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最終章 ~彼らの終着点~
第六百二十八話 貴族には貴族の辛さがある
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~夕食~
貴族の食事は平民とは違う、前にお邪魔した時に料理出来たのはメイドのシルフィに色々と教えてもらっていたからだ
「改めて見ると、エイトは食事の仕方が綺麗ね」
「そうですか?」
ミュウの母イリスにエイトはそう褒められる、食事の仕方、つまり食べ方もエイトはそれなりに出来ていた
「当然です、エイトさんは私達と一緒に暮らしていたんですよ?それくらいのことは教えます」
「これなら結婚後もある程度はスムーズに出来ますね」
メイルが言う「ある程度」とは貴族社会にとって必要な食事会の事だ
それ以外の時でもいいし、国王との謁見やその他の貴族と会う時にも食事に誘われる事がある
その時にマナーが悪いとその家の顔に泥を塗る事になる、だからこそエイトの様にある程度出来るのは有り難いのだ
「ええ、基礎が出来ていれば、後は細かな所を治せばフローラ家として出しても心配はないわ」
「それに関しては…善処します」
とは言えエイトは平民、日本でも上流階級ではなく一般市民、住む世界が違うのだ
「頑張りましょう、エイトさん」
「ああ、よろしく頼むよ」
ミュウに教えて貰うのも良いが、やはりここは基本が出来ているシルフィに頼んだ方が1番良い
「ミュウもよ?貴女の食べ方エイトよりも下手くそになっているわよ?」
「ウグッ!?…久しぶりに食べたから感覚が…」
その言葉にイリスはため息をこぼす、ミュウは前世ではエイトと同じく一般市民だが、この世界では貴族だ、記憶を取り戻す前までは普通に貴族社会の1人として生活していた為、エイトより出来てないとおかしいのだ
「仕方ないわね…メイル」
「はい、イリス様」
「ミュウを徹底的にしごきなさい、遠慮はいらないわ」
「かしこまりました」
そして「早速」と一言だけ言うと、ミュウの横に立ち、恐ろしい威圧をかけてくる
「ひっ!?」
「ミュウ様、お手元がお留守ですよ?感覚がないのなら戻るまで徹底的にやりますからね?」
「貴女達もよ?」
「「!?」」
その様子を眺めていたアリアとエルにもイリスは「ギロッ」と睨みつける
「アリアン…いえ、今はアリアでしたっけ?」
「はい」
「貴女は形は出来てますけど持ち方がダメですね」
イリスの様によくアニメとかでよく見る上品な女性貴族が食事する時のシーンの様に1つ1つに無駄のない動きをしている
「そして…エル、でしたっけ?」
「うむ、そうなのじゃ」
「貴女はもっとダメですね、公爵家の1人となるのでしたら、治してもらいますよ?」
「お…お手柔らかにお願いします…なのじゃ」
目が笑っていないイリスの前にアリアとエルは驚愕する、多分生半可な気持ちでやれば恐ろしい事になるのは言わなくてもわかる
「でも、俺達は明日帰るんですよ?一夜漬けで出来るものなんですか?」
「大丈夫よ、家を引き払って私達の家に帰って来てからでも十分出来るわ」
「あ、帰る前提なんですね」
「当たり前よ、貴方達はフローラ家の人間になるんですよ?カルデア王国にはずっといられないわよ?」
それもそうだ、元々ミュウ達は国同士の友好の証としてカルデアに来たのだ、卒業し、カルデア王との約束事も終わった今、いる意味がないのだ
「家も引き払わないといけませんね」
「そうなのか…シルフィ、お前やミュウ達と一緒に過ごしたもう一つの俺の家も、なくなるんだな」
建て壊しはしないが、しばらくの間は無人となるだろう、しかしフローラ家に行くとなればそれも見る事が出来ない
「何だか寂しくなるな、俺達の家が、思い出が消える様な気がして」
「大丈夫よエイト、私達の思い出はずっと心の中に残り続けるわ、それにここが貴方のもう一つの家になるんだから」
「…そうだよな、ここも帰るべき場所になるんだな、ありがとうミュウ」
「どういたしまして♪」
——————————————————————
「でも、帰って来たら徹底的にやるからね?」
「…俺はシルフィに習うから、ミュウ頑張れ!」
「私と貴方はずっと一緒、なら貴方も道連れよぉ?」
「私がさせませんからご安心ください」
「あたし達はメイルか…」
「…嫌な予感しかしないのじゃ」
「…泣いても許しませんからね?」
貴族の食事は平民とは違う、前にお邪魔した時に料理出来たのはメイドのシルフィに色々と教えてもらっていたからだ
「改めて見ると、エイトは食事の仕方が綺麗ね」
「そうですか?」
ミュウの母イリスにエイトはそう褒められる、食事の仕方、つまり食べ方もエイトはそれなりに出来ていた
「当然です、エイトさんは私達と一緒に暮らしていたんですよ?それくらいのことは教えます」
「これなら結婚後もある程度はスムーズに出来ますね」
メイルが言う「ある程度」とは貴族社会にとって必要な食事会の事だ
それ以外の時でもいいし、国王との謁見やその他の貴族と会う時にも食事に誘われる事がある
その時にマナーが悪いとその家の顔に泥を塗る事になる、だからこそエイトの様にある程度出来るのは有り難いのだ
「ええ、基礎が出来ていれば、後は細かな所を治せばフローラ家として出しても心配はないわ」
「それに関しては…善処します」
とは言えエイトは平民、日本でも上流階級ではなく一般市民、住む世界が違うのだ
「頑張りましょう、エイトさん」
「ああ、よろしく頼むよ」
ミュウに教えて貰うのも良いが、やはりここは基本が出来ているシルフィに頼んだ方が1番良い
「ミュウもよ?貴女の食べ方エイトよりも下手くそになっているわよ?」
「ウグッ!?…久しぶりに食べたから感覚が…」
その言葉にイリスはため息をこぼす、ミュウは前世ではエイトと同じく一般市民だが、この世界では貴族だ、記憶を取り戻す前までは普通に貴族社会の1人として生活していた為、エイトより出来てないとおかしいのだ
「仕方ないわね…メイル」
「はい、イリス様」
「ミュウを徹底的にしごきなさい、遠慮はいらないわ」
「かしこまりました」
そして「早速」と一言だけ言うと、ミュウの横に立ち、恐ろしい威圧をかけてくる
「ひっ!?」
「ミュウ様、お手元がお留守ですよ?感覚がないのなら戻るまで徹底的にやりますからね?」
「貴女達もよ?」
「「!?」」
その様子を眺めていたアリアとエルにもイリスは「ギロッ」と睨みつける
「アリアン…いえ、今はアリアでしたっけ?」
「はい」
「貴女は形は出来てますけど持ち方がダメですね」
イリスの様によくアニメとかでよく見る上品な女性貴族が食事する時のシーンの様に1つ1つに無駄のない動きをしている
「そして…エル、でしたっけ?」
「うむ、そうなのじゃ」
「貴女はもっとダメですね、公爵家の1人となるのでしたら、治してもらいますよ?」
「お…お手柔らかにお願いします…なのじゃ」
目が笑っていないイリスの前にアリアとエルは驚愕する、多分生半可な気持ちでやれば恐ろしい事になるのは言わなくてもわかる
「でも、俺達は明日帰るんですよ?一夜漬けで出来るものなんですか?」
「大丈夫よ、家を引き払って私達の家に帰って来てからでも十分出来るわ」
「あ、帰る前提なんですね」
「当たり前よ、貴方達はフローラ家の人間になるんですよ?カルデア王国にはずっといられないわよ?」
それもそうだ、元々ミュウ達は国同士の友好の証としてカルデアに来たのだ、卒業し、カルデア王との約束事も終わった今、いる意味がないのだ
「家も引き払わないといけませんね」
「そうなのか…シルフィ、お前やミュウ達と一緒に過ごしたもう一つの俺の家も、なくなるんだな」
建て壊しはしないが、しばらくの間は無人となるだろう、しかしフローラ家に行くとなればそれも見る事が出来ない
「何だか寂しくなるな、俺達の家が、思い出が消える様な気がして」
「大丈夫よエイト、私達の思い出はずっと心の中に残り続けるわ、それにここが貴方のもう一つの家になるんだから」
「…そうだよな、ここも帰るべき場所になるんだな、ありがとうミュウ」
「どういたしまして♪」
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「でも、帰って来たら徹底的にやるからね?」
「…俺はシルフィに習うから、ミュウ頑張れ!」
「私と貴方はずっと一緒、なら貴方も道連れよぉ?」
「私がさせませんからご安心ください」
「あたし達はメイルか…」
「…嫌な予感しかしないのじゃ」
「…泣いても許しませんからね?」
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