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最終章 ~彼らの終着点~
第五百九十三話 祝賀会
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~王城客間~
数十分前、国王から祝賀会を開催するにあたって少しばかり準備が必要との事でエイト達はそれまでの間客間で待機していた
「なぁ、エイト」
「ん?」
「俺達もここに居て良いのか?平民がこんな所にいて良いものなのか?」
そしてそこにはエイトの両親とミュウの母とメイドも含まれている
「そんな事を言ったら俺だって平民だよ」
「でも、私達は別に何もしていないのよ?それなのにこんな待遇を受けちゃって…」
「気にし過ぎですよお義母さん、貴女は公爵の母となる方です、これからも呼ばれる事があると思いますよ」
例えば公爵の爵位を正式に受け取る時や、ミュウとの結婚式などこの後すぐに起きるであろう出来事でも2つはあるのだ、慣れないと大変だ
「そうですね、それに本当は私の両親も呼びたかったです」
「それは何故ですか?」
「結婚する相手の親に挨拶をする、それが出来なくて悲しいのです」
シルフィの言葉にアリアは共感する、実際公の場で結婚式を大体的に出来るのはミュウくらいだが、身内だけで密かに行えば側室として迎え入れられるだろう
「主様は結局皆を選ぶのか?」
「俺は選びたいと思ってるよ、でもイリスさんがそれを許可してくれるかどうか…」
と、ミュウの母、イリスに視線を向けると「あら?」と首を傾げながらこちらを見つめる
「私は言いましたよね?お義母様と呼んでくださいと、それと」
「他の皆も幸せにする、シルフィ、アリア、エルを私の生涯をかけて(ずっと)幸せにする…そう言いました」
ミュウがエイトを連れて帰省した時に秘密基地で話していた事だ
その言葉には嘘偽りはなく
こんな自分を好きでいてくれる、側にいてくれる4人を不幸にさせたくない
「そうよ、そしてミュウ」
「はい」
「貴女も約束したわよね?」
ミュウは「はい」と頷き、昔言った言葉をもう一度言う
「エイトを支えて、2人ではなく"5人"で幸せになってみせます」
「そうよね?」
イリスは「覚えているじゃない」と微笑みながら話し、シルフィ達に声をかける
「貴女達も言う事があるでしょ?」
「はい、私の終身雇用先は今も昔も変わりません、転職なんて絶対にしません」
「あたしとの約束を叶えてくれましたけど、それで終わりではありません、彼がいる限りあたしはずっと側にいます」
「主はワシを救ってくれた恩人、この恩は一生かけて返すつもりじゃ」
あれから2年と8ヶ月
エイトがミュウとの婚約の話をしたのは高等部1年の頃だ
日本で言う所のゴールデンウィークの時にミュウの実家に帰省して婚約の許可を取りに行って来たのだ
「覚えているなら私は何も言う事はないわ、その約束を守ってくれる限り、私達フローラ家は貴方の味方よ」
「ありがとうございます、イリスさん…いえ、お義母さん」
「んー~!!!可愛い!!!」
イリスはエイトを抱き寄せて胸元で頭を撫でる、これも昔にやられた事だ
イリスには息子がいない、その為ずっと自分の息子が欲しかったのだ、浮気した夫は行方不明の状態で何処にいるかもわからないし
今更再婚するつもりもない
ではどうするべきか、答えは簡単だ、ミュウと結婚する男は必然的に自分の義理の息子になる
その子を自分の息子として愛せば良いのだ
「ちょっと!お母様!」
「イリス様、流石にエイトさんのご両親がいる前でその様な事はお控えください」
ミュウとシルフィがイリスを引き剥がし、エイトを両親の所へ渡す
「変な母ですが、どうぞこれからもよろしくお願いします」
「はは、大丈夫だよ、うちの妻だって変わらないからw」
「は?」
「すいません調子に乗りました許してください」
息子が欲しいあまりにエイトを溺愛するミュウの母、マクラレン家特有の「特定の人物(達)に死ぬほど愛される」と言う血統
ある意味で凄い両家の下、エイト達は祝賀会が始まるまで待機していた
——————————————————————
続く
数十分前、国王から祝賀会を開催するにあたって少しばかり準備が必要との事でエイト達はそれまでの間客間で待機していた
「なぁ、エイト」
「ん?」
「俺達もここに居て良いのか?平民がこんな所にいて良いものなのか?」
そしてそこにはエイトの両親とミュウの母とメイドも含まれている
「そんな事を言ったら俺だって平民だよ」
「でも、私達は別に何もしていないのよ?それなのにこんな待遇を受けちゃって…」
「気にし過ぎですよお義母さん、貴女は公爵の母となる方です、これからも呼ばれる事があると思いますよ」
例えば公爵の爵位を正式に受け取る時や、ミュウとの結婚式などこの後すぐに起きるであろう出来事でも2つはあるのだ、慣れないと大変だ
「そうですね、それに本当は私の両親も呼びたかったです」
「それは何故ですか?」
「結婚する相手の親に挨拶をする、それが出来なくて悲しいのです」
シルフィの言葉にアリアは共感する、実際公の場で結婚式を大体的に出来るのはミュウくらいだが、身内だけで密かに行えば側室として迎え入れられるだろう
「主様は結局皆を選ぶのか?」
「俺は選びたいと思ってるよ、でもイリスさんがそれを許可してくれるかどうか…」
と、ミュウの母、イリスに視線を向けると「あら?」と首を傾げながらこちらを見つめる
「私は言いましたよね?お義母様と呼んでくださいと、それと」
「他の皆も幸せにする、シルフィ、アリア、エルを私の生涯をかけて(ずっと)幸せにする…そう言いました」
ミュウがエイトを連れて帰省した時に秘密基地で話していた事だ
その言葉には嘘偽りはなく
こんな自分を好きでいてくれる、側にいてくれる4人を不幸にさせたくない
「そうよ、そしてミュウ」
「はい」
「貴女も約束したわよね?」
ミュウは「はい」と頷き、昔言った言葉をもう一度言う
「エイトを支えて、2人ではなく"5人"で幸せになってみせます」
「そうよね?」
イリスは「覚えているじゃない」と微笑みながら話し、シルフィ達に声をかける
「貴女達も言う事があるでしょ?」
「はい、私の終身雇用先は今も昔も変わりません、転職なんて絶対にしません」
「あたしとの約束を叶えてくれましたけど、それで終わりではありません、彼がいる限りあたしはずっと側にいます」
「主はワシを救ってくれた恩人、この恩は一生かけて返すつもりじゃ」
あれから2年と8ヶ月
エイトがミュウとの婚約の話をしたのは高等部1年の頃だ
日本で言う所のゴールデンウィークの時にミュウの実家に帰省して婚約の許可を取りに行って来たのだ
「覚えているなら私は何も言う事はないわ、その約束を守ってくれる限り、私達フローラ家は貴方の味方よ」
「ありがとうございます、イリスさん…いえ、お義母さん」
「んー~!!!可愛い!!!」
イリスはエイトを抱き寄せて胸元で頭を撫でる、これも昔にやられた事だ
イリスには息子がいない、その為ずっと自分の息子が欲しかったのだ、浮気した夫は行方不明の状態で何処にいるかもわからないし
今更再婚するつもりもない
ではどうするべきか、答えは簡単だ、ミュウと結婚する男は必然的に自分の義理の息子になる
その子を自分の息子として愛せば良いのだ
「ちょっと!お母様!」
「イリス様、流石にエイトさんのご両親がいる前でその様な事はお控えください」
ミュウとシルフィがイリスを引き剥がし、エイトを両親の所へ渡す
「変な母ですが、どうぞこれからもよろしくお願いします」
「はは、大丈夫だよ、うちの妻だって変わらないからw」
「は?」
「すいません調子に乗りました許してください」
息子が欲しいあまりにエイトを溺愛するミュウの母、マクラレン家特有の「特定の人物(達)に死ぬほど愛される」と言う血統
ある意味で凄い両家の下、エイト達は祝賀会が始まるまで待機していた
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続く
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