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最終章 ~彼らの終着点~

第六百三十九話 慣れないカッコつけは言わない方が良い

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~フローラ邸 別荘地~

イリス•フローラが持っている土地の一つにミュウ達の新しい家が建築された、家といっても🏠こう言った家ではなく、貴族達が暮らす豪邸の様な造りになっている

そんな所にエイト、シルフィ、アリア、エルも一緒に暮らしている

結婚式ではエイトとミュウだけの形だったが、シルフィ、アリア、エルもエイトと結婚している

「それで主様、ワシ達に説明してくれるのじゃろ?」

「ああ、歩きながら話すのも結構疲れるし、ミュウだってあの格好じゃ疲れると思ってな」

片付けぐらい着替えてからすればいいのにそうしなかった為、ミュウの脚はかなり疲れていた

「ありがとうエイト」

「ミュウ様脚のマッサージをしますのでその場で着替えさせていただきます」

シルフィもエイトの話が気になる為、本来ならば着替え室かミュウの部屋で着替える所をここで着替えさせている

「いいわ、私もエイトの話が聞きたいし」

「あたしもです」

ミュウもアリアも話が聞きたいらしく、その場でエイトの事を見ている

「そうか?なら話すよ」

そう言ってエイトは咳き込んで痰を飲み込む、吐き出してもいいが汚いので飲んでおく(それも十分汚いが…)

「エルは言った俺達は初夜程度じゃ何も変わらないと」

正確にはアリアとエルの

「兄様との初夜…なんかいつも通りの気がしますね」

「変わらないのじゃな」

と言う言葉なのだが、そこは気にしないでおく

「でも主様は"変わる"と言ったのじゃ」

「そう、俺達は変わるんだ…ここからな」

「「「「ここから?」」」」

結婚した、つまりそこからが人生の新たなスタートと言う事だろうか?
そうミュウが尋ねると

「なんだ分かってんじゃん」

「「「「は?」」」」

「嫌だって結婚する為に旅をして、結婚したら"はい終わり!"なんてダメでしょ?」

「それはそうですけど、エイトさんの事ですから他にも意味があると思ってましたよ」

なんか別の意味があると思ったのになんだか拍子抜けでシルフィは笑いながらため息をこぼす

「意味なんてないよ、だってやっと皆んなと一緒にいられるんだろ?」

「今までもいましたよ?」

「これからもずっといられる様になったじゃん」

エイトの言葉にも意味がある、旅が終わった時にも言ったが、これでエイト達の問題は終わったのだ

「カイトも女神も敵組織も異世界も厄災も暗黒神も結婚の条件も爵位問題も全部終わったんだそれまでの間に男女交わりがあったとしてもいつ死ぬかも分からない状況だった」

「だけどそれは全て終わった」

「そう、ミュウの言う通り全て終わった、だからこそ新しい人生を新しい日々を皆んなで一歩踏み出す事が出来るんだ」

確かに問題が多くて解決するにも8ヶ月くらいかかり、リセット前の世界では一度負けて死んでいるし

リセット後の世界でもエイト達(主にエイト)は何回も死にかけている

そう考えると死ぬ心配もなく愛する人達と暮らせる生活やその初夜も新しく「変わった」日々を送れる始まりの合図…かもしれない

「…なんかしまらないなぁw」

「兄様がなんかカッコいい事を言おうとしたからですよ」

どストレートな正論に「ウグッ」と胸を抑えるエイト

「エイトさんはそう言うキャラじゃないないんですから、変な事を言わなくてもいいんです」

「シルフィ?」

「主様はワシをもふもふしておれば良いのじゃ」

「主旨違くね!?」

「ぷっあはははw」

なんかカッコいい事を言おうとして、滑ってボロクソ言われているエイトの姿を見てミュウは笑う

「ミュウ!?」

「いやwこれが私達だなぁってw」

「え!?」

「私達はそんな難しい事は求めてないのよ、ただ好きな人とずっと過ごしたい、その為に旅をしてたんだから」

問題なんて関係ない、救いたいから救った、守りたいから守った、助けたいから助けた、ただただそれだけの事だ

世界の平和とか人類の未来の為にとかそんな事は一度も考えた事がなかった

「そうだな、俺はミュウとの結婚を認めてもらう為に旅をしただけだからな」

「それがいつの間にか世界を救った英雄になるんですからね」

「兄様って意外と凄いんですから」

「うむ」

なんかまたバカにされている気がするが、気にしないでおこう

——————————————————————
「それで?エイトさんは初夜をするんですか?」

「シルフィはしたくないの?」

「搾り取ります」

「私も参加するからね?」

「あたしも!」

「ワシもじゃ!」

「…新たな命の危機に瀕している」




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