幼馴染み達がハーレム勇者に行ったが別にどうでもいい

最終章 ～彼らの終着点～

第五百九十八話 もう一つの家

～ミュウ別荘～

「…帰ってきましたね」

「そうね、何年振りに帰ってきた、そんな感じがするわ」

門の前でシルフィとミュウは呟く、約8ヶ月もの間空けていた自分達のもう一つの家

ミュウがカルデア学園に通う際に買ったフローラ家の別荘地、そしてエイトが約3年間過ごしたもう一つの家

「なんか懐かしいな」

「兄様？」

「約3年と半年前、俺はここに住み始めた、まだそんなに日が経っていないのにまるで自分の家みたいな感じになっているんだ」

それくらいエイトにとってこの家は大切な物の１つに入っている、と言う事だ

「主様よワシ達も同じ気持ちじゃ、ここでは色々と"見させて貰ったから"のぅ…早く入るのじゃ」

「…エル、ちょっと言っている意味が怖い様な気がするんだけど…？」

「気のせいなのじゃ」

ここには自分エイトとミュウ、シルフィとアリアアリアンの4人で暮らしていた、側はたから見ればハーレムに見えるだろうが、肉食獣の檻の中に入る様なものだ(意味深)

「そんな事を言うなら兄様、あたしはこの家で1回もないですからね？」

「なぁ夜戦(意味深)の事言ってる？」

「言ってませんよ？」

明らかに目が変わり始めている事に気づくが、どうしようもないので軽く抵抗する(意味ないけど取り敢えず)

「みゅぅ…エイト早く入ろうよ、私もう我慢できないよぉ」

「眠いって意味だよな？」

「それもあるけど…ね？」

「ね？じゃないのよ、寝ようよ」

徹夜で飲んだり食べたりして、しかも8時間以上も立ちっぱなしの為そろそろ足が限界なのだ

風呂に入って泥の様に寝たい、それが今の本心だ

「大丈夫ですよエイトさん」

「シルフィ？」

「皆んなで寝るだけですから、エイトさんは天井のシミの数を数えるだけで良いんですよ？」

「襲う気マンマンだよね？もう喰う(意味深)気マンマンだよね？」

もう隠す事すらやめて(意味深言語)する気が分かる、いつもならOKだすが、今回は流石にヤバい

「なぁ、今日はもう寝ないか？お前達ももう無理だろ？」

「…まぁ正直に言えば結構キツイ」

「休みたいです」

「満腹で吐きそう」

「もふもふする？」

1人だけ変な事を言っているが無視をする(のじゃ！？)
4人ともやる気はあるがそれを出来るだけの気力と体力はもうないらしい

多分半分冗談で言ったのだろう、後日の事を覚悟するが、今は兎に角休みたい

「なら早く入ろう、風呂は…掃除は兎も角先ずは湯船を張るか」

「魔法で良いんじゃない？本当は手作業が良いけど軽くで良いならそれで終わりせましょ？」

「寝衣ねまきの服を用意致しますね、皆様は先に入っていて下さい」

「兄様も勿論入りますよね？」

「入るじゃろ、ワシらの身体なぞあんまし関係ないじゃろ？」

先ずは汚れた身体を洗う、幸い湯船に浸かる事が出来る風呂なので日本式でゆっくりと入ろう

そうすれば後はすぐに眠れるはずだ、自分達は本当に頑張ったと思う
18歳と言う若さで、たった一つの願いの為にここまで命をかけて来たのだ、自分で褒めてもバチは当たらないだろう

「草もぼうぼう、落ち葉がヤバいほどあるな」

「部屋の中は埃まみれかなぁ…」

「掃除は明日にしましょう、アリア後でエイトさんの部屋の窓を開けて風魔術で埃とかを吹き飛ばしてください」

「わかりました」

「埃まみれの部屋じゃと喉を潰すからのぅ、換気はせんとな」

門から屋敷の入り口まで歩く、エイトの言った通り、周りは雑草が生い茂り、木々の枯葉が絨毯の様に落ちている

屋敷の中は窓を閉めているが隙間から埃は入ってくるだろう、今日1日休んだら、今度は大掃除をするしかないだろう

「…あ、エイトちょっと待って」

「ん？」

「いいから、いいから」

ミュウは駆け出し、入り口前で立ち止まる、そしてこちらに振り返って大きく手を広げる

「おかえり！エイト！」

「…ああ、ただいま」

——————————————————————
「…ミュウ様、私達は？」

「兄様だけずるいですよ？」

「やり直しなのじゃ！」

「だってよ、ほら」

「分かったわよ、もう…みんな、おかえり！」

「「「ミュウ(様姉様)もおかえり(なさいなのじゃ)！！！」」」

「…っ！！！…ええ、ただいま！」