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最終章 ~彼らの終着点~

第六百三十六話 両親のお祝い🥂

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「あ、いたいたおーいエイトー!」

「ん?」

イリスに今後の貴族生活について教えてもらっていると、エイトの両親がやって来る

「父さん、母さん」

「エイト、結婚おめでとう、まさか本当に貴族様になるなんてな」

「ええ、貴方は私達の誇りよ」

ゲイツハーシャはそう言うとエイトの頭を撫でて来る

「父さん、母さん、俺もう19歳だぞ?もう子供扱いはやめてくれよ」

「良いじゃないか、俺達にとって息子はいつまでも子供のままなんだよ」

「そう言うことよ、諦めて撫でられなさい」

払う事も出来るが、どんな時でも自分の味方だった父と母のわがままだ、これくらいは我慢しておこう

「仲が良いんですねぇ」

「イリス様!?」

「これはとんだご無礼を!」

公爵家当主を無視してしまった2人は慌てて謝罪するが、イリスは「いえいえ」と顔を上げさせた

「良いんですよ、自分の子供達の結婚式なんですから、これくらいはいいですよ」

「どうぞこちらへ、今紅茶を淹れますね」

イリスもエイト達にああ言っているが、実際の所は娘の結婚式っという事でかなり浮かれている…なので

「ぺぷし!」

「「…コーラ?」」

つまずいて転んでいる
シルフィがその後しっかりと立たせているので特に問題ないが、いつもは優しく、そして厳しい母親がエイトを愛でる時の様に素(?)を見せてくれるのは中々ない

「大丈夫ですか!?」

「お怪我は!?」

「平気ですよ、お2人も私に構わずエイト君の所へ」

「それと紅茶です、喉が渇いた時にお飲みください」

エイトの隣にある机の上に紅茶の入ったコップを置く、ほのかに香る甘い匂いがとても良い

「ありがとうございます」

「いえ、これもメイドの仕事ですから」

そう言ってそこから少し離れる、親子での会話に邪魔にならない様に配慮してくれている

「それじゃあ改めて、エイト、結婚おめでとう」

「ありがとう、父さん」

「まさか16歳で婚約して、19歳で結婚するなんて驚いたわ」

「俺だって驚いているよ、ミュウとの結婚だって普通じゃ出来ないんだから」

前世では幼馴染みで恋人関係だったが、今世では違う、今世ではエイトは平民の息子、ミュウは貴族の娘として産まれている

昔の日本の様に身分がある場合身分の差があると自由恋愛も出来ないし自由に結婚も出来ない

親同士の繋がりを良くしたり、皇族との繋がりを作る為に道具として使われる事もある、何の利用価値もない平民との結婚なんてあり得ないのだ

「それが出来たのはエイトとミュウ様の努力のお陰だよ」

「様はいりませんよお義父様、私達は義理とは言え家族になるんですから敬語も不要です」

「それは非公式の場ではそうさせていただきますが、こう言った公式の場では控えさせていただきますね」

ハーシャの言う通りだ、イリスも言っていたが貴族というのは色々と面倒な社会だ、ハーシャ達の様な一般市民が公の場でタメ口、様付けなしをすると他の人達にも悪影響を及ぼす為基本的にはやらない方が良い

「でも、エイトは良いのか?こいつも一応公爵だぞ?」

「俺は元平民だし、父さん達の実子だよ?そこは別に良いんじゃない?」

「私達の息子なのに様付け敬語なんて、他人みたいで嫌だわ」

そこも時と場所によるだろう、基本的には大丈夫だと思うが、他国の貴族や王などと言った所では多少使った方が良いかもしれない

「父さんと母さんはそのままでいてくれ、アイ、メグミ、サユリみたいに変わっちゃったら本当に嫌だからな」

「大丈夫だよ、俺が他の女に走ると思うか?」

「そうよ、もしそんな事をしたら手足を引きちぎって一生監禁させるから」

サラッとえげつない事を言っているがハーシャなら本当にやるので冗談では済まない

「貴方達も私の夫みたいに浮気しちゃダメよ?」

「大丈夫よお母様、私達にはこの指輪があるから」

そう言ってミュウとエイトは今日はめた指輪を見せる

——————————————————————
もうそろそろエピローグに入ります





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