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最終章 ~彼らの終着点~
第六百三十八話 変わらない?いや変わるさ
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~数時間後~
「皆様足元に気を付けてお帰りください」
「本日はありがとうございました」
エイトとミュウはそう言ってお辞儀をする
結婚式後の披露宴(二次会)は特に問題なく終わり
エイト達は結婚式場として貸してくれた神父達と一緒に後片付けをしていた
「わざわざそんな事をしなくても良いんですよ?」
「心配しないで下さい、俺達がしたくてしているんですから」
「私達の結婚式だったんですからこれくらいはやらせてください」
本来であれば主役の2人はそのまま家へと向かい…「初夜」…を迎える、筈なのだが
2人は既に「そう言った関係」なので、今更なのである
「そうですか、でしたら早く終わらせましょう」
「そうですね、シルフィ!」
「かしこまりました」
エイトがそう叫ぶとシルフィはメイドとしてのスキルを活かして誰よりも早く片付け始める
「あたしも手伝います!」
「ワシもじゃ!」
アリアとエルも片付けを手伝ってくれて、1時間程度で全ての片付けが終わった
「ありがとうございます、皆さんも帰路には気を付けてお帰りください」
「はい、ありがとうございました」
エイトは頭を下げるとミュウ達と一緒に帰路に着く
ちなみにエイトとミュウの両親は披露宴が終わった時に「後はごゆっくり」と言ってそそくさと帰ってしまった多分「初夜」の事を言っていたのだろう
朝に行われた結婚式も今はもうお昼時に近い時間帯になってしまった
「と言うかお昼の時間帯で"初夜"っておかしくない?」
「おかしいですね」
「なぁ主様初夜とはどう言う意味なのじゃ?」
ミュウがまだ昼なのに夜の事を言われて不思議がっているとアリアと違って分かっていないエルが聞いてくる
「2つ意味があって一つ目は最初の特に、新婚夫婦として迎える初めての夜、と言う意味と初夜、神父さんが言っていたのはこれだな」
「ふむ、それでもう一つの意味は?」
「もう一つは夜の、初めの方の部分、初更と言われるもので今の午後七時~九時ごろまでのことを言うんだまた、その時に行う読経とも言うね」
「初更と読経は?」
エイトの質問に更に疑問を持ったエルが聞いてくる
「初更は五更の1番最初の更で一夜の、昔の五区分法、つまり夜の時間を5つに分けたんだ
ほぼ午後七時から二時間ずつに区分して、初更(甲夜)・二更(乙夜(いつや))・三更(丙夜)・四更(丁夜)・五更(戊夜(ぼや))の5つに分けられるんだ」
「主様詳しいのじゃ」
「まぁ江戸時代をモチーフにしたゲームとかでよく使われるからそれで覚えていただけんだけどな?」
それでもここまで詳しく話せるのはGoo⚪︎le先生の力を借りて覚えたのだろう
「それで読経とはなんじゃ?」
「読経は声を出してお経を読むことだな」
「なんか初更の時よりもあっさりなのじゃ」
「…その手の事調べても出て来ないんだよ」
多分夜にお経を唱える時間帯が初更の時だと思うのだが、実際の所はよくわからない
しかしエイト達はそれを気にする必要はあまりない
そもそも結婚式後の初夜の事を言っているだけで、それ以外の事は「へーそうなんだー」程度の話だ
「そうなのじゃな、主様よありがとうなのじゃ」
「いいよ、自分の知っている知識が役に立つならそれで十分だよ」
役に立たない知識よりも役立つ知識の方が良いに決まっている、こう言った事で役に立つのなら覚えておいて本当に良かったと思う
「さ、帰ろうぜ」
「そうね、時間がかかるけど初夜まで後数時間」
「それまでの間に色々と準備をすれば良いのですね?」
「兄様との初夜…なんかいつも通りの気がしますね」
「変わらないのじゃな」
アリアとエルの言葉にエイトは首を振る
「いや、変わるさ」
「え?」
——————————————————————
「どう言う事なのじゃ?」
「家に帰ったら話すよ」
「皆様足元に気を付けてお帰りください」
「本日はありがとうございました」
エイトとミュウはそう言ってお辞儀をする
結婚式後の披露宴(二次会)は特に問題なく終わり
エイト達は結婚式場として貸してくれた神父達と一緒に後片付けをしていた
「わざわざそんな事をしなくても良いんですよ?」
「心配しないで下さい、俺達がしたくてしているんですから」
「私達の結婚式だったんですからこれくらいはやらせてください」
本来であれば主役の2人はそのまま家へと向かい…「初夜」…を迎える、筈なのだが
2人は既に「そう言った関係」なので、今更なのである
「そうですか、でしたら早く終わらせましょう」
「そうですね、シルフィ!」
「かしこまりました」
エイトがそう叫ぶとシルフィはメイドとしてのスキルを活かして誰よりも早く片付け始める
「あたしも手伝います!」
「ワシもじゃ!」
アリアとエルも片付けを手伝ってくれて、1時間程度で全ての片付けが終わった
「ありがとうございます、皆さんも帰路には気を付けてお帰りください」
「はい、ありがとうございました」
エイトは頭を下げるとミュウ達と一緒に帰路に着く
ちなみにエイトとミュウの両親は披露宴が終わった時に「後はごゆっくり」と言ってそそくさと帰ってしまった多分「初夜」の事を言っていたのだろう
朝に行われた結婚式も今はもうお昼時に近い時間帯になってしまった
「と言うかお昼の時間帯で"初夜"っておかしくない?」
「おかしいですね」
「なぁ主様初夜とはどう言う意味なのじゃ?」
ミュウがまだ昼なのに夜の事を言われて不思議がっているとアリアと違って分かっていないエルが聞いてくる
「2つ意味があって一つ目は最初の特に、新婚夫婦として迎える初めての夜、と言う意味と初夜、神父さんが言っていたのはこれだな」
「ふむ、それでもう一つの意味は?」
「もう一つは夜の、初めの方の部分、初更と言われるもので今の午後七時~九時ごろまでのことを言うんだまた、その時に行う読経とも言うね」
「初更と読経は?」
エイトの質問に更に疑問を持ったエルが聞いてくる
「初更は五更の1番最初の更で一夜の、昔の五区分法、つまり夜の時間を5つに分けたんだ
ほぼ午後七時から二時間ずつに区分して、初更(甲夜)・二更(乙夜(いつや))・三更(丙夜)・四更(丁夜)・五更(戊夜(ぼや))の5つに分けられるんだ」
「主様詳しいのじゃ」
「まぁ江戸時代をモチーフにしたゲームとかでよく使われるからそれで覚えていただけんだけどな?」
それでもここまで詳しく話せるのはGoo⚪︎le先生の力を借りて覚えたのだろう
「それで読経とはなんじゃ?」
「読経は声を出してお経を読むことだな」
「なんか初更の時よりもあっさりなのじゃ」
「…その手の事調べても出て来ないんだよ」
多分夜にお経を唱える時間帯が初更の時だと思うのだが、実際の所はよくわからない
しかしエイト達はそれを気にする必要はあまりない
そもそも結婚式後の初夜の事を言っているだけで、それ以外の事は「へーそうなんだー」程度の話だ
「そうなのじゃな、主様よありがとうなのじゃ」
「いいよ、自分の知っている知識が役に立つならそれで十分だよ」
役に立たない知識よりも役立つ知識の方が良いに決まっている、こう言った事で役に立つのなら覚えておいて本当に良かったと思う
「さ、帰ろうぜ」
「そうね、時間がかかるけど初夜まで後数時間」
「それまでの間に色々と準備をすれば良いのですね?」
「兄様との初夜…なんかいつも通りの気がしますね」
「変わらないのじゃな」
アリアとエルの言葉にエイトは首を振る
「いや、変わるさ」
「え?」
——————————————————————
「どう言う事なのじゃ?」
「家に帰ったら話すよ」
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