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最終章 ~彼らの終着点~

第六百三話 救いようがない

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「これを本気で言ってるから怖いんだよなぁ」

「好感度アップの効果もReset前の洗脳の効果もなくなっていると思ったんだけど、本当に効果が残っているなんて」

エイトとミュウにとってこの頭を悩ませる彼女達はようやく終わったものだと思っていた事の1つだったので、もういい加減にしてほしいという気持ちがとても強くなった

「本当に効果が残っているんですか?さっき解けているとか言いませんでしたか?」

「言っていませんよシルフィ姉様」

「うむ、死んでも治らんと言ったのじゃ」

よく敵を倒せばそれによって洗脳された者達が正気を取り戻す、みたいな事があるが、それは洗脳の類いであって、好感度を上げるだけの能力では意味がないらしい

惚れ薬の効果が永遠に続くみたいなものだと思えば…いや、麻薬と思えば想像つくだろう

麻薬には中毒性があり、それがなければ生きていけなくなるが、心と身体を徐々に破壊する恐ろしいものだ

「カイト君は生きているわ!」

「さっき死んでるみたいな事を言わなかったか?」

「言葉のあやよ!兎に角!貴方のようなクズにミュウを渡すわけにはいかないの!」

この光景を見てわかると思うが
カイトが「薬物」
好感度アップが「快楽」
彼女達が「依存性、中毒」

これによって狂信者とも言えるような言葉は通じるのに話が通じない頭のおかしい人間の誕生だ

「言葉のあやではない、カイトは死んだ、俺達がこの目で確認した」

「それに貴女達が何で私の事を勝手に決めるの?」

カイトは魔獣となってエイト達に襲い掛かり、エイトとミュウの2人によって死んだ

アイ、メグミ、サユリの3人の様に
元々はエイトの義理の姉妹や幼馴染みと言う事でせめて親達に渡して埋葬しようと考えるが

全ての元凶で、コイツのレイプハーレムなんてものを作りたくないので素直に嫌だ

「貴女!カイト君の恩を忘れたの!」

「そうよ!誰のおかげで今まで生きてこられたと思っているの!!」

「隣にいるエイトさんのおかげですね、彼がいなければここにいる事はなかったでしょう」

「そもそもカイトへの恩なんてないですけどね?」

上から目線で思い込みが激しく、脳内変換してから叫んでくるので説明しても理解されなくて困る

シルフィとアリアが事実を伝えても…

「貴女達は洗脳されているの!」

「そうよ!だから早く元に戻って!」

と、自分達が全て正しく、それ以外の事は全て「洗脳されているから」と都合良く解釈する為、自分の過ちを認めない

「…此奴らを殺したいのじゃ」

「エル、駄目だよ、こんな所で殺したら捕まっちゃうよ?」

「構わぬ、此奴らのような犬の糞に群がるハエの如く鬱陶しい奴らなぞ、この手で始末してしまった方が良いのじゃ」

エイトが何とか止めているが、すでにエルを筆頭に殺意が高まっている、このままだとこの辺りが血祭りに状態になってしまう

「国王様、いかがいたしましょうか?」

「私か?」

「はい」

ここは国王に任せた方がいい、彼女達のせいでミュウ達が愚痴を吐き始めてしまったが、そもそもここは国王のいる部屋

周りの貴族や国王があまりにも奇想天外な行動をとるカイトの彼女達に唖然としていただけだ

「そもそも、衛兵はどうした」

「衛兵?ああ、私達の邪魔をした兵士達ね?殺したわよ?」

「…何?」

「私達はこの不当な行いに対して正義の鉄槌を下すために来たのにそれを邪魔したんだもの、殺して当然よ」

国王の問いにそう答える、通りで入り口の所に兵士がいなかったわけだ、エイト達が入り口にいた時にはおそらく彼女達と戦っていたのだろう

「国王様の兵士を殺した、つまりこれは」

「はい、理由も国王様の行いは悪だとおっしゃり、城に乗り込んだ」

「間違いなくこれは」

「国家反逆…じゃな」

ミュウ、シルフィ、アリア、エルはそう言って武器を構える、そしてエイトは確認をする

「国王様、彼女達をどうしますか?」

「捉えて無力化させよ、それが終われば帰っても構わん」

——————————————————————
「と言う事だ、お前ら覚悟しろよ?」

「貴女達程度、5秒で十分よ」

「皆さん他の方達もいます、お気をつけてください」

「なら、魔術で動きを止めます」

「ワシ達に喧嘩売った事後悔するのじゃ」


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