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プロローグ 学園編までの生活
第35話 そして更に月日が流れ
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~7年後~
「さてと」
あらから更に月日が流れ、クロウはついに16歳になった。
「出来る事は全てやって来た、後は主人公達の為に愚かな行動をしていけば良いんだな」
本当は嫌だが、自分が決めた道だ、変えることはせず最後まで悪人として生きていこう。
そんな事を言っていると自分の部屋の扉をノックする音が聞こえる、どうやら迎えが来た様だ。
「入れ」
「失礼します、クロウ様」
「メイディか、どうした?」
「準備の方が整いました、いつでも出発可能です」
分かっている事だが、一応は聞いておかないといけない(わけでもないが兎に角一応)、クロウは再確認も兼ねて聞き「分かった」の一言で済ませる。
「リーゼ達は?」
「先に出発しました、彼女達はクロウ様が入学と同時に学園の教師になる予定ですから」
「そうか」
その事を聞いたのは10歳の時だ、剣術、魔法、回復の3つの事を(正確には2つ)教えてもらっている時に
『私達、クロウ様が学園に通う時に教師になります』
と唐突に言って来たのだ、しかしそれに関しては別にどうでも良い、驚いたりしたが、史実通りに彼女達が学園の教師になるのならゲーム通りに行動出来るので逆にありがたい。
「馬車の手筈は既に出来ております、いつでも出発出来ます」
「わかった、でも父さんと母さんに挨拶しに行かないと」
学園は全寮制、例えそれが公爵家であろうとも例外ではない、ゲームの中だとクロウは怒っていたが、憑依?した側の俺にとっては主人公達を監視できるまたとないチャンスだ。
「それについては大丈夫です、奥様も旦那様も既に外で待機しています」
「それを先に行って、親を待たせる子供とかあり得ないだろ」
ゲームの中だと駄々を捏ねて両親が渋々送ったと書いてあるが、そんな恥ずかしい事出来るわけない。
この辺の歴史改変は大丈夫だろう、主人公達はクロウの過去なんて知らないし、興味もない、なら学園編に入るまでの事は大抵の事はなんとかなる。
「では、急ぎましょう」
「ああ」
少し早歩きで歩き玄関のドアを開ける、そこには今まで支えてくれたメイド達とクロウの父アイオ•チューリアと母メフィナ•チューリアが待っていてくれていた。
「おお!クロウ遅かったじゃあないか」
「遅刻の時間ではありませんが、もう少し余裕を持って行動しましょうね?」
「はい、父さん、母さん」
父は公爵家の仕事が多く、それ故に忙しく同じ家にいるのに中々会えない状況が続いたが、それでもクロウの事を第1に考えてくれる父親で
母は1人息子であり、跡取り、そして何より生まれて初めての自分の子供という事で誰よりも甘やかして来た、だからこそある程度の無理は出来たのだ。
「クロウ、チューリア家として恥じぬ行いをしてくれよ?」
「クロウちゃんは良い子だから大丈夫だよね?」
「…善処します」
嘘だ、父と母には悪いが、この世界がゲームにの世界に酷似している以上、ある程度の事は出来るが、基本的に史実通りに動かないと本編が終わってしまうのだ。
何回も言うがクロウは主人公とヒロインの好感度を上げる為にも必要なクズキャラで彼がいなければ魔王を倒す仲間が揃わない可能性が大いにある。
(だからこそ、誰かに任せる事で起こるタイムパラドックスが起きたら何が起こるかわからなくなるからな)
タイムパラドックスとは、タイムトラベルが実現した場合起こりうる現象である。もしくはそれを由来とした1998年生まれの競走馬。
本来は歴史を修正しようとする世界の意思があるわけだが、それがたまに失敗に終わり
マルチバース、枝、パラレルワールド、多次元並行世界など様々なIFが生まれる。
この世界もクロウ•チューリアが現れた事で少なからずそれが起こっている、だからこそ歴史に逆らう事は基本してはいけないのだ。
——————————————————————
ユーナ•クリスティナ
「さてと」
あらから更に月日が流れ、クロウはついに16歳になった。
「出来る事は全てやって来た、後は主人公達の為に愚かな行動をしていけば良いんだな」
本当は嫌だが、自分が決めた道だ、変えることはせず最後まで悪人として生きていこう。
そんな事を言っていると自分の部屋の扉をノックする音が聞こえる、どうやら迎えが来た様だ。
「入れ」
「失礼します、クロウ様」
「メイディか、どうした?」
「準備の方が整いました、いつでも出発可能です」
分かっている事だが、一応は聞いておかないといけない(わけでもないが兎に角一応)、クロウは再確認も兼ねて聞き「分かった」の一言で済ませる。
「リーゼ達は?」
「先に出発しました、彼女達はクロウ様が入学と同時に学園の教師になる予定ですから」
「そうか」
その事を聞いたのは10歳の時だ、剣術、魔法、回復の3つの事を(正確には2つ)教えてもらっている時に
『私達、クロウ様が学園に通う時に教師になります』
と唐突に言って来たのだ、しかしそれに関しては別にどうでも良い、驚いたりしたが、史実通りに彼女達が学園の教師になるのならゲーム通りに行動出来るので逆にありがたい。
「馬車の手筈は既に出来ております、いつでも出発出来ます」
「わかった、でも父さんと母さんに挨拶しに行かないと」
学園は全寮制、例えそれが公爵家であろうとも例外ではない、ゲームの中だとクロウは怒っていたが、憑依?した側の俺にとっては主人公達を監視できるまたとないチャンスだ。
「それについては大丈夫です、奥様も旦那様も既に外で待機しています」
「それを先に行って、親を待たせる子供とかあり得ないだろ」
ゲームの中だと駄々を捏ねて両親が渋々送ったと書いてあるが、そんな恥ずかしい事出来るわけない。
この辺の歴史改変は大丈夫だろう、主人公達はクロウの過去なんて知らないし、興味もない、なら学園編に入るまでの事は大抵の事はなんとかなる。
「では、急ぎましょう」
「ああ」
少し早歩きで歩き玄関のドアを開ける、そこには今まで支えてくれたメイド達とクロウの父アイオ•チューリアと母メフィナ•チューリアが待っていてくれていた。
「おお!クロウ遅かったじゃあないか」
「遅刻の時間ではありませんが、もう少し余裕を持って行動しましょうね?」
「はい、父さん、母さん」
父は公爵家の仕事が多く、それ故に忙しく同じ家にいるのに中々会えない状況が続いたが、それでもクロウの事を第1に考えてくれる父親で
母は1人息子であり、跡取り、そして何より生まれて初めての自分の子供という事で誰よりも甘やかして来た、だからこそある程度の無理は出来たのだ。
「クロウ、チューリア家として恥じぬ行いをしてくれよ?」
「クロウちゃんは良い子だから大丈夫だよね?」
「…善処します」
嘘だ、父と母には悪いが、この世界がゲームにの世界に酷似している以上、ある程度の事は出来るが、基本的に史実通りに動かないと本編が終わってしまうのだ。
何回も言うがクロウは主人公とヒロインの好感度を上げる為にも必要なクズキャラで彼がいなければ魔王を倒す仲間が揃わない可能性が大いにある。
(だからこそ、誰かに任せる事で起こるタイムパラドックスが起きたら何が起こるかわからなくなるからな)
タイムパラドックスとは、タイムトラベルが実現した場合起こりうる現象である。もしくはそれを由来とした1998年生まれの競走馬。
本来は歴史を修正しようとする世界の意思があるわけだが、それがたまに失敗に終わり
マルチバース、枝、パラレルワールド、多次元並行世界など様々なIFが生まれる。
この世界もクロウ•チューリアが現れた事で少なからずそれが起こっている、だからこそ歴史に逆らう事は基本してはいけないのだ。
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ユーナ•クリスティナ
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