向かう為、札は外出にしておこう、職員室に滞在するわけでもないし、巡回は2人が見つからなかった場合のみだ。
「それにもしかしたらクロウ様か、フィオナ様のどちらかに会えるかもしれないしね」
クロウ様に会ったなら何故自分に対してあの様な事をしたのか
フィオナ様に会ったならクロウ様の事をしっかりと説明しなければならない。
大変な事になりそうだが、それでも自分は信じたい、クロウ様は優しい人だと。
そんな淡い期待をしつつ、職員室に向かう、道中に生徒達が沢山いて、流石はミリティア学園だと思わされる、それに設備も良くて、ここでなら色々な事を研究できるだろう。
「そしていつものクロウ様に戻ったならあの幸せな日々をもう一度皆んなと一緒に仲良く味わいたい」
あの8年間は自分にとって大きな心境の変化となった、だからこそ助けられるのなら助けたいのだ。
——————————————————————
続く
昨日まで彼は普通だった、いや貴族にしては優しい人だった。
「黙れ…か」
確かに説明不足だった、相手は王族、怪我を負わせたから保健室まで運んだ、それだけでも義理は果たした。
そもそもクロウ様の言う通り決闘は怪我も覚悟の上での勝負だ、だからこそ倒したとしても咎める事は出来ないはずだ。
「クロウ様がフィオナ様と決闘した事は噂で何となく知りましたけど、まさか保健室まで運んだだけで帰るなんて…」
確かに決闘の怪我とかはその後文句を言いに行っても「それを覚悟の上で挑んだのだろ?」の一言で終わる、けれど相手は貴族よりも上の存在の王族、目を覚ました後謝る必要がある。
それを詳しく言わなかった私にも原因はあると思うがそれでも貴族の間では常識な筈…だ、だって謝らないと後々怖いことになるし…
「それに私に対してあの様な言葉を使うわけがない、あの子は平民だろうと何だろうと平等に接する…エッチな子なのよ」
あのメイドと他のメイド達のせいで一緒に風呂に入る仲になってしまったが、彼は私達を性的な目で…見ていたが不快感はなかった、女性をただの精処理道具として見ているのではなく、魅力的な身体だから見ている様な感じだった。
(と言うかそうクロウ様が言っていた)
「なのに童貞なのよねぇ…たまにイカ臭いし」
そう言う事すら知っている仲だからこそ今日の彼の言動が不思議でならないのだ、彼が自分に対してあんな事を言ってくるのが信じられない。
だからこそ今でもずっと困惑しているのだ、言葉が荒く、態度が冷たく、全てを見下す様な眼が、まるでクロウ様ではなく、偽物と言っても過言ではないほど違うのだ。
「でも、フィオナ様はアレが本性だと言っていたわね…今までの…8年間もの間性格を偽っていたと言うの?」
8歳の子供が16歳になるまでの間、皆んなを騙す程の演技であんな性格の振りが出来るのだろうか?
いや、あのメイドが何とも思っていないと言う事は彼女は彼の心境の変化を知っていると言う事だ。
「たった1日であんなに変わってしまった…その理由を」
確かめる必要がある、彼があんな事をする理由を、自分にあんな事をした理由を、何も知らないまま「彼は酷い男」と断定するのは良くない。
「先ずは彼の事をもっと知る必要がありそうね、この学園で何をしようとしているのか…あのメイドも何を隠しているのか…」
そしてリーゼ、ラピナス、彼女達2人にも話した方が良さそうね…それにもしかしたらあの2人なら分かるかもしれない。
「今日の仕事は終わらせて、集まった方がいいかもしれないわね」
保健室の仕事も(怪我人が来ると言う事以外)大体終わらせているし、後は書類の提出程度で終わる、その時に彼女達も探して今回の事を話せば何か教えてもらえる可能性がある。
「そうと決まれば善は急げね」
書類をまとめて保健室を出る、職員室に向かう為、札は外出にしておこう、職員室に滞在するわけでもないし、巡回は2人が見つからなかった場合のみだ。
「それにもしかしたらクロウ様か、フィオナ様のどちらかに会えるかもしれないしね」
クロウ様に会ったなら何故自分に対してあの様な事をしたのか
フィオナ様に会ったならクロウ様の事をしっかりと説明しなければならない。
大変な事になりそうだが、それでも自分は信じたい、クロウ様は優しい人だと。
そんな淡い期待をしつつ、職員室に向かう、道中に生徒達が沢山いて、流石はミリティア学園だと思わされる、それに設備も良くて、ここでなら色々な事を研究できるだろう。
「そしていつものクロウ様に戻ったならあの幸せな日々をもう一度皆んなと一緒に仲良く味わいたい」
あの8年間は自分にとって大きな心境の変化となった、だからこそ助けられるのなら助けたいのだ。
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続く
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